あらすじ
14歳の少年レオのさわやかな成長物語です。中学2年の夏休み、家族3人でドイツを旅する……はずでした。それが、先に現地入りしていたお父さんが、旅先で盲腸炎になってしまったため、お母さんは出発を早め、レオはあとから一人、ベルリンへと向かうことになったのです。初めての異国。それも4日間は、両親と離れての一人ぼっち。幸い、従妹のマリちゃんがベルリンに留学中なので、まあなんとかなるでしょと、レオの珍道中がはじまります。実は、レオには、ひそかな目的がありました。それは……。大人への階段をのぼる少年の姿が、あざやかに描かれた感動的な青春小説、
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舞台が、自分も行きたいドイツ。主人公は、ギターをやり、レッド・ツェッペリンの「天国への階段(Stairway To Heaven)」をヘッドホンで聴いている。
「There's a lady who's sure all that glitters is gold And she's buying a stairway to heaven ・・・」この始まりで、読みたくなって購入した。本筋の、レオの成長も楽しく追える一方、音楽に関する挿入された話も多くて面白い。エンハルモニウムは消失してしまったそうだが、その音色、一度は聴いてみたい
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レオは大家の偏屈じいさんケチルと親しくなり共に音楽をするようになる。ヨーロッパに赴任中の父の元に行くため、レオは単身ベルリンへと行くことになる。そこはケチルが留学した先であり、ケチルの想い人もいるはずだった。レオは急死したケチルの想いをベルリンへ運ぼうとするのだった。
那須田淳の作品を中学時代に読んでいたら絶対に色々と影響されただろうなと思います。ごく普通の中学生なんだけれど、少し背伸びしていてカッコいいんですよね。しかもその背伸びもごく自然にしているところに好感が持て、共感を得るのです。
主人公のレオは自ら動くことで様々なこと知り、知ることでさらに動くことになります。そこにカッコよさの元があるのです。自ら動くことで世界はこんなにも素敵に輝くのさと示してくれます。もちろん音楽っていいな、ギターってカッコいいなというのもあるでしょう。
作中では様々な問題が提示されます。ミックス(両親の国籍が違う)やパッチワーク(元々は違う家族がひとつになる)という家族の形、両親の離婚と再婚、移民の問題と差別問題、それらは登場人物の心に種としてまかれるのと同時に、読者の心にも種を残します。様々な問題を詰め込んだために問題提起のみで終わっているのですが、気になったものについては自分でこの先調べていくことができる。そんなきっかけのひとつになるのではないでしょうか。
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長男の読書感想文の課題図書で読んでみた。
ケチルーレオ
レオ―仲間たち
ケチルードイツの女性
それぞれの関係性が交錯して気持ちいい読後感。
音楽のこと、全く解んない私が読んでも面白かった。
音楽好きの長男には更にだろう。
音楽。
戦争。
家族。
国籍。
色んな切り口があって、課題図書として面白い。
これの読書感想文ばっか集めたものを読んでみたい。
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音楽、歴史、戦争、人種、家族…。盛りだくさんなテーマが含まれていて読みごたえがある。
それでいて、軽やかに、あくまでもティーンに寄り添って、物語として展開していく。
良くできた作品だった。
田中正平には興味が湧いたし、ドイツのことをぐっと身近に感じた。
なにより、年齢を越えた友情と4日間で育まれた友情が、同じだけ大切な思い出になるところがいい。
そして、ケチルのロマンスの結末が素敵。
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なかなか楽しい読書だったな〜
まぁ、主人公が出来過ぎな感じもあるけれど。
なんといっても、男性著者であることは大きい。
女性の描く「ぼく」は単なる「わたし」の書き替えであることも多いが、那須田さんはきちんと男の子らしい主人公を描いている。
音楽やってる男子にも勧められそう。
中学生以上かなぁ。
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中学生の読書感想文の課題図書。読んで見るとあちらこちらにメッセージが込められていて…。小さな世界に留まりがちな中学生たちが、新しい刺激をもらって新しい自分を見つけて欲しい…って思いました。
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音楽ものには弱いからきっと面白いだろうな~と思ったら、
音楽テーマなんだけど
ドイツテーマだったー
家族のかたち(離婚再婚とっても多いんだって~)とか
ナチスとか移民とか
いろいろなんだか勉強になった
音楽やりたくなるなる~
混血のことハーフじゃなくてミックスっていうのが
外国ではふつうなのかな?
ちょっと調べよ~
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2010年に入ってからよく問題視されているドイツの移民問題を定義しつつ、音楽に国境や人種やジャンルなんてどーでもいいんだよってことを教えてくれた。
これからもっともっと移民が世界どこでもいけるように、外国人の養子受け入れや離婚再婚が普通であるような世の中になって欲しい。
普通のrangeがもっと大きくなって欲しい。
Posted by ブクログ
ベルリンと音楽 気になるワードで手に取ってみた
ロックもいいよね
著者は、主人公の年齢と遠いところにいる人?
クラシックピアニストとも遠い感じがする
SPレコードをもって旅するなんて
いい感じのお話しなんだけどなぁ
Posted by ブクログ
第60回青少年読書感想文コンクール・中学校課題図書。
14歳の少年レオは、幼い頃から転校を繰り返したために周囲とは上辺だけの付き合いしか出来なくなっていた。ある日ギターと出会い、その練習を通じてケチな老人ケチルと親しくなる。中2の夏休み、レオはひとり降り立ったベルリン。はじめての異国、はじめて出会う人々。少年レオはそこで友人ケチルとの約束を果たせるか。
ベルリンでひとり過ごす4日間。外の世界に飛び出したレオに、刺激と変化が訪れる。
YAらしい一貫した爽やかさはありながら、ずっしりとしたテーマも多々詰まっている。
青春、音楽、旅、国籍、出会い、淡い恋、そして成長。
Posted by ブクログ
音楽を通して、大家のケチ老人ケチルと友達になったレオ。ケチルの若い時のドイツ留学時代の想い人へのレコードを届けるその顛末が、音楽の神に導かれているようでドキドキした。