【感想・ネタバレ】内澤旬子の島へんろの記のレビュー

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Posted by ブクログ

ひたすら小豆島の霊場を巡る本なので、土地勘がないと、やや冗漫で退屈かも。
それにしても、小豆島、奥深いな。
オリーブオイルなんて新参者だということがよくわかった。
霊場、本格的です。

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2021年04月11日

Posted by ブクログ

 小豆島の島へんろを体験したエッセイというか旅の記録。

 なかなか先に進まず、著者の心のうつろうさまが、ねっとりとじっくりと描かれている。それを読んでいると、一緒に迷っているようなさまよっているような、そんな気持ちになる。
 しかし、これをどうやって書いているんだろう。雑誌連載? 気持ちをレコーダーに吹き込んでいる? 油断すると美辞麗句の使い勝手のいい紀行文になりそうなところを、おのれの感じたことに主を置いて描いてくれたので面白かった。

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2021年02月14日

Posted by ブクログ

前著「着せる女」がとっても楽しかったせいか、これも明るい遍路道中もの(タマキングの「だいたい四国八十八カ所」みたいな)だろうと思って読み始めたのだが…。うーん、ちょっとヘビーな読後感だ。考えてみれば、これが書かれたのはストーカーとの戦いのすぐ後であるし、だいたい女性が一人でお遍路をしようというのは、あんまり幸せいっぱいという状況ではないことが多かろう。私の思いこみが浅はかだったわけだけど。

早朝に起きてヤギの世話をし、軽トラでその日の最初のお寺まで行き、しょっちゅう道に迷いながらいくつかの札所を拝み、夕方には帰宅する。そうやって(イメージよりはずいぶん大きい)小豆島を1年以上かけて歩き遍路した日々のあれこれが綴られている。

多くの札所は観光的にはほとんど知られていないところだが、「岩窟寺院」など非常に興味深い。歩き遍路する人は少なく、遍路道が荒れていたり、案内標識が不備だったりするが、その分四国八十八カ所のようなメジャーな遍路にはない味わいがあるとも言える。

と、いうような感想より何より、内澤さんの吐露する心情がかなり重くて、しばしばため息が出た。信仰を持っているわけではない、むしろスピリチュアル方面とは距離を置いてきた、オウム真理教事件に大きな衝撃を受けたものの、その後それについて深く考えてきたわけではない、しかし中年にさしかかり、大病をしたり、ひどく理不尽な目に遭ったり、同病の若い友人が亡くなったりと、思いもかけぬ出来事が相次ぐなか、思い切って遍路旅をしようと思う。内澤さんは極度の方向音痴だそうで、歩きながら迷いに迷うのだけど、それは自身の内心の彷徨のように見えてくる。

結願してすっきりしました!というような、安易な話にならないのはまあ当然。「ストーカーとの七〇〇日戦争」で、「希死念慮がある」と書かれていてドキッとしたが、本書でも同じ文言が出てくる。これ以上ないほどに自立した女性である著者には、余計なお世話だと怒られるだろうが、どうぞ死なないでほしいと心から思います。

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2020年12月11日

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