【感想・ネタバレ】扇島歳時記 (4)のレビュー

あらすじ

時代の波にさらわれて愛する人が一人また一人と去ってゆく。

めぐる季節を見送りながらたまをが最後に見た風景は――


1866年(慶応二年)、長崎・丸山遊郭の「たまを」は姉女郎・咲ノ介付の禿(かむろ)として出島のオランダ商人・ハルトマン邸に入る。

遣り手のタキとともに労働に勤しみ、異国の文化と四季折々の風物に彩られた日々を送るたまを。

しかし時は慶応から明治への過渡期。大政奉還、龍馬暗殺、そして戊辰戦争へ……時代の激動は遠く長崎にも飛び火する。

出島を後にし引込新造に格上げされた彼女を待っていたのは、愛する人々との離別と無垢な季節の終焉で――


第24回手塚治虫文化賞「マンガ大賞」受賞・高浜寛最新作にして最高傑作。
ラストシーンのカラーページを完全収録した感動のフィナーレ!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

生き急ぐと言うことは、あまりに受け入れすぎること。天真爛漫だったたまは、悲しい別れが多すぎてすっかり大人しくなってしまった。物わかりが良すぎると、自分を殺すようになる。どうにもならない事を拒み過ぎると、自分を壊して狂ってゆく。つくづく生き抜くことは難しい。ヴィクトール君は良くも悪くも若かったね…

遊女は、貧乏な男、心の弱い男、嘘をつく男、遠い国の男を好きになってはならない。まぁ遊女でなくともだけど。叶っても苦労は必至。多くは心が駄目になる。

信仰の道に苦しんでいた岩次さんだけでも報われてホッとした。身で読まないと分からないことがある。弥助の聖書を体感した境地。ここまで踏み込む漫画も珍しいと思う。流罪の弥助が生き残らんことを…

咲ノ介はどこへ行ったのだろう。たまをはすぐに死んでしまうのだろうか。お滝さんのような懐の深ぁい婆になりたい。

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2024年08月19日

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