【感想・ネタバレ】ブラザーズ・ブラジャーのレビュー

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Posted by ブクログ

父の再婚で家族になった弟はブラジャーをつけていた。
LGBTとか性癖ではなく、純粋に好きなファッションとして。
姉のちぐさは受け入れたが、ふつうじゃないと思われたくない、でも弟の好きを大事にしたい、と揺れる繊細な気持ちに共感できる。
まっすぐな思いをぶつけ合う、ちぐさと晴彦のやりとりに、グッときた。
読後も爽やかで、良かったです。

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2024年04月09日

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ネタバレ

程よいページ数、かわいい装丁、中身、全部が良かった!ちぐさの黙りがちな性格に対して絵美が言ったことは的を得ているなと思った。おとなしい人が全員千草のような考えを持っていると思わないが、わたしもあまり口数が多い方ではなく、喧嘩した際も言っても伝わらないからと決めつけて黙ることが多い。相手にはそれが伝わっていたのかと絵美の発言で気付いた。
ブラザーズ・ブラジャーでは晴彦のちぐさに対しての呼び方が「あんた」だったのに、ブラザーズ・ブルーでは「ちぐさ」に変わってるのが良かった。
最後の海でちぐさが晴彦のブラジャー姿の良さを叫ぶシーンは特に好きだった。智くんといた時のちぐさとは全く違って、思ったことをどんどん言う姿は本来のちぐさのようで見ていて楽しかった。

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2024年02月04日

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主人公の父が再婚し、弟になった母の連れ子はブラジャーを着けていた…。LGBTや多様性の話かと思ったら少し違った。でも他人に理解されにくい個性を認めてあげるという点では同じ主題なのかも。

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2023年12月15日

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ネタバレ

タヨウセイの考え方が広がっていく中で、それを受け入れる人間が“良い人”だという認識がどこかにあって、だからこそマイノリティの人を守らなきゃいけない傷つけてはいけない否定してはいけないというレールがひかれている
ちぐさが智くんと口論をする場面で「晴彦は智くんとは違う!あんたと違って、そんなことばっかり考えてないんだよ」と、晴彦を否定してはいけないというレールに乗ったことで後にちぐさ自身が傷つくことになるのはなんとも言えない皮肉というか… ちぐさが怒り狂うのもわからなくはないけれどその後に“性別に振り回されないからといって、性がないわけではない”という言葉で勝手に性的嗜好や性を混同しているのではないかと反省した。

好きなものを好きというだけが難しいし、考え方が人それぞれ違って面倒だし、自分が考えていることは意外と他人は勘づいてるし、多様性は認めなきゃ良い人になれないし、それなのに人は人と関わって生きていかなきゃいけないって、ちぐさと晴彦も気づいていてどこかで諦めていた部分が救われた話だった。

タイトルに驚きつつも読んだけど出会えてよかった一冊、特にブラザーズ・ブラジャーのラストは凄まじかったし書き下ろしも良かったです

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2023年08月16日

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『多様性』を上辺だけで知った気になると、返って周りを傷つけると思った。
義理だからこそ、互いの距離を測りながら歩み寄る姉弟の関係性が愛おしい。もっと二人の物語が読みたかった。

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2023年04月13日

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ネタバレ

(2023/03/24)

「小説新潮 2023年3月号」
特集読切「あなたに見合う神様を」で
佐原ひかりさんを知る。

透明感のある文章を書く人だと思った。
涙を目から海があふれるって書くのとても清らかで素敵。
美しいんだけど、衝突の描き方巧すぎてヒリヒリ。読んでるだけなのに、現場に居合わせたみたいな居心地の悪さを感じる。

エブリスタ出身ということも驚き。
すごく好きな作家さんになった。

智くんが最初から最後まで好きになれなかった。
典型的なモラハラタイプやんか〜って。

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2023年03月24日

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豊かな個性を持つ義弟晴彦と義姉ちぐさの青春物語。
晴彦に差別や非難の目を向ける人々に対して立ち向かっていくちぐさと晴彦の勇気と行動力。ちぐさの晴彦を思いやる気持ちに感動した。

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2023年02月18日

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ブラジャーを着けた弟を見て咄嗟に「これはLGBTQというやつで、否定しちゃダメだ」(意訳)と思うちぐさ
ちぐさとしては理解して歩み寄ろうとしてるけど、目の前の事象に対して自分の知ってる言葉を当てはめて解決しようとするのはエゴだと思った。
「何が好き」とか「自分を何者と感じるか」とかは人それぞれで、その度合いも違うのに、ちゃんと向き合わないと十把一絡げに「LGBTQ」という言葉で片付けてしまう。それって自分勝手で理解とは程遠いことなんだと警鐘を鳴らす作品だと(勝手に)感じた。
言葉は既存のもので、現実の事象を表現するにはあまりに不十分であることを認識せねば、と思った。

