【感想・ネタバレ】老いの練習帳のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年09月29日

変わり行く世を淡々かつ快活に生きるための47の智恵、とっておきの思考法を知の巨人が教えてくれるというふれこみ。タイトルからしても貴重で役に立つ人生訓を伝える書物かと思っていたが、読んでみると、著者らしい教養や含蓄を漂わせながらも、ユーモアがたっぷり盛り込まれた気楽に読めるエッセイ集であった
考察がユ...続きを読むニークで面白かったり、印象に残った点を列挙しておく。
・車の運転で車間距離をやかましくいうが、人と人との間でも、“人間“距離をつめると、大事なことが見えなくなる。
・日頃の贈答でも、本体は相手への好意とし、それにちょっとした品物で風情を添える。ものはなくとも、あたたかい言葉を伝えることが大事
・人間の幅を身につけるにはひと色に固執してはいけない。食べなれた味噌を表す手前味噌という言葉があるが、いろいろな味噌と付き合う雅量が必要。
・飲食店で、茶碗や湯呑みをわしづかみにして出されると、いっぺんに興ざめる。
・さしさわりのない、それでいて頭を快く刺激するような話をするにはあまり親し過ぎる人より、いくらか遠い人の話題が望ましい。
・凸凹な歩道を歩く際など、折に触れて、脚下照顧を求められるのはありがたい。
・これからの時代を引っ張っていくのは、何度も転校し、下宿もしたことのあるような雑種人間。自分の流儀以外はすべて気に入らないようなサラブレッドは、自分を弱める危険な頑固さを持つ。人生にとっては、雑然たるところが強みである。

0

「エッセイ・紀行」ランキング