感情タグBEST3
Posted by ブクログ
冒険話が大好きだったけど、さも「ありえない」けど楽しいを今楽しむ気になれなかったところにくる、目まぐるしくも「ありえる」で固められた冒険譚。
しかも主人公の関わる人間が、当然それぞれの思いを胸に主人公ありきの動きをしないリアルさのある人情劇でもあって、大人になって読みたかった物語はコレだよまさにという本。
ポッターさんではなくジム&ルーカスで育った人には大いに刺さりそうというか刺さった。
背景にある社会構造は暗いんだけど、希望を持たなかった少年が夢いっぱいの大人に引きずられて、思想を動かされている様に胸が熱くなる。
ラスト、いいぞ、やってやれ!
Posted by ブクログ
黒人奴隷差別の描写は、酷すぎて目を覆いたくなります。けれど、気球に乗って国を脱出するだとか、あり得ない展開が次々あって、希望がもてる展開なので、次が知りたくて、ページをめくるのが楽しかった。
Posted by ブクログ
冒険譚、成長譚としての面白さはもちろんあるんだけれど、それだけじゃない。前半はスピーディに展開していくが、後半からはゆったり丁寧に紡がれている印象。苦い。読み応えあり。
Posted by ブクログ
ページ数のぶ厚さは関係なく、最初から最後まで、重苦しい気分だった。
そう思ったのは、主人公の「ジョージ・ワシントン・ブラック」の設定が少年奴隷であるのも、そうなのだが、なぜか、自由の立場になったように見える後半の方が、より重苦しさが増したように感じられて、私もワシントンの心中に入り込んだようで、憂鬱気味だった。ただ、それが何なのか、いまいち分からなかった。
物語はあまりに破天荒な展開に、やや乗り切れない感もあったし、エンディングに納得できないものもあったが、その一方で考えさせられる点もあった。
それは、人生において、自分の答えを見付けるための偽らざる気持ちの強さだった。それが、どんなに困難で苦しく、それを得たところで、どのような意味を為すのかも分からないままであっても。
傍から見たら、なぜと思うことでも、そこはこれまでの人生を肌で感じながら生きてきた本人にしか分からない、絶対的な領域のようなものがあるのかもしれないし、状況や環境が変わったからといって、それで幸せになるわけでもない、生きることの辛さを、違った視点から実感したような思いです。