終始ちぐさの視点で、等身大の中学生を狙って書いているのが分かる(実際等身大の中学生がこうかは別として)。こういう書き方は重松清(小学校高学年の視点で書くことが多い)に近いと思った。

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2022年11月22日

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著書を読むのは「ペーパー・リリイ」に続いて二作目。 
前作に続いて本作も大満足!!
もうね、佐原さんの言葉がいちいち刺さる。

親の再婚で出来た義理の弟・晴彦がブラジャーを着けていた。頭に浮かぶ「LGBT 」の言葉。
義弟の晴彦や年上の彼氏、クラスメイト。
会話に違和感や嫌悪感を感じても、上手く取り繕ってごまかしてその場をやり過ごす「よき理解者」の私。
その場限りの関係ならそれでいいかもしれない。
でも、そうじゃないなら小さなささくれが積もり積もって…。って、私にも身に覚えがある。

作中では、結果としてそれがスッキリ。
自分の正直な思いをぶつけ合えるってすごく健やかで羨ましくなりました。
『好きな気持ちを大事にして生きていく』
自分も自分の大切な人もそうやって生きていけたらいいなぁ♪

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2022年09月19日

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私も他人のことを陰キャだって言う人は好きになれない。自分のことを陰キャだと卑下するのはいいけど。
自分の方が優位なんだ、立場が上なんだと潜在的に思っていることが怖い。

多様性を本当の意味で受け入れることは大変なことだと思う。一方で、受け入れるように繕うことは簡単だ。繕うのでは無く、こんな人もいるんだと知ることが大切だと感じた。

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2022年09月26日

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多様性を受け入れるべきという机上の空論と、実際に目の前にある多様性を受け入れる事との違いを考えさせられる小説だった。
マイノリティに堂々と差別的な発言をする人間を見れば心底軽蔑して、自分は理解のある側の人間のような誇り高い気持ちになることがある。でも現実に、例えば自分の家族に何かしらのカミングアウトをされた時には、いつも見て見ぬふりをしていた差別的な自分が顔を出すだろう。勿論、すべての先入観や偏見を捨てることなんて出来ない。でも、そういった自分の先入観や偏見を見て見ぬふりをして理解のある側に立っている気になっている高慢さを、他人に見抜かれたような気持ちになる小説だった。

それに加えて、傷つけないように曖昧な立場を取り続ける、という卑怯さを糾弾される小説でもあった。とても身に覚えのある卑怯さである。

この本は氷室冴子青春文学賞大賞を受賞したそうだ。正直に言うと、その賞のことはこの本の帯で始めて知ったけれど、義理の弟がブラジャーをつけている話が青春文学だなんて、なかなかパンチのある侮れない賞なんじゃないだろうか。中高生にぜひお勧めしたい一冊。

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2024年05月13日

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父親の再婚でできたブラザーのブラジャーをキーワードにした話。
ちょっと説明くさい気がするけれどとても分かりやすく物事と向き合っていて自意識や世間の目が気になる気持ちをハッとさせてくれる。
主人公はとても切れやすい・・・と思ったけれど思春期なんてこんなもんなのかもしれないし、キレることができる環境に身を置けているって結構ラッキーなことなんだよなぁと思ったりもする。
生活っていう土台があって、だからこそ自意識や世間と向き合えるんだよね。

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2023年10月17日

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素敵。自分の好きなものを思い切り楽しんで!
こんな面白い個性を隠し持った持った男の子、人としてお会いしてみたいなぁ。って思ったり

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2023年08月25日

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無意識下にこうしなきゃだめだ、が自分の本心だと思ってしまっている。本当はどうしたいんだ?根っこではどう思ってる?そんなことを突きつけられる。誰かのせいに、誰かを言い訳に逃げるなと。
嫌なところもかっこ悪いところも全部全部含めて好きなものは好き。そう言い続けたい。

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2023年08月13日

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高校生が主人公の物語は、過去の自分と比べやすくて共感しやすい。自分の物語のような。。大学生以降は進む道によって違い過ぎて、小説として読んでしまう。

