あらすじ
エストニアに赴いたモンク・コッカリスとキャット・ブライアントは、ジェームズ・スミソンが“悪魔の王冠”――琥珀の塊を採取した場所を探して、かつての通商路「琥珀の道」をたどる。グレイたちは伊藤隆志が率いるフェニックス研究所のハワイでの拠点に乗り込むが、逆に囚われの身になり、セイチャンを奪われてしまう。
「オドクロ」と命名されたスズメバチを用いた伊藤の計画を阻止するために、モンクとキャットは東欧で、グレイたちは富士山麓で、オドクロを駆除する手段と寄生された人たちの治療法を探し求める。だが、驚異的な生命力を持つオドクロの根絶を目指し、アメリカ政府はハワイへの核の使用を検討し始めた。その間もグレイたちの、そしてセイチャンの残り時間は、刻一刻と少なくなりつつあった――。
この世界に地獄の大群を解き放つとされる“悪魔の王冠”はどんな脅威をもたらすのか? 日本からギルド復活の狼煙が上がる!
今一番面白い海外小説!シリーズ第12弾!
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Posted by ブクログ
Σシリーズの第十二作目。
今作のテーマはΣの本部があるスミソニアンキャッスルのルーツであるジェームズ・スミソンが発見したという恐ろしい生物と、その生物を使って世界を牛耳ろうとする日本の組織との戦い。
とにかく、スズメバチとそれに襲われた人の描写がリアルすぎてエグい。映像を見たわけじゃないのに、想像の絵が頭に残るほど。もちろんストーリーもいつもどおり面白くて、最初から最後まで飽きさせない展開。
スズメバチに襲われたレギュラーメンバーが、最後には助かるはずだと信じて読み続けて、結果は…。
あと、グレイとセイチャンの関係が良いんだなあ。最後のオチは想像がついたけど、それでも次作が楽しみになったのは間違いない。
おまけで、人間を殺してしまう動物で、サメ→蛇→ハチ→蚊…というのは、豆知識として面白かった。
Posted by ブクログ
クライマックスは、富士山ろくの河口湖近くの施設(小説に登場する架空のもの)。これほど、恐ろしい昆虫には出会いたくない。今回も著者が最後に参考にした文献を紹介してくれている。最後は、急にまとめられたような展開。次回作もすでに本国では発売されているので、次作も楽しみに待つことにする。
Posted by ブクログ
作者のシグマフォースシリーズは全作読んでいるが、安定的に楽しめる。最近の数作はなんとなく中弛みを感じたが、久しぶりにワクワク読めた。いつものながら、圧倒的な知識の深さを感じる。日本人としたは、大日本帝国的な結末は、正直??だが。現実的なリアルさを感じる着想は凄い。