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薩長同盟の直後、大政奉還の直前という龍馬伝なら超クライマックスの時期に日本を訪れ、呑気に観光を楽しむヨーロッパの若い海兵の見聞録。
外国人ならではの描写や時折入るテスト対策で必死に暗記したワードがリアリティを増す。
日本人視点の幕末記では得体の知れない夷人として描かれる外国人達の陽気に宴をし、仲間と戯れ合う様子には、やはり人間同士なんだなぁと、認識させられる。
いま目の前に宇宙人が現れた場合、同じ認識を持てるだろうか。それとも夷人として斬りつけたくなるのだろうか。
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エドゥアルド・スエンソンはデンマーク人だがフランス海軍士官として幕末の日本に滞在。下関戦争で燃える建物を海上から目の当たりに見たり、大阪に来た薩摩藩の侍に睨まれたり、なかなか恐い経験をした。また最後の将軍にも大阪で拝謁した。大阪の庶民はは立派な軍服を着た外国人を見てゲラゲラ笑いっぱなしだったらしい。
彼にとって芸者の舞いも三味線も退屈きわまりなく、遊郭の女性の化粧、食事の時ゲップをする大名に不快感を隠さない。
でも彼は後年日本に戻り、海底ケーブルを設置して明治5年に長崎とヨーロッパに通信出来るようにし、非常に貢献している。
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著者の訪日は14代徳川家茂が亡くなり新たに慶喜が最後の将軍となった時期であり、翌年大政奉還となる激動の時期であった(1866年から67年)が、その歴史的背景にある薩長連合などの動きついては詳細がない。大阪で将軍との謁見中にはすでに薩摩軍勢が大阪にいたとあるだけで市中は歌舞伎演劇などで盛り上がっていたとある。気になったのは欧州の風習の違いから「日本女性」日本の女性は恥じらいもなく風呂は混浴に入り、髪は貧乏人でも頻繁に手入れ、花魁は人形のように厚化粧、だが、結婚後の地位は奴隷的扱いで、三十を過ぎると瞬く間に老いて見える)と指摘している。男性上位での平民の日本女性は13・4歳で大人として扱われ家主・主人に言われるまま身売りされ、嫁ぎ、一生苦労したように映った。