この本は、複雑なことを理解の入り口まで連れていってくれるような本でとてもよかった。

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2023年06月12日

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とても良かったです...!!
文章はとにかく読みやすかったけど、感想を書くのがとても難しい。
人には誰しも踏み躙られたくない領域があるけど、知らず知らずのうちに人のそれを侵してしまったり、自分自身で蔑ろにしてしまってることがあるのかも知れない。それに途中で気付けて分かり合えたり、ずっと気付けなくて関係が壊れてしまったりする。

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2023年06月05日

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タイトル、装丁、帯、すべてに惹かれて購入したけど、大当たりでした!キラッキラしてたな。私は1人っ子だけど、こんな姉弟関係羨ましい。。血が繋がっていないからこそ、言える事ってあるよね。
佐原ひかりさんの文章、素敵でした。他の作品も読んで行きたいです♡

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2023年04月19日

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『義理の弟・晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇した、高校生のちぐさは…』
刺さった。大当たり。自分が傷つく可能性があっても、時には相手に意見を言うことがいかに大事なことか改めて考えさせられた。相手を信じて伝える努力をしていきたい。

令和の時代に相応しい作品だと感じたし、大人は勿論、中高生の多感な時期に読んで欲しい作品。

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2023年04月16日

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思春期のもどかしさや将来の見えない感じ、他人や個性と向き合う事など登場人物と同じ年齢あたりで感じていたり経験した青春と呼ぶには苦味を感じる部分が読みやすい文体で爽やかに書かれている作品でした。

普通で平穏を求めて自分を抑えてしまったり周りと比べて苦しくなってしまったりして環境と成長途中の心がちぐはぐでちょっと不安定なちぐさと自分の好きな事をちゃんと持ちつつもある事から罪悪感がずっとあって自分より優先するものをもってしまった晴彦が理解しきれないと思いながら、ぶつかりながら、優しくしたり寄り添ったりする様子がとても可愛くてとても良いと思いました。
終わり方も未来を想像させながら爽やかさもあって良いですね。

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2023年02月25日

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「理解あるように振る舞うのが良い人の必須条件なんだよ。タヨウセイってやつを大事にできないやつは良い人失格なの」

女性はブラジャーをつけて、男性がつけるものではない。確かにこれって誰が決めた当たり前なの?
人は当たり前がちょっとズレてる人がいると〝おかしい人〟とレッテルを貼ってしまい距離を置く

にも流されず好きなものを大事にする優しくて強い晴彦と、ちぐさがお互いを尊重し大事にしていける関係になっていくところが素敵でした

私がちぐさだったらやっぱり戸惑ってしまうし周りに隠したくなるかもしれないけど、
晴彦がタヨウセイについて優しく教えてくれた気がします

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2023年01月02日

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主人公のように、自分の中で「どうせ分かってもらえない」で完結させてしまうことが多いから、そういう感情やそれに対する周りの反応が上手く言語化されていて涙が出た。

この小説はとってもよかったけど、現実はこんなにうまくいかないし他人とは分かり合えないことが多いよなあ。

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2022年10月03日

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好きなものを好きと言う、
そこに他人の目があると、ままならないのがもどかしい。
自分の感受性は自分で守るしかない。
それでも、自分以外の誰かに認めてもらえると、本当に嬉しい。
お世辞やその場しのぎの美辞麗句は、その瞬間騙されたとしても、後で余計に虚しくなるだけ。必ずわかる。
「傷つけたくない」事なかれ主義が一番、性質の悪いものだってわかる。
自分の心に正直でありたい。

夜中のフルーツサイダーのシーンがとても素敵だった。

表紙絵もいいし、とびら?のレースのような特殊紙もレモン色を透かして楽しめて最高。装丁込みで好き。

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2022年06月20日

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ネタバレ

多様性って難しい。もし友人や恋人、家族が「普通」とは違うと知った時、認めてあげないとって思ってしまう。でも、認めてあげるって上から目線。「普通」と違うことで今まで色々な苦労とか苦痛を味わってきたんじゃないかと同情し、可哀想な人扱いをしてしまう部分があるように感じる。

他人と同じ「普通」であることに安心する多くの日本人にとって、多様性を尊重するというのは難しいことだと思う。表向きでは取り繕うことができても、なかなか心から受け入れることはハードルが高い。もし私の周りにブラジャーが好きな男の子がいたら、表向きでは受け入れたように接するかもしれないけれど、内心引いてしまうと思う。気持ち悪いと思ってしまうかもしれない。でも、誰にも迷惑をかけているわけではない。ブラジャーが好きだからと女性の下着を盗むことは許されないけれど、誰にも迷惑をかけることでは無いのなら、立派な趣味だし、好きなことを突き詰めることは素晴らしいことだと思う。

