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ミステリ、サスペンスとしての面白さもさることながら、簡潔でリズミカルな文体がとても良い。以前ノリウッド映画で垣間見たラゴスの街や邸宅、快活な女性たちがまとうカラフルな衣装を思い浮かべながら読んだ。ぜひ映画化してほしい。
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コメディ寄りかと思ったら全然そんなこともない。
シリアルキラーの妹を持つ真面目な姉が主人公。
滅茶苦茶に読みやすくて展開も面白かった。
話のつくりがうますぎる
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ナイジェリアの作家が描く、サイコミステリー。交際相手を殺しがちな妹、その後始末を手伝う姉。姉妹の性格も容姿も真逆といってよい。
家族、ジェンダーなども描きつつ話が進むが、重たくなりすぎず軽妙で読みやすいこの作品。ほんの1-3ページずつに章が分けられて描かれているのも驚きだが、重たいシーンでも軽妙なジョークが挟まれる。ナイジェリアの文化なのではとのこと。この独特な感覚は、ぜひ味わってほしい。
お勧めです。
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妹の殺人の後始末,過去のトラウマ,ほのかな恋,抑えきれない感情を目覚めない患者に語りかける看護師のコレデ.その出口の見えない姉妹の関係に胸が痛む.
次々と起こる事件をサクサクと明快に書き分けて,会話も巧みでとても面白かった
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機能不全家族という土壌で形成された姉妹の歪な絆。理解し難い所もあったけど、人命の軽い国では割り切りの良さがないと幸せは手に入らないのかも。
軽快に流れる文体は、不気味な世界に独自のユーモアを与えていて面白いなと思いました。
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なんとも珍しいナイジェリアミステリ。
人物描写や人間関係にそこはかとなく文化色を感じ、序盤やや馴染めない感じがしたが、凝縮された3~5ページからなる章を連ねた小気味よい構成に引き込まれていった。
何故か付き合う男、付き合う男をナイフで殺めてしまう妹アヨオラに振り回される姉のコレデ。
アヨオラの次なる標的はコレデが職場の病院で密かに想いを寄せる医師のタデ。
アヨオラのぶっ飛びっぷりと、その言動を諫めながらも心の底では血の繋がりによる愛情を捨てきれないコレデの物語の行きつく先はどこなのか。
とてもサスペンスフルで、なるほどおもしろいと感じた。
結末が期待していたほどひねりの利いたものではなかったのでやや残念だったが、今後に可能性を感じた作品。
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あっという間にクライマックスを迎えてしまった。サクサク読めるしコミカルなところもあるのだけれど、これそうとうトチ狂った姉妹の物語だぞ!?(褒めてる
嫌いじゃないよ。コレデ。きみがいちばんトチ狂ってる。この二人は今後もこうして生きて(殺して)いくのかしらと先々を思うとまたゾッとする…
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意外に小さい本ということにまずビックリ。
お話自体はテンポ良く、読みやすかったです。長女同士感情移入できるかな..と思ったけど、全然そんなことはありませんでした。あんな妹いらん笑 でも魅力的なことはよく伝わりました。人物の見た目の描写はすごく良くて、しっかり想像できました。
主人公が日本的だなと感じ、周りにイラッとするだろうなってこととか、そんなところは共感しました。
多分アフリカの作家さんの本は初めてです。周囲の描写が新鮮でした。
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ナイジェリア発新人女性作家によるデビュー・ヒットということである。ロンドンとナイジェリアの大都市ラゴス島を往来する若き女流作家(1988年生)のこれまでの人生がどのようなものかはわからないが、英国へ留学し、キングストン大学の学位を取得している上流育ち。写真は可愛らしくお洒落なイメージ。
まずはアフリカ発ミステリーというだけでも珍しいし、数々のミステリー賞を獲得したという、本作の煽情的なタイトルも話題性豊かで目立つだろう。ちなみに本書は、二百ページに満たない短めの小説である。内容は細かく区切られた章立てによる、場面転換の豊富な、とても読みやすく興味深い作品であった。
三人以上の殺人で「連続殺人鬼=シリアルキラー」の称号は得られるのだそうである。我らがヒロインは、殺人者の姉コレデ。彼女の愛する妹アヨオラこそが、殺人者である。アヨオラは三人目の彼氏をナイフで刺し殺してしまったことで、ついにシリアルキラーとなったのである。コレデは、愛する妹のために率先して死体を始末し、部屋の証拠を片付け、妹を救うべく奔走し、隠蔽する。
コレデの仕事は看護婦。その職場でのエピソードが現在時制で、ストーリーの軸となりながら、凶器のような存在でありながら美貌を誇る妹アヨオラとの共存生活を描いてゆく。殺人鬼の妹が姉の生活に割り込んでくることで、姉は様々なトラブルに巻き込まれることになる。病院も自宅もスリリングな場面でいっぱい、ということに。
