あらすじ
浪人時代の交通事故や不本意な進学など屈託を抱える大学生・雪嶋直久。唯一の心の支えは仏像だった。ある日、アルバイト募集を見かけて踏み込んだ仏像修複の世界。修復師の門真と過ごす日々の中、その作業の困難さと大好きな仏像のより深い魅力を知る。そして積み重なる出会いは、雪嶋の凝った心を解きほぐしていき……。仏像に魅了された人々の再生と成長の物語。
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Posted by ブクログ
仏師の話や仏教の話に興味があるので修復にもそそられる。まだアルバイトで進路も定まっていない主人公が修復の仕事を通して自分のやりたい仕事に誇りを持って親の承諾から必要な資料を探したり将来不安定な職業の決意に至るまでの想いと成長に自分の過去を振り返りながら読む。
しっかり定まっていたらこんなフラフラな生活していないし相手を傷つけなかったのだろうなぁと思うと思春期にこの本に出会っていたらなぁと恋愛小説しか読んでいなかった自分を叱りたい。
Posted by ブクログ
仏像修復師、文化財修復する仕事にスポットを当てるとは、センスの塊だ。難しいけど興味があるから飽きないで読み終える、こんなありがたい仕事あるんだねぇ、雪嶋の夢だった仏像のアルバイトするところから始めて、1週間で飽きるけど、そこからの粘りというか探究心が素晴らしいと思う 気持ちの持って行き方も上手だし、大学を辞めて言い訳出来ないから自分のやりたい事を仕事にする潔さ、最後に両親と妹と出てきて説得している 仏像が語り掛けるのは自分自身の声だと教えてくれた門真を先生と呼べるラストスパート 敬語に花電車に、違う味わい
Posted by ブクログ
やりたい事を見つけられると迷う事なく進む。抗いながら進む事は決して優しいことではないが、応援してくれる人がいる。一人ぼっちではないという、応援に近い物語。
仏像修復をモチーフにしているが、これは筆者の人生観だと感じた。