【感想・ネタバレ】アンチソーシャルメディア Facebookはいかにして「人をつなぐ」メディアから「分断する」メディアになったかのレビュー

あらすじ

「何気なく使っているFacebookだけど…それで、本当に大丈夫?」

ソーシャルメディアを長年研究し、自身もユーザーである著者による啓発書。
「コンピューターテクノロジーが人間の問題すべてを解決する」かのように考えるFacebookの使命感(善意)と自信過剰こそが、逆効果をもたらしまっていることを、文化的・歴史的・哲学的に振り返りつつ、明らかにする。

わたしたちは今後、どのように関わっていけばよいのか?
便利さとスピードを追い求める現代人よ、今こそ立ち止まって考えよう。


◎本書のポイント
フェイスブックには、以下のような、さまざまな危険性が引き起こす構造的な問題がある。
これらを、実際に起こった事例を取り上げながら、文化的・歴史的・哲学的に分析している。

❶記事の信頼性 記事の出典を特定・評価する機能がないので、虚偽や誤解を招く情報が拡散されやすい
❷エンゲージメント エンゲージメント率の測定により、感情に強く訴えかけるコンテンツが蔓延しやすい
❸フィルターバブル ユーザーの興味・関心に基づくものばかり表示されるため、ユーザーの視野が狭まる


もくじ
はじめに フェイスブックの問題とは何か
1.喜びを生むマシンー私たちを虜にするフェイスブック【ニコマコス倫理学】
2.監視するマシンー完全監視社会の到来【プライバシーと監視】
3.関心を引くマシンーアテンション・エコノミー時代で勝つのは誰か【アテンション・エコノミー】
4.善意のマシンー善意がもたらす数々の失敗【CSRと企業価値】
5.抗議するマシンーフェイスブックは世界を変えるか【ソーシャルメディアが革命を起こすのか?】
6.政治のマシンーフェイスブックは政治も動かすのか【ソーシャルメディア(ビッグデータ)と政治の関連性】
7.偽情報のマシンーフェイスブックが吐きだすフェイクニュース【偽情報が何をもたらしたか】
おわりに ナンセンスのマシン

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

サブタイトルが示すように、フェイスブックだけについてのアメリカの話である。選挙との関連は参考にならない。更に日本ではツイッターやラインの利用が大部分のために、フェイスブックについての論考は卒論では利用するのは容易ではない。個人的にはニールポストマンとのやりとりの方が面白かった。
 出版された本に賛成かと読んでいくと、反対していた、あるいはその逆もあり、少し混乱する所がある。

0
2021年08月14日

Posted by ブクログ

【西田】
結論としてはSNSはネットを介して、偏った同じ属性の人だけを集めるツールであるということを説明している。

0
2021年02月17日

Posted by ブクログ

Facebookを様々な角度から批判した一冊。主張は理解できるし的外れとは思わないが、私がWeb業界で働いていることもあって「ややインターネット全体に批判的すぎるのでは?」という気はする。ただ、インターネットで世界が繋がるどころか社会の分断が進んでいるのは確か。フィルターバブルからフェイクニュースまで課題は山積みである。2016年のアメリカ大統領選に与えた影響を分析した第6章もちょうど4年後の選挙の真っ最中に読めたので勉強になった。

0
2020年11月08日

「社会・政治」ランキング