ファッションに関してだと、好きという気持ちと自信があれば、自然と似合って見えるんじゃないかな。
ファッションに限らず、自分に合う、合わないを判断の基準にせず、純粋な「好き」という気持ちを大切にしたいなと思った。

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2022年06月01日

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全体的に文章が読みやすく、スラスラ読むことが出来ました。
思春期独特の悩みや、大人になっても大切なことを思い出させてくれるいい作品。
好きなものを好きだと胸を張って言える人間でありたいと、心から思いました。

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2022年05月23日

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ネタバレ

父親の再婚相手の弟がブラ好きだった。という物語。
コメディなのかなと思っていたら、そんなことはなく、ちゃんとした家庭ドラマ。

ちぐさは自分の気持ちを押さえることで、周りとの関係を作り上げる女子高生。仲のいい友だち、大好きな彼氏にも自分と噛み合わないことがあっても、笑って飲み込む子。
そんな中、お父さんの再婚相手の連れ子、中学生の晴彦。おとなしそうな見た目だけど、大人びていて自分を持っている。そんな晴彦にもだれにも言えないで抱えていた悩みがある…

ブラを通してだけど、友だちとの喧嘩や自分の生き方を見直す、ちぐさの成長はおもしろい。

ちぐさの友だちのサバサバキャラの絵美に、ちぐさが言ったセリフ
「絵美は平気でも、他の人は気にするかもしれない。自分が大丈夫だからって、たかをくくりすぎだよ」
グサッときた…わたしもよくやる…気を付けよう。

そして、そんな絵美が自分の進路を親に反対されたときのセリフ
「そのうち夢は叶わないし、誰かが叶えてくれるもんでもないからさ。~中略~ あのとき反対されてなかったら違う人生があったのかとか考えちゃって親のせいだー、って恨んじゃって。そういうジメッとしたのがヤなのよあたし」
高校生にて自分を持ってる…自分の道を貫ける…すごいと思う。

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2024年03月12日

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心の描写が細く書かれているのと思春期の繊細で複雑な描写を書いてる小説
再婚した連れ子同士が葛藤しながら、心を開いてく話し
私からするとかなり遠い話しだけど
その頃の複雑な心理を思い出す。
文章的にはあまり好みではない。
これは趣味嗜好だと思う。
作者の年代が離れすぎてるせいなのかな

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2023年05月19日

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繊細さと大胆さを兼ね揃える主人公が良かった

好きなものは好きだとすること、
好きなことを好きと思える心を正直に大事にしていこうと思える作品

とりあえず身の回りのものは大事に扱おう
そして誰かからの優しさには気づこう

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2023年02月25日

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ネタバレ

前読んだ作品も人とは少し違う特徴があり疎外感を感じ悩み苦しんでる内容だった(今回は弟だけど)けど前の作品と今回の作品の主人公はだいぶ似ていて序盤の方はイライラしてしまった。

2冊読んで苦手な部分の理由がわかった。思春期特有の主人公や周りの人たちの自意識過剰で情緒が不安定なところが中学生時代の居心地の悪さとイライラしていた時を思い出すからだと思った。そう思わせるってことはだいぶリアルな描写なんだなぁ笑

何もそこまで人はあなたのこと見てませんよ。それに少し違ったくらいで枠から外れることの恐怖心が強すぎるし敏感すぎるのが共感できなくて(私は学生時代そうではなかったので)イライラポイントになっていた。

でも物語が進むにつれて自分の心の動きを分析して改善しようとするのはとても立派だったし、私はここまでできただろうか…とも思う。兄弟でお互いにぶつかり合って仲を深める所はジーンときた。

最後の主人公による弟のブラジャーのレビューは面白くて笑った。

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2023年01月09日

Posted by ブクログ

父の再婚により新しい母・瞳子さんと中2の弟・晴彦と暮らすことになった高校1年のちぐさ。ある日、晴彦がブラジャーをつけているところに遭遇して、これはあれだ、保健とか道徳で習ったやつだ、と思うが晴彦はおしゃれで着けているのだという。似合う。理解とか共感とか好きなこととか。とっても読み心地のいい青春小説。おすすめ!

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

父子家庭に育った女の子ちぐさ。父悟の再婚
相手瞳子に2歳下の連れ子晴彦がいた。晴彦
は男の子ながら、ブラジャーを愛する趣向を
持つ男の子だった。新しい家族と向き合うち
ぐさと晴彦を中心にストーリーが展開する。

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2022年05月28日

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