【感想・ネタバレ】痩せ姫 生きづらさの果てにのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

拒食の時のモチベーション維持のために読んでいました。痩せ姫という生き方について詳しく書いてあります。痩せ姫になりたい。

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Posted by ブクログ 2016年12月02日

 表紙の少女は大人びた顔をして、冷静にこちらに目を向けている。今時珍しい線の細かさだ。

 痩せ姫とは摂食障害により、過度に痩せすぎた女性とことを呼ぶ名前。何という切ない名前だろうか。
 彼女らは躰をコントロールする。
 生理が止まろうとも、生命の危険があろうとも。けれど、彼女らはそうでもしなければ...続きを読む生き続けられないという際に立っている。

 私には摂食障害はあるものの、食べ過ぎ程度で済むことで、過食というレベルではない(たぶん)。痩せ姫たちの物語を読むと、体に対する意識が高い。私は体への感覚が鈍い。だから、太ることができる。
 心と体が密接に結びつきすぎると、心がつらい、体という実態で解決したいとなるのだろうか。
 感受性の高さと、そうしたときの心への追い詰め具合が心配になる。

 文中にあった、作家の虚淵玄氏がまどか☆マギカについて幸せについて語る下りの「うーん。満足感ですかね。ただやっぱり、それが成立する前提が、不幸になる権利だと思いますよ。何かを犠牲にして掴み取ったときに、失ったものと得たものとを比較して、プラスだったとおもえたんならその人は幸福だったのかな」と言う言葉が印象深い。

 不幸になる権利だと行使して幸せになる。
 思い当たる節がある。例えば社畜。デスマーチ。炎上案件。
 これだけ辛いのだから、得るものに価値がある、と思えた。
 また、そのストレスからドカ食いをしていた。体調は悪くなるけれど、すこしすっとした。

 痩せ姫は、妖精のように見える。
 浮き上がる肩甲骨から羽が生え、空を飛び、空気に溶けて消えてしまいそうだ。
 けれども、彼女らは生きている。
 彼女らなりの幸せを生きている。
 そのための手段を選ぶ自由が許されてほしい。

 もし可能であるならば、不幸になる権利を行使することなく、幸せであるといいなぁと思うけれども、でもいま幸せならそれでよいのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2017年05月12日

痩せ姫の「痩せ」に対する思いは単純にダイエットしたいとかいうものではない。様々な生きづらさを緩和するための手段なのだ。健康が脅かされているということを一旦切り離して考えると、痩せは痩せ姫にとっての自己実現であり、それに対して周りがとやかく言うべきものではない。
作者の「痩せによって生きづらさが緩和さ...続きを読むれるなら、拒食も生き方の一つとして認めたっていいじゃない」というスタンスは、痩せ姫たちの孤独感を救うと思うし、摂食障害に限らず多様性を認める上で大切な考え方だと思う。

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Posted by ブクログ 2017年01月06日

摂食障害、主に拒食症に焦点を絞っている。拒食症はただの行き過ぎたダイエットでは無い。世間からの理解も低い。「痩せ姫」と呼ばれる病的なまでに痩せた彼女たちはいつも枯渇しているのだ。身体も餓え、愛情に飢え、その上、存在意義に餓えた「痩せ姫」。ただでさえ低体重で負担を抱えた身体で、さらに痩せては「誇り」「...続きを読む安心感」「生きている心地」を得ようとする彼女たち。鏡に映る「骨と皮」の自分が「太った物体」にしか見えない「痩せ姫」。その「痩せ姫」の身体を抱きしめて、「どうか生きて」と伝えたくなる。

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Posted by ブクログ 2016年12月15日

摂食障害の女性を「痩せ姫」と呼び、尊敬の念を抱きながら彼女たちのことが紹介されています。

命の危険があることを指摘しつつも、そうしなければ生き延びることができなかった苦しさにも心を寄せている文章で、静謐な雰囲気を感じました。

生き方としての「痩せ姫」。
合わせて、命の危険と隣り合わせで生きている...続きを読むアスリートたちのエピソードも心に残りました。
意識を向けなければ気付かないだけで、私のすぐ隣にも痩せ姫がいるかもしれない、と思えた一冊でした。

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Posted by ブクログ 2022年09月14日

この人は文章が抜群にうまい。流れるような言葉はルポなのに読みやすい小説よりも読みやすい。作者は長く文筆業をやっているし、放送出版業界に長くいるはずなので、それはそうなのだが、途中まで男性だと気が付かなかったくらいのきれいな文章だった。一章のマニュアルから三章まで読み終えて、なにか喉に突っかかるような...続きを読む違和感があったので、作者のブログを読みに行ってみた。ある記事が目に止まった。アイドルの抜き打ち体重検査について取り上げて、一番痩せた女子中学生アイドルに対して「このままスレンダーに育つといいな」と書かれていた。
ひっかかりの正体がわかった。作者はガリガリフェチのおっさんです。そして作者は痩せ姫と共依存関係にあるのです。

この本は痩せを求める人の心情を理解するのには役立つ。当事者の状況を家族も医療従事者にも生き方として肯定する人がいないからこそ、この本が崇められるようになってしまう。たしかにこの本や作者は居場所であり、現状救いであろう。
しかし痩せを生き方として肯定し、これからなる必要のない人がなろうと目指すんじゃないかという危険性を感じる本だった。
「二の腕を手で掴めるような」ことが指標になってはいけない。価値観があったとしても、それを目指す人が増えるのはどうか。

この人のブログもセットで読んで、1964年生まれの男性が痩せた女性を追いかけ続けている事実が頭から離れなかった。

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