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4.5なにが青春だ。どいつもこいつも、恋だの部活だの遊びだの、楽しそうにしやがって。 俺には友達もいない。恋人もいない。部活にだって入ってない。青春なんて無縁だ。 だけど、それのなにが悪いんだ!? そんなくだらないものをありがたがっている奴らも、俺を見下すような奴らも、全員くそだっ。 そう思っていた。彼女に出会うまでは。 誰もいない昇降口。壊れた下駄箱。汚れた階段。床が抜けそうな木張りの廊下。 そんな古びた旧校舎の三階の一番奥に、秘密の部屋があった。 黒い三角帽子とローブを身に着けた冥先輩は、床に魔方陣を描き、黒魔術で人を呪うことに余念がない。耳にかかる艷やかな髪をかきあげ、海のように澄んだ大きな瞳で、はにかみながら彼女は俺に言う。 「呪っちゃうからね」 空が青く澄みわたり、桜舞う春。 入学したばかりの高校で出会った彼女の笑顔を、大人になった今も俺は忘れられない。 聖女と崇められる先輩と出会ったことで、かけがえのない青春を送ることになる、ある高校生の物語――。
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3.8大学生になって、アパート「Bコーポ」二○一号室で一人暮らしをはじめた僕は、入学式の日、彼と出会った。パイプのように曲がったシッポをもつ、真っ黒な毛並みの猫。孤高を愛し、クラシック音楽に浸り、ときどきコカイン(マタタビ)もたしなむ彼こそ、天才的な観察眼と推理力で難事件を解決する猫の探偵――シャーロック。これは、そんな猫の彼と人間の僕が、まるでホームズとワトソンのような絶妙なコンビネーションで奇妙な謎に挑む、風変わりなミステリーだ。
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5.0「どうして小説の編集部に配属されなきゃいけないの?」 小説嫌いの春原美琴は、突然の異動に頭を抱えていた。 「文芸編集者ってのはな、小説を食って生きるやつのことを言うんだよ」と語る無愛想な先輩の指導のもと、彼女は一筋縄ではいかない作家達と悪戦苦闘の日々を送ることに。 そして「この本は絶対に売れるのかい?」と睨むような目で訊いてくるのは、誰もが恐れる厳格な文芸局長――。 これは、慣れない仕事に悩みながらも挫けず、成長していく美琴の姿を描く物語。