小説・文芸 - 斎藤栄 - 講談社作品一覧

  • 海の碑
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    自然開発か環境保全か? 自然の宝庫、鹿児島県志布志湾の工業開発をめぐり、意見はまっ二つに割れ、激しい抗争が続いていた。折しも開発反対派の野鳥学者・福島が現地で行方不明になり、彼は遠く離れた箱根の芦ノ湖で死体となって発見される。死体移動を謀った犯人の狙いは? 開発という最も今日的なテーマに、殺人の謎を交錯させた著者会心の傑作推理!
  • Nの悲劇
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    野口英世博士が1928年、アフリカで病死したときに遺したことばは、「わからない」のひと言だった。博士の死因に疑惑を抱く「私は」、生前博士と交際のあった父の日記を秘かに調べ、一人の白人女性の存在を発見する。そして、博士の死の真相を握っていると見られるその女性は、近々日本へ来るという。だが、その彼女の身の上には異変が……
  • お伽噺殺人事件
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    たぬきに天誅! とは、不動産会社の社長邸放火犯が残した貼り紙。そして、仮住まいのテントに浴びせられた汚物……。それが、かちかち山をなぞる手口とわかったとき、事件は恐怖の「泥舟殺人」予告へと変貌した――。日本のお伽噺を現代の寓話におきかえ、残酷で華麗な、7つのトリックの宇宙を創世した、鬼才独創、話題の異色推理連作集。
  • オロフレ峠の殺意
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    不動産会社の営業マン・浅沼寿郎が、伊豆天城山中に無残な死体で発見された。北海道に単身出向中の浅沼がなぜ伊豆に? 父の死に疑問をいだいた高校生の道夫は、ひとり北海道に向かうが、父の残した日記には謎の女性の存在が。だが、その彼女も扼殺死体で発見される。残雪の北海道オロフレ峠で何が起きたのか? 旅情ミステリーの傑作。
  • 紅の幻影(勝海舟の殺人)
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    浴槽の中に浮いていた水野昇の遺体は、解剖の結果、事故死として処理された。だが、事件を予感したひとりの捜査官は、この作家志望の男の遺稿に目を通し、完璧に仕組まれた犯罪の痕跡を嗅ぎつける。美貌の作家夫人殺害の犯人を推理する、遺稿に隠された重大な事実とは? 遺稿を第一部として完結させながら、第二部につなぐ異色の構成をとる長編推理。
  • 黒水晶物語 昭和囲碁風雲録
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    碁の天才児・山岡慎太郎は、母・千鶴の手ひとつで育てられた。母は慎太郎に、亡夫の仇敵である棋士の名を教え、その敵に勝つことを命令する。亡夫は将来性抜群の碁打ちだったが、関東大震災の折に非業の死を逐げた。しかもその死には、奇怪な謎が秘められていた――。天才勝負師の青春を、激動の昭和期にからませて描く、異色サスペンス長篇。
  • 黒白の奇蹟
    3.0
    箱根芦ノ湖の遊覧船上で、財閥の御曹子が殺された。現場になぜか碁石がひとつ。交際範囲から、女流最高位を狙う棋士や、ファンの美女らの人間関係がクローズアップされたが、そのうちに第二の殺人が発生した! 囲碁と暗号を素材にして人間の愛憎をからめ、幅広く展開されてゆく、著者得意の本格ミステリー。
  • 殺人の棋譜
    4.0
    将棋界の俊鋭・河辺真吾八段の愛娘が誘拐された。「身代金1000万円を軽飛行機から投下せよ」というのが、犯人の要求であった。折りしも河辺八段は、将棋最高位を賭けて不敗の名人と対局しなければならなかった。犯人追求の行方と勝敗の帰趨が絡み、異常なスリルを醸す、第12回江戸川乱歩賞受賞作。
  • 湘南海岸殺人事件
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    大友部長の策動で、風見は小田原に転勤を命ぜられた。怨みはやがて殺意に変わり、綿密な殺人計画が練られていく。ゴルフと釣りが趣味の大友をどう殺すのか? そして、ついに磯釣り中の大友を、海に突きおとした! 完全犯罪の成立、とほくそ笑む風見だが、意外な展開が待っていた! 愛憎うずまく湘南を舞台に、様々な惨劇を描いた傑作8編を収録。
  • 少年探偵ジャーネ君の冒険
    5.0
    瀬戸内海の小島に家族旅行をした、ジャーネ君こと平井少年は、思いがけず、慶長小判を発見した。島の数少ない住人は、大さわぎ。ところが、厳重に保管したはずの金庫から、小判が消えた! 犯人は誰か? どうやって盗み出したか? をめぐり、平井少年の活躍がはじまる……。他に「ジャーネ君の寒い冒険」を併録した、異色のジュニア向け本格ミステリー。
  • 巨人機が消えた
