琥狗ハヤテ - 海王社作品一覧
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3.9死者の魂を冥府へと迎え入れる扉───その名は『死生獄門』。門の表と裏には番人がひとりずつ。黒の午頭(ごず)と白の馬頭(めず)。相見えることができるのは、門が開くごくわずかな時間のみ。───闇に染まりゆく牛頭に触れたい。───白く美しい馬頭を汚したくない。互いに想い合いながらも、決して触れることは許されないふたり。近くて……何よりも遠い。その想いの行きつく先は───。
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4.3人の命が五十年と云われた時代。人が造り出した「もの」は、九十九の年を超える頃「命」を宿したという――。華麗な絨毯の姿にされ九十九神となった虎は夜毎呻き声をあげていた。愚かな人間に斯様な姿にされてしまうくらいなら朽ちてしまいたかった…そう考えていた矢先、虎を「祓う」依頼を受けた宮司と出会う。若い宮司に撫でられた虎は、彼を依り代とするべく身体を重ねて…?