【感想・ネタバレ】平成風雲録 政治学者の時間旅行のレビュー

あらすじ

政治学者は見た! 平成の政治家とこの国の姿
安倍政治の本質とは。「天皇生前退位」の舞台裏は。現場を歩き、時代の証人の語りを引き出す。時代を見ぬく目を養う御厨流政治道場。

・安倍政権は「やってる感」の政治なのである
・災害が常態化した日本に必要な視座とは
・「天皇生前退位」の道を拓いた有識者会議
・明治・昭和・平成の三十年を比べてみると
・なぜ平成の役人は公文書を廃棄するのか
・私人として沖縄問題に臨んだ「開発天皇」
・「権力の館」を映像化して見えてきたこと
・野中広務、堤清二、中村隆英、岡崎久彦、西部邁、佐藤誠三郎、粕谷一希……縁深く懐かしき人々の肖像
(本書より)

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Posted by ブクログ

【すべての政治課題は等価におかれる。そして解決へむけて一斉に進んでいく。メディアはその断片を捉えながら安倍政治の実態に迫ろうとする。しかしなかなかその実態を把握しえない。なぜか。今やそのメディアも含めて、政治を論じるのではなく、政治を消費するからなのだ】(文中より引用)

実務の分野でも活躍する政治学者の御厨貴が、現在の政治から名編集者との邂逅に至るまでの幅広い分野について記した新聞記事や論考をまとめた作品。平成期に書かれた作品を取り集めることにより、俯瞰して読み進めると平成の政治史に関する輪郭が得られるような作りとなっています。

かちっとした政治評論はもちろん魅力的なのですが、個人的に読んでいて心地良かったのは、絶妙な塩梅に肩の力が抜けた「小品」とも呼べるような作品の数々。何気ないことを書いているようでありながら、その事象の深いところを見透かすような視線の持って行き方に魅力を感じました。

それにしても御厨氏は凄いペースで文章を書いているもんだと驚嘆☆5つ

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2019年07月22日

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