【感想・ネタバレ】アルケミストの不思議な家のレビュー

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Posted by ブクログ

自殺を図った中卒の女の子が、自称錬金術師の男の人に拾われて救われるお話
そこにはホムンクルスと紹介された色素の薄い月読という男の人も住んでいる

なんだこの僕の好きな設定満載の話は
タイトルと冒頭はファンタジーっぽいのに、内容はリアル路線
「魔法使いのハーブティー」と同じように、錬金術といっても現実でできるもの
錬金術師のファウストは物質の錬金の先のステージ、魂の錬金という表現をしている
魂の錬金って、エドとアルが聞いたらどう思うんだろうな(笑)

やってることは詐欺師の手口なんだけど、それでも人が救われるからいいよな
まぁ、お守りや占いと同じように、対象者が事象の要因をそれに帰結するのであればそれは本物ってことでいいんじゃなかろうか


同じものでも一般的な価値と、自分にとっての価値は違う
大事にしてきたものや想い入れのあるものは、たとえ他の人にとって価値はなくともそれでいいんだよな
作中でもファウストが言っている

『愚かな凡人たちは宿っている魂を見つけることができず、無慈悲に物を捨ててしまう。ここにある物は、かつては誰かの宝物で、誰かを勇気づけたり幸せにしたり悲しみを溶かしたりしていた美しく輝ける魂を持った物なのだ。吾輩は黄金に輝く魂を取り出して、錬成し、新しい金に生まれ変わらせるんだ。これが現代の錬金術師の尊い仕事さ』

娘が子供の頃にくれた石とかアクアビーズを今でも持ってるけど、将にこれだね
あと、自分で作ったいびつな陶器とかね



かつて少年だった人の話もよかった
笑うことは免疫を高めるってのもある意味で正しいしね
それを詐欺と呼ぶのか錬金術のおかげとするのかは本人次第


あと、琥珀は明日香と出会えたんだろうか?


月読が終盤にぽろっと漏らした過去
その情報バラす必要ある?(笑)
むしろ本当にホムンクルスという可能性も残しておいてもよかった気がするけどね
どうせ拓海くんの件で推測できるだろうし


それにしても、有間カオルは毒親からの離別をテーマにでも掲げているのか
最近読んだ3冊は主人公が親や保護者のせいで不遇な境遇なんだけど……


読み終わってから気づいたんだけど、ファウストって言ってしまえば中二病ってことか……?
いい年こいて錬金術師を名乗って一人称が吾輩とか
まぁ、ハリポタのスネイプ先生もそうだけどね

そう考えると、かなり微笑ましい光景だな(笑)

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2020年04月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中学校の卒業式の後、海辺で死んだはずの琥珀。
気づいたら、赤毛の大男の元にいた。
錬金術師(アルケミスト)と名乗る彼と、彼が錬金したという白髪の青年、月読。
三人での生活が始まった。

重い。琥珀の背景が重くて、周囲がいやらしくって。
でもきっと、何処かに存在してることで。
博士と月読とのピントの外れた日常がどんよりした気持ちを浮上させるものの…。
この作家さんの本は主人公がどうにも理不尽な目にあうので、凹む。
ヒロインが不幸な環境から、常識外れた環境で再生していくおはなしを続けて読んだなあ。しばらくいいかなあ。

それでも、博士の錬金術師の腕は確かで、かつての少年の日記は素敵なお話だった。

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2018年11月10日

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