この通り、基本プロットはとってもブラックなのだけれど、実は明るく、元気で、デリケートで、読みやすい家族小説とも言えてしまう。今は亡くなっているらしい父親の隠されたストーリーを背後に思わせぶりに秘めつつも、比較的無頓着な母親と姉妹という女三人、彼女らの暮らしにアヨオラが引っ張り込んでくる犠牲者たち、という構図が、何とも言えないスリルを生み出す。
異常な事態を描いた状況小説、という読み方もできるし、人種や生活格差など様々な社会問題を孕んだ、ラゴスというアフリカの大都市を風刺する小説という側面も持っている。さらに家族と青春を描いた前向きな自立小説と言った側面も多分にある。どこを取ってもエネルギッシュな生命力に満ちているが、墓の中を覗くような怖さもつき纏う。
恐怖とスリルをまぶしたシリアルキラーという異常を軸に、クライム小説としての切り口も添えて、読者の前に出される極彩色の民族料理。よく掻き混ぜて口にしてみると、様々な新しい味わいが得られる珍味食材。馴染みのないこの発見の喜びは、少なくともどなたにも感じ取って頂けることと思う。
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真面目な姉と奔放な妹の絆と葛藤、家族の闇、薄っぺらい人びと、重めのテーマだが短く簡潔でポップな文体で淡々を進められるストーリーテリングが新しい。どうしょうもない状況なのになんだか明るいところがアフリカらしいのだろうか。
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狂っているものをブラックユーモアで軽やかに描くのがなんか面白かった。
妹が恋人を次々殺してしまう。妹を守るために姉が死体を始末する。おかしいのはどちらなのか。いや両方か。
「命を始末するよりも死体を始末するほうが、うんと手間がかかる。」
なるほど。
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タイトルだけ見れば猟奇的なものを想像するけれどそれだけではなくて、ブラックユーモアのような雰囲気もあって面白い。妹が殺人を犯し姉に助けを求める。そうしてやってきた二人の繋がりと姉の苦しみ。それが抑えた文章で描かれていてこれまであまり読んだことのない作品になっている。
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や、これは新感覚。
ナイジェリアの女性作家だが、英国の大学卒の方。
舞台がナイジェリア最大の都市ラゴスだが、植民地としてのアフリカ感がなく、空想上の都市のよう。
まず妹がぶっ飛んだ性格破綻者として登場しどぎもを抜かれるが、堅物と思われた姉のクールな語り口から次第にバックグラウンドが明らかになると、まるっきりのおもしろいミステリーでないことがわかってきて、
確かにブッカー賞候補作品だと納得。
200ページほどの中篇で読みやすく、変わった感じの小説を読んだ気持ちになって楽しめた。
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ナイジェリアの治安だからこそ成り立つハラハラドキドキのサイコミステリー。これが監視カメラが街に点在する日本だったらすぐに犯罪の足がついてしまうだろう。時に互いに懐疑的になりながらも一緒に生きていく姉妹の姿は、運命共同体というか一蓮托生というか。シフターフッド的な作品でもあり、とても楽しめた。
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「ねえコレデ、殺しちゃった」美しく誰からも愛される妹アヨオラから掛かってきた3度目の電話。妹とは違い控えめで堅実な姉コレデは、彼女が犯す犯罪の隠蔽を続けていた。
衝撃的な題材だが淡々とした文章から、事件が姉妹の日常に溶け込んでしまっている様を思わせる。ソシオパスの妹だけではなく家長制の背景についても考えさせられる一冊だった。短めで読みやすい。 ハヤカワポケットミステリは小口染めが可愛らしいですね。持ち歩いてるだけで嬉しかったです。
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ナイジェリア人の作家さんということで、気になって読んでみた。
アフリカが舞台の作品は、ほとんど読んだことがないので新鮮。
ミステリ・レーベルから出ている本だけど、自分的にはこれは純文学だと思う。
登場人物のほとんどがクズだと思ってしまうのは…自分がおかしいのか?
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各章が短いのですぐ読める。内容は凄いのに何故か突き放した様な雰囲気がドライで良い。コレデはずっと妹を庇い続けるのかと考えると着地がイマイチの気がした。
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平凡な姉の想い人が美しい妹に奪われるというよくある設定に、シリアルキラーだという突拍子もない要素が加わって、果たして結末はどうなるのかという興味で読者を引っ張っていき、尻拭い役の姉がドタバタしながらも事態は一応の決着をみるのだが、ジタバタするのを止めることにした姉が妹の悪癖にどう付き合っていくのかという続編(無さそうですが)というか、殺人鬼デクスターばりにTVドラマ化したら面白くなりそうな予感が…