あらすじ
警察キャリア官僚が国家の危機に立ち向かう。
DASPA(ダスパ)――国家防衛安全保障会議。テロをはじめ国家の非常事態に的確に対応するため、内閣府に設置された各省庁からの選抜精鋭チーム。
吉良大介――警察庁警備局出身、要となるインテリジェンス班サブチェアマンに抜擢されたキャリア官僚。「日本をバージョンアップする」が口癖の長身イケメンのこの男、仕事はできるが女性に弱い。
DASPAのスタートを目前に控えた日、中目黒のマンションでひとりの白人男性が毒殺された。その目的は? 背後で蠢くものとは? 人気シリーズ『巡査長 真行寺弘道』とリンクする著者渾身の書き下ろし痛快エンターテインメント小説。
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Posted by ブクログ
新シリーズにして、真行寺弘道シリーズともリンクしている作品です。尾関議員が登場していますので、時間軸としては真行寺シリーズの第一弾の頃の話しということになりますね。あとがきによれば、真行寺~のほうにも吉良が登場していたようですが、さすがに忘れてしまっていて…。
さて、作品はというと新たに発足するDASPAのインテリジェンス班のサブチェアマンに抜擢された主人公吉良が活躍する物語で、エンタテインメント小説というべき部類のものなのですが、スパイ防止法など国際政治的な色合いの強い内容を扱っているせいか、(自分の不勉強もあり)イマイチにはピンとこない部分ありました。そのため、星の数もちょっと控えめ…。
主人公である吉良はというと、警察官僚の中枢ともいえる立場にありながら少々ハメを外した立ち回りもあるとはいえ、やはり国を守るスタンスを貫く正統派な人物といえるでしょう。その点、真行寺と比較してしまうと、どこかおもしろみに欠ける気がいたします。女関係で失敗してしまう点は愛すべきキャラといえますが、その一方でキレ者な面もあって、と、なんだか現時点ではつかみどころがない、評価に悩むキャラです。新シリーズということですので、続編に期待。