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Posted by ブクログ
存在感のうすい江藤公平(中2)。人生楽しいこともないし、このまま永遠の眠りについたっていい。6年間同じ小学校だった同級生からも、その存在を知られてなかったとか、鬼ごっこでも追いかけられることもないとか、・・・いじめじゃない、ただ単に、気がつかれない存在の俺。
ある日、空になったペットボトルにイライラした気持ちをぶつけた。無差別殺人やってやるか、1000人とか、殺し続けるのはどうだ、そう、「ぶっころしてやる!」
そしたら、そのペットボトルに豆頭の棒人間のような虫があらわれて、誕生日までに1000人の人を笑わせないとだめだよ〜ん・・・とか言う。笑わせなければ、ミュージカルの計、つまり、しゃべり言葉がみんなミュージカル風になるという。
公平は、学校の文化祭でお笑いをやって、笑いカウンターを増やそうと思いつく。それまで特定の友達をつるむとこなんてなかったが、なんとか2人に、一緒に漫才をやってくれるように頼み込む。
一人は ちょっと太っていて、おとなしい三輪。
もう一人は トイレの鏡の前でよく出会う ナルシストの日比野。
公平が台本を書き、3人で はりきって練習するも、文化祭では観客も少なく、笑いもあまりとれない。
やけになり、やる気もなくす 公平。
でもこの機会に自分の殻をやぶりたい三輪の説得で、3人はアマチュアお笑いフェスタに出演することに決めた。そして、それは観客に受けて、大成功するのだ。その話が学校でも話題になり、文化祭のリベンジ。体育館でもう一度、漫才をすることになった。
同級生たちのヤジにもめげず、きりかえし、自分のコンプレックスを笑いにかえて、公平たちは成長してゆく。
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ああ、中2。面白いわ〜
Posted by ブクログ
タイトルに関しては、初めて読んだ時に「なんじゃこりゃ?」となったものの、最後まで読み切ると本当にしっくりくるタイトルになっていて感心した。
主人公たち3人の中2男子の個性がばっちり噛みあったタイトルで、しかもコンビ名でもあるという魚住さんのセンスに惚れる。
漫才に挑戦する学生というとあさのあつこさんのMANZAIがどうしても浮かんでしまうが、個人的にはこちらの方がよりリアルな10代男子の等身大の姿を描けているのではないかと思う。
「よーん」という語尾をつけて喋る豆男という非現実的な存在が出てくるのも小技がきいていて、主人公の江藤くんの秘めた切実な願いをこぼしたり、傍観者として彼らの滑稽な姿を浮き彫りにしてみたりと、そういった表現が読んでいて楽しかった。