あらすじ
かつて女性中心で行われてきた家族の介護。今では男性(夫や息子など)が担い手の3分の1を占めるが、問題は少なくない。孤立し、追い詰められた男性介護者による虐待、心中などの事件は後を絶たない。他方で介護離職を余儀なくされる人もいる。本書は、悲喜こもごものケアの実態、介護する男性が集い、支え合う各地のコミュニティの活動を、豊富なエピソードを交えて紹介。仕事と介護が両立できる社会に向けた提言を行う。
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Posted by ブクログ
介護者は孤立してはいけない、させてはいけない。
性格の傾向的に男性の介護者はより孤立してはいけない、させてはいけない。
父とは離れて住んでいる為全面的な介護は出来ないが、職員さんやケアマネさん達に頼りつつ支えて行きたい。
この本は目次を眺めつつ、その折々に気になる所を読み返して行く事になるだろう。
喜久屋書店天王寺店にて購入。
Posted by ブクログ
確かに増えている男性介護者。
自分の介護に芯を持って取り組み、医療者からの助言にあまり耳を傾けないことを介護現場で感じていた。
女性と比べて他者との接点が少ないからこそ入ってこない情報、さらに接点があったとしても原因に対して結果を求めるビジネスモデルの思考は、ホッとできる居場所を感じるようなコミュニケーション(ムダなおしゃべり)になりづらいことを本書を読んで理解できた。
介護する家族はみんな不安や苦しみを抱えやすいからこそ、男性ならではの特徴を知り、交流がもたらす介護への肯定感を多くの介護者に感じとってもらえる関わりをしようと思った。
Posted by ブクログ
男性介護者たちの会のサポートを続けてきた著者が男性たちによる介護の現状を概説する。概説というのがぴったりで、それほど目からウロコな情報や論が展開されるわけではない。
紹介されているデータとかからすると、男性介護者が増えていることはもちろんなんだけど、ステレオタイプな介護者像である妻や嫁による介護だって成り立っていないのが現代日本の現状。かたや女性活躍の時代とか言って女性もどんどん家族の介護なんかできなくなり、自分の親は自分で見るのがこれからの介護だろうし、さらにいまではヤングケアラーなんてのも話題になっていて、ほんと前途多難。そのあたりまで示唆されていて、「男が介護する」っていうタイトルだけど、この本のいわんとするところは、奥付に記載されていない副題らしき「家族のケアの実態と支援の取り組み」というところにあるんだと思う。
あとがきで鷺沢萠が出てきてた。ちょっとこじつけっぽい感じもしたけど『海の鳥・空の魚』を引いて、思わぬ場におかれた人でも活きる瞬間があるということと男たちの介護を結びつけていた。