あらすじ
細分化されたアイデンティティ集団の近視眼的政治利用がリベラルの包容力を自壊させ、あまりに理想的に設定されたリベラルな価値からこぼれ落ちる生身の人々の憤りがポピュリズムを肥大化させる。グローバリズムとアルゴリズムの波は、個人の自律のみならず国家の自律をも脅かす。AI時代において国家と個人の自律を貫く具体策とは? ナショナル・アイデンティティによる包摂、そして「人の支配」から「法の支配」への脱却を斬新に提言する、気鋭の法律家によるリベラル再生に向けた挑戦状。
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Posted by ブクログ
アイデンティティポリティクスについては、アイデンティティという概念の理解が微妙な気がしましたけど、ポリティクスの方は永田町の空気を吸ってる憲法学徒ならではのリアリティと信念を感じる。特に第五章のアツさはまさに見た目に違わぬもので、グイグイ持っていかれました。面白いこといっぱい書いてるし、色々実験してるなぁと。
グローバルダイニング事件見てると弁護士としてもとても優秀だと思われ、弁護士として事務所経営しながら、これだけの本書いて、いろいろな企画立案実行して、大学でも教鞭取ってるみたいだし、ちょっと超人ですね。
そのまま丸パクは厳しいけど、ロールモデルとして興味を持ちました。2人の近さを考えれば当然だけれども、水上さんと同類の匂い。
こういう人がデッドロックしたこの国を見捨てずリブートしようとするモチベーションはどこからくるのかはいつもながら興味が尽きない。
最近なんか憲法周辺が気になるのよねってことで開いたのですが、憲法の積読を解消する気にさせられた。
民主主義は最もマシなクソで立憲主義バンザイというのが最近の個人的スタンスだなと再認識させられた。
Posted by ブクログ
保守とリベラル。政治の事にちょっとでも関心がある方は、「果たして自分の思想はどちらに近いんだろう」って考えた事が一度はあったと思うのですが、実際はそんなに単純に分けれませんよね。私自身も「どちらかと言えば保守かな」って思う時もあればリベラルって言われてる人の意見に同意する事も多かったりと、良く言えばバランスが取れているのではないでしょうか♪(笑)
話を戻すと、この本はいっとき世間を騒がせた倉持麟太郎さん著の、日本でリベラルって呼ばれている人達が欧米のリベラルとはだいぶ様相が違っている事(問題点)を指摘しつつ、ではどうすれば日本のリベラルが国民に理解されるかが書かれています。議題は憲法改正や安全保障、ネット社会、AI等、幅広く、著者の見識の広さが判ります。