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    東洋国際航空の桐山琢磨機長は、箱根のホテルで静養中、何者かに襲われた。だが、瀕死の重傷を負った彼自身が、「…ジャンボが…消えた…」と謎の言葉を残し、姿を消してしまった。その後、副操縦士、フライト・エンジニアと関係者が次々に殺される。機長の娘と婚約者が事件の解明に動く! 航空ミステリーの代表作。
  • 鳥取砂丘殺人事件
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    夫に内緒で、セールスマンの投資の勧誘に乗ってしまった多恵子は、3ヵ月後、相手の会社の倒産を知って愕然とする。そして、そのセールスマンの自宅を突きとめてみたが、その男は殺されていた! だまされたうえに殺人容疑までかけられ、幸せな妻の座から転落し離婚寸前の多恵子だったが、事件は意外な方向へ進んでいく……。本格ミステリー傑作集。
  • 日本国憲法殺人事件
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    「天地製薬のチミドールは、実験データが捏造されたもの」という匿名投書が、東邦新聞社にあった。偶然、この抗生物質によるショック死事件が続いて起っていたのだ。その矢先、実験の鍵と思われた男が怪死した……くちなしの花の中で。遺された憲法条文の切り抜きは、何を意味するのか? "斎藤栄流トリック"が意表をつく、本格推理。
  • 日本のハムレットの秘密
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    旧一高生・藤村操が、「巖頭の感」を遺して身を華厳の滝に投じたのは、明治36年5月のことだ。この天才少年の哲学的自殺から70年を経て、推理作家である私の許を訪れた若い女性は、藤村の死は偽装自殺ではなかったか、とほのめかす。しかもその女性は、藤村の孫だと自称する。では藤村は、なぜ偽装自殺を試みたのか? 暗号解読の興味を含め、推理は大胆に展開する。
  • 日本のヒトラーの秘密
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    城塞のような病院で、白覆面に顔を隠し、山下清次郎と名乗る男が射殺された……。替玉殺人か? 誤殺か? ヒトラーと符合する条件を備えたこの男の正体は何者か? 大きな謎の陰で、もう一つの陰惨な密室殺人劇が進行していたとは……。奇想天外な仮説に託し、日本のヒトラー台頭の予兆に抗した、異色の本格推理。
  • 箱根高原殺人事件
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    観光会社に勤務する大伴良雄は、婚約者の津田亜妃子と箱根高原へ旅行に出かけた。だが、何者かにより殺されてしまう。残された彼の日記から派手な女性関係を知り、亜妃子はショックを受ける。それにもめげず、日記の女性たちの行方を探り、事件の謎を追っていく。だが、彼女に魔の手が忍び寄る……。長編推理小説。
  • ハムレット殺人
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    高層マンションの火事に巻きこまれた私は、人妻を救助する。その際、彼女が手にしていた小箱をあずかるのだが、いつの間にか紛失してしまった。そしてやがて、彼女の夫が、海で奇怪な死を遂げる。警察は、私を殺人の共犯者では、と疑うのだが、その理由とは? トリックの名手が、短編に腕の冴えを発揮した本格推理作品集。
  • 日美子の誘拐集団
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    産院から新生児が、看護師とともに誘拐される。わが子を奪われた母親は、友人の二階堂日美子に助けを求めた。日美子のタロット占いは、どう謎を解くか? 捜査陣と犯人との息づまる駆け引きのなか、奇妙な誘拐交渉請負い人や私立探偵まで介入して、事件は思いがけぬ展開をみせる。人気の日美子シリーズ会心長編。
  • 日美子の完全犯罪
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    タロット占いの名手で名探偵・日美子自身が誘拐され、夫の二階堂警部に身代金要求が! しかし犯人は、受け渡しの場所に現われず、そこにはタロットカードが2枚落ちていた。その意味とは? やがて、その隣りのマンションで女性の死体が発見され、日美子までが疑惑の対象になってしまう。占いの世界と男女の愛憎を巧みにからませた、著者得意の長編ミステリー。
  • ファウスト殺人事件
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    死体の傍にあったゲーテの詩は、犯人を告発するダイイング・メッセージなのか? タロット占いをしていた二階堂日美子は、彼女自身が死者になって驚く。身辺に何か不吉な犯罪を予感したとたん、今度は親友・門田京子が自宅密室で殺されたとの報せが……。ゲーテの詩「ファウスト」が事件の鍵をにぎる、本格長編ミステリー。タロット占いの名手、名探偵・日美子に推理が冴える!
