あらすじ
「30万人の正式雇用を目指す」――政府の重点課題に盛り込まれた就職氷河期問題。
コロナ禍の影響もあり、この目標が実現する気配はまったくない。
「失われた20年」の泥をかぶった彼らの問題はいまだ解決していないばかりか、
将来的には111万人もの生活不安定者を生み、8兆円の生活保護費追加が必要になるなど、
当事者やその家族だけの問題ではない、日本社会の大きな懸案の1つとなっている。
また足元では、コロナ禍による企業の採用見送りが、
新たな不遇の世代を生みだすのではないかという、懸念の声も高い。
氷河期世代が置かれた現状を分析したうえで、
あるべき支援・取り組みについて提言し、また、20年前と同じ過ちを繰り返さないために
どのような雇用のしくみ、セーフティネットをもうけるべきかなど、
「不遇の世代」を生み出さないための社会のあり方について考える。
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Posted by ブクログ
氷河期世代の不遇とこれからをデータと事例から問うた本。
本書にもあるとおり就職できないと全て自己責任といわれたのは自分にも覚えがある。働き手が少なくなることすら予想もできなかった政府には憤りすら感じるが政治家を選んだのは国民となると袋小路の感もある。
国任せにするのではなく自分から情報を取って生きていくしかないということだろう。自分は無知なのでIBMのSkillsBuildやお寺deハレーバレーのような試みを知れたことが勉強になった。
Posted by ブクログ
氷河期世代ロスジェネ世代がひどい目に遭っていてお先真っ暗っていうのは全く同意できる。
そしてその状況が良くなる見通しも将来に明るい見通しも全くないことも。
しかし著者の立場からすればそうなのかもしれないが一方的に氷河期世代に寄り添いすぎている気がする。
何もかも時代状況が悪かったと言うのはいかがなものか、
著者の言うように何からなにまでおんぶに抱っこでサポートしても良くはならないだろう。
Posted by ブクログ
漠然と自分も就職氷河期世代と思っていたが、まさに出口の世代にあたる。
たしかに、就職には苦労したが、なんとか就職した結果、その後まで引きずってる感覚はあまりなかったが、平均年収のカーブをみると明らかに団塊ジュニアと、その上の世代に差があることを驚いた。
また、その世代の支援が世の中として求められるものであるが、政治の支援対象として長くスポットがあたらず、放置されてきたのだと知らされた。
後半は、英国のDAという、職業訓練と学びを産官学が連携し、補助金も投じながら、しかも給料を得ながら働き学べる仕組みが紹介された。良い仕組みと思う。日本もリスキリングと声高に叫ぶ前に、真似でもいいからやれば良いのに。
最後の方は、就職氷河期世代の支援から派生して、コロナ世代やらヤングケアラー問題に触れており、ちょっとわかりにくさを感じた。ともかく就職氷河期世代が、非正規雇用や子供部屋おじさん問題など、様々な社会問題のど真ん中にあり、政治が解決すべき課題であるということは理解できた。この問題に取り組むことで後に続く世代が同じ轍を踏まないことを願う。
Posted by ブクログ
就職氷河期世代とそうでない世代では色々な面でマイナスが多かったのだとひしひし感じることができた。プラス面は、環境変化への耐性とITリテラシーが高いことくらいで他にはない…悲しみ…