感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ほんの少し望みすぎたせいで歯車が狂い始め、ジェットコースターのように犯罪を重ねていく姿が、妙にリアルでスリリング。
ルッキズムや若者の貧困などイマドキな問題をさりげなく織り込みながらも、これは自分に起こりうることかもという微妙なラインを超えないところがすごい。「罪と罰」を読んでいるとき自分が当事者になったような気持ちで胃がきゅぅ~っと痛くなった、あの感じを思い出した。
Posted by ブクログ
ミステリとしては微妙だが、文章の繊細さ?滑らかさがとても好み。
三つの名を持つ犬、最初は人間の事情で飼い主を変えられ可哀想と思ったが、逆を考えれば、3人に愛された幸せな犬と取ることもできるのでは無いか。
まあ、この考え方もエゴかもしれないが。
Posted by ブクログ
可愛いワンちゃんのほっこり感動物語かと想っていたら、序盤から死体⁈がごろごろ。
ミステリーだったんですね。
と、読み進めると、淡い恋心も加わって。
この先、どうなるの⁈ 面白くて、物語にのめり込んでいきました。
わたしや読者の皆を魅力したであろうふわふわの白い犬は、誰かの『秘密』をまとい、誰かの生きる『希望』にもなっていく。
わくわくドキドキしながらも、主人公たちの葛藤に、柔らかなシンパシーを感じ、最後は、なんともいえない安堵感に包まれました。
前半は、モデルの草間都の物語。
都は、人生への焦りなのか、事件⁈事故⁈に巻き込まれて、死体がごろごろの世界へ。
後半は、『本当につまらない人生とは、自分のことを嘲笑しながら生きることだ。』と、知りながら、よどんだ日々を送る江口正道の物語。
二人の人生が交差し、さらなる事件が生まれそうで。 その葛藤と、決断。
思いの外、素敵な物語でした。
Posted by ブクログ
面白かった!
犬モノではないサスペンス。
『シャルロットの憂鬱』と違って、こちらは本当にクライムサスペンスです。
主人公の行動に同じ犬飼いとして共感したり反発したり…。
でも、めちゃくちゃわかる。
どんな犬も「この子はたった一人しかいない」ってのは共通なんだよね。
犬を可愛がってた人にとって、なによりも辛いのは最期にそのそばにいられないこと。
色んな意味で「そっちに行ってはダメ」って方に行ってしまう都や江口にハラハラしながら、読み続けて、最後の少しの希望にとても救われた。
良かった。
Posted by ブクログ
最後まで結末がどうなるか想像できなくて面白かった。都、江口、ササミのそれぞれがそれぞれの希望になっていて、最終的には篤も含めて少しずついい方向に向かっていて良い読後感だった。
Posted by ブクログ
読み始めてすぐ、後悔した。
なんかこの主人公(草間都)、好きじゃない。
自分のことしか、自分の都合しか考えてない。
頭は悪いけど顔をきれいだったから、レースクイーンやモデルになって、でもいつか落ち目になってきた時に愛犬との生活をブログに綴っていたら、いつの間にか人気ブロガーになっていた。
ところが自分の不注意でその愛犬を死なせてしまい、悲しみは悲しみとして、自分の仕事が愛犬込みで成り立っている現状で、犬の死を誰にも伝えることができず、どんどん追い込まれていく。
そんな時、死んだ愛犬そっくりの犬を見つけ…。
でも、彼女はおしゃれで犬を飼っていたわけじゃなかった。
ミックス犬の里親として、きちんと世話をしていた。
ただ、犬の死と自分の生活を分けて考えることができなかっただけ。
そしてもう一人の主人公、振り込め詐欺の出し子をしている江口正道。
悪い人間じゃないけれど、自分に甘い。
そんなふたりが出会うことによって…いや、多分出会わなくても、ふたりはちゃんと軌道修正したんじゃないかな。
ふたりにとって現実はとても厳しいけれど、きちんと自分の行ったことと向き合ったことが、これからの自分の生き方を変えていくと信じたい。
読後感はとても良かったので、最後まで読んでよかった。
Posted by ブクログ
愛犬との生活を綴ったブログをきっかけにライターとして仕事を得た元モデルの草間都と、振り込め詐欺の出し子としてその日暮らしの生活を送る江口正道の2人の視点から描くミステリ調の作品。
都視点から始まる犬探しの掴みが面白く、どんどん読み進めていった。ただ最後はやや唐突な感じで消化不良に思えてしまった。
犬の健気さ、そして飼い主から犬への愛情が作品通して描かれる反面、犬を通した人間のエゴも描かれており一側面だけでは言えないのが面白かった。