  • 鎌倉さざんか寺殺人事件
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    日美子の後輩にあたる女子高校生2人が、下校途中で誘拐され、自宅に1億円ずつの身代金要求が届いた。犯人が女子高生のひとりに書かせた手紙には、奇妙な暗号が含まれている。日美子の夫・二階堂警部らが、暗号解読に苦心するうち、ついに殺人事件が発生した! 古都・鎌倉を舞台に、人間の愛憎を織り込む、本格推理長編!
  • 淡紅の女の殺人
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    横浜、神戸、函館、門司…。港町ばかりに連続しておきた4つの殺人事件。タロット占い探偵の二階堂日美子は、港町探偵・ポートアイを名乗る旧友の遊佐るりと捜査にのりだす。二人の明晰な推理で事件は落着するかに思われたが、門司の事件で犯人が残した淡い紅花染めの布から恐るべき真相が浮かび上がった! 会心の旅情ミステリー。
  • ブライダル・マーダー
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    愛する棋士のために「最高位」戦で完全犯罪を仕組む女性の殺人手記。絶妙のトリックを駆使した「手記」の作者・松原良英。だが現実に、彼女が殺されてしまう。友人・二階堂日美子は、良英の手に握られた原稿用紙の端から、手がかりは「手記」にあると推理し、捜査にのりだす。多重構成、多重トリックが織り成す本格推理長編!
  • 星の上の殺人
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    ある星に、被害者・犯人・目撃者・警官・探偵・新聞記者と、役割の定まった男女たちがいた。被害者は犯人に襲われるのを覚悟し、犯人は襲う機会を狙っていた。ところが、犯人の知らぬうちに、被害者が死んでしまったので、大混乱! なぜ筋書が変ったのか? ショートショートに短中編と、推理作家としての多彩ぶりを示す傑作集。
  • 真夜中の意匠
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    遺産相続に絡むと見られる殺人事件が発生した。被害者・岡弘の父はがんセンターに入院中で、余命いくばくもない。母・久子は後妻で、弘の死は、相続者の法律関係を複雑微妙なものにした。叔父・京二郎の事件前後の行動も不可解である。だが、重要関係者には鉄壁のアリバイが……。幾重にも連なるアリバイの巧妙さで、推理小説界に反響をまきおこした傑作長編。
  • 横浜ランドマークタワーの殺人
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    鉄道警察隊に勤務する江戸川警部の恋人・小夜香が、何者かによって誘拐された。犯人からの電話で囚われの彼女は、「グッドバイね」という謎の暗号を残す。だが、奇妙なことに突然、彼女は解放された。実はそれが、事件の始まりだったのだ。今度はその誘拐犯がランドマークタワーで殺された……。長編ミステリーの傑作。
  • ライン河心中
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    高利貸の老女が、横浜の自宅で変死を遂げた。神奈川県警の西岡刑事はカンで、甥による殺人との目星をつける。愛人を伴ってライン河観光の旅に出た甥を、西岡もあり金はたいて追跡した。すると、異国では予想外の展開となって西岡をおどろかせる……。トリックの妙を示した、秀作ぞろいの好作品集。

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