小説 - 高橋三千綱作品一覧

  • 朝はひとりが一番いい
    -
    愛の名残りをいとおしむ女たちの多彩な朝。一人で生きていても、恋愛の似合う女がいる――「君は、いつでも一人で生きている女だよ」そんな女、いるはずないと、心では思う。でも、一人で起きる朝も悪くないと思えてきた……。芸能界に生きる女と、プロスポーツに力を注ぐ男との、ふとした出会い。あわただしく逢って別れる、現代の男女の恋愛を、乾いたさりげない優しさで描く、著者初の恋愛小説集。
  • 怒れど 犬
    3.0
    飼い主の顔色をうかがい、ふてぶてしく居ついてしまった犬を、残忍なまでに虐待する「私」。そこまで残酷な行為に走らせるものは何か? 犬の中に、生ぬるく醜い己の姿を見るためか? 人間の偽善をあばき、愛とは何か、生きるとは何かを、抑制のきいた文体で著した傑作。ほかに、「十三歳の旅」「たとえば風に向かって」を収録。
  • いつの日か驢馬に乗って
    -
    父親を亡くしても、幼い頃からの笑顔は変わらず、中学生になると、兄を真似て新聞配達を始めた妹。あの早苗が、男を愛する年齢になった……。兄妹それぞれの愛の形を、いとおしむように切々と描いた表題作ほか、「充実した日々」「長い顔のボーイフレンド」「ラベンダーは男の香り」を収録する。青春の哀歓を描く、爽やかな小説世界。
  • 彼の初恋
    -
    少年のころ、憎悪の対象であった父親は、いま、好々爺をきめこんでいる。勝手に人生を引退させるものか……。父親を超えていくための息子の格闘を描いた「親父の年頃」、友人の恋愛問題に絡んで奇妙な友情と人間関係をみせる表題作など、青春の苦渋と爽快さを清新な感覚で描いた作品集。他に「光る丘」「野性」「雷魚」を収録。
  • さすらいの皇帝ペンギン
    -
    小説家・楠三十郎は『テレビ麻布』開局30周年記念のドキュメンタリー番組のレポーターとして南極に行ってほしいとのオファーを受けた。経由地、チリのプンタアレナスで、ある少女からクリスマスプレゼントとして大きな鳥かごをもらうが、中にいたのは皇帝ペンギンの雛。どうやら南極に帰してほしいということだった。そしてペンギンとの悪戦苦闘の旅が始まった――。軽妙な筆致で“生きること”の尊さを描く。三千綱ファン待望の感動長編。
  • 退屈しのぎ
    -
    アメリカ留学中の純一・23歳。急な坂の途中に建つ、ボロアパートに住む。坂の上には、老人が一人いつも陽なたぼっこをしている、公園。そこを隣人ボブは、サンセットパークと名づけた。底が抜けたような青いカリフォルニアの空の下、純一は青春を生きる。時を殺しながら……。新しい文学の誕生を告げる、著者の第一作品集。群像新人賞受賞作の表題作ほか3編を収録。
  • 挑戦の世代
    -
    狂乱の証券会社支店長の闘いの日々。団塊の世代のエリ-トが求める愛とはなにか。バブル経済の只中で必死に生きた結果、残るものはなにか。激変する現代に生きる男の姿をみごと描き切った傑作長篇。――若き証券会社支店長が、バブル経済の狂乱の日々のなかで見つめる友情、求める愛、闘う意味を描く。団塊の世代のエリートたちの浮気スキャンダルに巻き込まれ、苛烈な競争に追われ、なお財テクの仕掛人の一人として、無我夢中で駆け抜ける、40歳の男を主人公にした、現代企業人の共感と感動を呼ぶメッセージ。
  • 天使を誘惑
    -
    一途に思っているのは本当なのに、なぜだかいつも傷つけてしまう。でも恵子は、傷ついても傷ついても、あの優しい微笑みを忘れずに、僕を見つめ、僕を包み込んでくれていた……。そんな天使に幸せを! その日暮しの貧しさでも、愛の巣づくりに真剣に取り組む二人。行く先知れぬ青春の迷路を手さぐりで歩む愛のかたちを、二人に優しく寄り添うようにして追う、爽やかな恋愛小説。
  • 涙

    -
    グリーン上での父と子の再会、異母兄弟の優勝争いと和解、老プロゴルファーの秘話、デビュー3戦3勝してペルーへ渡った若者の笛……、プロゴルファーたちがフェアウェイで向かい合うのは、思いがけない人生の真実と心暖まる発見。勝敗や技術の極限の先に広がる人生のドラマを、愛と友情の形で切り取った、必ず泣ける感動的なシーンばかりの小説集。ゴルフを知らない人も涙が止まらなくなってしまう「落涙小説」ナンバー1!
  • 猫はときどき旅に出る
    4.0
    第1部発表から十一年を経て完成された長編小説の傑作! 作家兼脚本家兼映画監督兼劇画原作者兼誠実なる酔っぱらい人間、楠三十郎の遍歴。
  • ブル
    -
    旅に出ることの多い演出家の「私」は、胃の手術に耐え、自主制作映画の夢を追って日を過す。淋しがりやの妻のために小犬を飼うが、なぜかブルは子供に対して異常な敵意をみせる。そして翌年の暮、妻は子供を生んだ。女の子だった……。冷酷でも優しさでもない愛犬ブルとの真摯な触れ合いを描く表題作のほかに、「親父の休日」を収録。人生のスタイルへの潔癖と苦渋を描く、高橋文学の注目作2編。
  • まち子の夜景
    -
    手ごたえを求める現代の若者の性を、乾いたタッチで描く、高橋三千綱の、鮮烈な小説世界。夫の暴力から逃れようとする若い女を中心に、変幻自在に揺れ動く心と肉体のどうしようもない焦燥感を、的確に表現した秀作「まち子の夜景」、都市近郊の情景の中に、若者たちのよるべなき愛と性を描く「天高く」、ほか2編。よるべなき愛と性を鮮烈に描く!
  • 雪のドレス
    -
    大手電機メーカーに勤める39歳の杉本慎二は、突然の辞令で金沢への転勤を命じられる。 そして早春の金沢へ赴任する前日、彼は部下の由美から〃運命の唇〃を受けた。その日から二人の間に、怨念ともいえるラヴ・コールが始まるのだった……。 金沢、東京、福岡、南米のチリなど、風情ある都市を舞台に、男女の悲哀を描いたラヴ・ストーリー話題作。
  • 和三郎江戸修行 脱藩
    -
    1~4巻693~759円 (税込)
    時は幕末。越前野山土屋家中はお家騒動の気配をはらんでいた。小身の家臣の三男坊・岡和三郎は、無駄飯食いの立場だが、剣の腕には覚えがあった。ある日、藩重役から江戸での剣術修行を命じられる。しかも脱藩して密行せよ、と。大枚の路銀をせしめ、刺客に襲われるも旅立つのだった。修行人宿に泊まりつつ江戸を目指す東海道中、若き剣客を待ち受ける運命やいかに……。傑作時代小説シリーズ幕開き。

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