【感想・ネタバレ】歪み真珠のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

山尾悠子さんの世界観が大好きです。
理解出来てない部分が多いとは思うのですが、でもどのお話も定期的に読み返したくなる。
この独特な世界観と文章。
一度ハマると抜け出せない。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「歪み真珠」とは「バロック」の語源。
ファンタジーとはちょっと違うけど、幻想的な短編集。
んー、あまり好みではないかな。

# ゴルゴンゾーラ大王と草の冠
蛙の王と蛇の女王が出てくるファンタジー的な設定だが、蛙たちがカエルツボカビ症でばたばたと倒れていくというなんとも現代的で現実的なオチ。

# 女神の通過
エドワード・バーン=ジョーンズの「The Passing of Venus」という絵画に着想を得た作品で、宗教絵画にありがちな、これいったい背景はどうなってんのという非現実的な構図をそのまま真正直に受け取って、物語にしたもの。ジョークとしか思えない。

# 娼婦たち、人魚でいっぱいの海
まさにタイトル通りの光景なんだけど、何のことだかよく分からない。

# 歪み真珠

## 美しい背中のアタランテ
神話の知識が必要。アルゴナウタイは金羊毛を求める船旅で、アタランテは実際には参加したことになっているが、参加できなかった場合の並行世界的な話。だがよく分からん。

## マスクとベルガマスク
よく分からん。

## 聖アントワーヌの憂鬱
ループから抜け出せなくなってしまった感じかな。

## 水源地まで
現代風で現実的な設定になっているのが珍しい。それでも「水源を管理する魔女」や「橋姫」などの不思議な登場人物がいるし、複雑な山道を通って来たはずなのに山奥から海までが一直線に見通せるという違和感など、すこしずれた世界という感じがする。

## 向日性について
人が日向では活動し、日陰では横になって眠る世界。なんだろう。不思議。

## ドロテアの首と銀の皿
木に囲まれた洋館で冬眠をする人々という設定をラピスラズリと共有している。
つい意味や答えを求めながら読む癖がついてしまっているけれど、文章から立ち上がってくる風景や雰囲気に身を任せていればいいのだな。これはなかなかよかった。
皿に乗っていた首の持ち主、自殺した街娘は誰だったんだろう。何があったんだろう。

## 影盗みの話
影盗みが何なのか分からないままだが、たぶん生まれつきそういう属性をもった人がいる世界の話。考えてみればラピスラズリの冬籠りもこの世界には存在しない属性をもった人がいる世界の話で、要は現実とは少しだけずれた平行世界のようなものにおける物語が多いことに気づいた。

## 火の発見
ボルヘス的。

## アンヌンツィアツィオーネ
って受胎告知って意味だったとは。
ラストの「ふたなり」「世界を滅ぼす」にはどきっとした。大丈夫なのかな?

## 夜の宮殿の観光、女王との謁見つき
意味や答えを考えずに読むとすれば、特にどうという感想もない。大理石の糞だから何なんだ。

## 夜の宮殿と輝くまひるの塔
女王の庶子の物語は誰かの想像なのだろうか。なかなか心を打つ話。この物語を聞いて、女王の表情が憤怒に見えたということだろうか。

## 紫禁城の後宮でひとりの女が
西太后と幼い溥儀が登場しているようだ。龍族という通り、西太后が龍だったと思わせる描写がある。纏足は龍の足を隠すためのものだった。

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2019年06月15日

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