【感想・ネタバレ】生きつづけるキキ ―ひとつの『魔女の宅急便』論―のレビュー

あらすじ

ここに一冊の名作がある。角野栄子の『魔女の宅急便』である。……(中略)……さて、すでに述べたように、『魔女の宅急便』の発行は一九八五年である。一九八五年は昭和六十年だ。その後、昭和は数年つづき、さらに平成が三十年、令和に入った今、合わせて三十数年の年月が流れている。
明治が終わってまだ二十年という時に、中村草田男は、<明治は遠くなりにけり>と言った。さらにそれより長い、年号も令和になった今で言えば、<昭和は遠くなりにけり>のはずだ。
昭和が遠くなったかどうかは別として、『魔女の宅急便』は?
『魔女の宅急便』は<遠くなりにけり>だろうか?
否!
遠くなるどころか、この作品は発行当時よりもさらに読者の身近になっている。発行以来三十年以上経っているにもかかわらず、『魔女の宅急便』は書店の棚に残りつづけている。
その理由はどこにあるのか?
この書はそれを探ることが目的である。
――本文「はじめに」より

『ルドルフとイッパイアッテナ』作者・斉藤洋の視点から、現代読者にとっての『魔女の宅急便』の意味や価値を探り、各章ごとに丁寧に読み解く一冊。
巻末には角野栄子・斉藤洋の豪華対談も。

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Posted by ブクログ

すこしだけ噛み合わなさそうな質問が逆に、角野さんの思いを引き出してる。結果的に貴重な対談。だから凄い本だ。編集が凄いのか、ふたりの化学反応にちがいない。

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2024年02月20日

Posted by ブクログ

きき伏線回収?おもろいね
1個1個説明されるとただ物語見てた時と違ってあっそっかってなる
まじおもろい

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

本文からの引用も多々あり、改めて『魔女の宅急便』を読み返してみたくなる。

巻末の対談が特に面白かった。
「教養めいたものを読み取ろうとする解釈」をしたい斉藤さんと、「どう読むかは読者に委ねる」という角野さんの、一見対立しているようなやりとりは、読んでてクスッと笑ってしまう。

とにもかくにも、『魔女の宅急便』の魅力を伝えている一冊。
ジブリ映画しか見ていない人は、ぜひ原作も読んでほしい。
(ちなみにジブリ映画の方も大好きです!)

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2024年07月24日

Posted by ブクログ

こちらのほうが、「クヌギ林の妖怪たち」より先でした。

こちらも対談から先に読みましたが、やはり、斉藤さんの思い込み(?)を、角野さんがたしなめているように感じられました。

本文の方では、斉藤さんの児童文学に対する考えが興味深かったです。

「読書好きの少年少女を読者として想定してはならない」

こういう考えから生まれるのが「おばけずかん」シリーズなんでしょうね。

「魔女の宅急便」には、斉藤さんの分析は不要な気がしました。

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2022年07月20日

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