【感想・ネタバレ】細菌が人をつくる (TEDブックス)のレビュー

あらすじ

体内に100兆個いる細菌が、人間の真の宿主である。

腸の声を聞こう。10兆個ある人間の細胞より10倍も多い細菌の大コミュニティが、私たち
の健康と病気(腸疾患、肥満、アレルギー、喘息、うつ病)、気分や行動の鍵を握っている。
他人とは90%違うというヒト常住細菌叢(ヒューマンマイクロバイオータ)の威力がようやくわかってきた。
出産方法の影響、話題のプロバイオティクスや抗生物質の服用法まで、この分野の第一線を行く科学者が驚くべき最新の実験結果を紹介しながら、細菌というミクロな隣人と共生する未来を覗き見る。

Small books, big ideas. 未来のビジョンを語る。
人気のTEDトークをもとにした「TEDブックス」シリーズ日本版、第12弾。

「どうして医者は患者の常在細菌を知ろうとするのでしょうか。それは、私たちの常在細菌と、肥満、関節炎、自閉症など多数の病気との知られざる関係が最近の研究から示唆されてきているからです。
今ようやく、ヒトの疾患と常在細菌とのあいだにある見えない関係性に光が当たり始めていて、将来の新たな治療方法に一筋の光明が差してきています。ありとあらゆることが、常在細菌の影響を受けていると言っていいでしょう――

医療や食事、あなたが長男・長女かどうか、性的パートナーが何人いるか。このあとに続くページを読めば、私たちの命のほとんどすべての局面で常在細菌が密接に関わっていることがわかるでしょう。
人間であるとはどういうことか、常在細菌はその定義を新たに更新しつつあるのです」(本書より)

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Posted by ブクログ

腸内細菌は心腸連関とかも含めてhotだけど、ここまでとは!

非常に面白かった

人間という生き物が如何に他のものに依存して生きてるのかとか、
人間だけに着目して治療していくことはもしかしたら僕らのためになっていないのかもしれないとか、
気づきの多い本だった

99.99%DNAが同じなのになぜこうも人間は隣人と違うのか、の一端を細菌が担っているのだな

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2021年11月13日

Posted by ブクログ

人は、自分の体に住む細菌にいろんな面で影響されていそうだということが分かってきた。面白かったです。

以下メモ。
• 人体の細胞≒10兆個、人体に住む細菌の細胞≒100兆個
• 90%の正確さで、コンピューターマウスの表面の細菌から持ち主を的中させた。
• 細菌にとって腸は住みやすい。温暖で食べ物と飲み物が豊富。
• 腸内細菌が人に与える影響する項目の例
- 何を食べられるか
- そこからどれだけのカロリーを得られるか
- 薬がどう作用するか
• 健康な胎児は無菌であると考えられている。最初の菌は、出産時に母親の産道で植え付けられる。
• 著者(男性)の子供が帝王切開で生まれたので、わざと母親の膣から分泌液を採取し、子供に擦り付けた。
• 肉食中心の人(欧米人)の腸内はバクテロイデスが、穀物食中心の人(マラウイの農家など)はプリボテラが優位を占める。
• 日本人は、海藻を消化する遺伝子を持つ細菌を腸内に持っている。
• 無菌のやせたマウスに、太ったマウスの細菌群集を移植したところ、太った。
• 逆にスリムにする細菌群集のデザインはまだできていない。
• 不安を感じやすいマウスの細菌群集をそうでないマウスに移植したところ、不安を感じやすくなった。逆も然り。
• 今後期待されること
- 自分の細菌データを基に、薬に対する自分の身体の反応が予測できるようになる。
- 糞便移植について理解が深まる--誰の糞便でもよいのか?それとも、ドナーを慎重に選ぶべきか?糞便から作られる薬でも効果あるのか?等。

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2020年08月28日

Posted by ブクログ

ヒトの細胞数の10倍、100兆個の細菌細胞が人体の内外に存在するらしい。そしてその細菌群集の多様性は、個人、男女、更には自らの右手と左手でも異なるから、指紋やDNA鑑定のように、細菌の痕跡で色んな事が推定できてしまう。

大腸菌とかピロリ菌、ブドウ球菌などは有名だが、しかし、そんな風に人体を考えた事はなかった。病気になれば抗生物質で菌と戦う。ワクチンと同じ位、医学では重要な耐性菌とのいたちごっこ、まるで、ウイルスにおける変異株の話のようだ。

糞便移植についても記載がある。腸内環境改善のために用いてダイエット効果を期待する事もできる。これを紛い物の科学として、金稼ぎに利用されなければと思う。感染症による死亡事例もある。本著の可愛らしいマウスの挿絵を見て、無条件に賛美するのは、危険。だが、期待したい研究。

知らない世界、というより、意識しない世界に触れられる良い読書だった。

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2022年04月10日

Posted by ブクログ

・近ごろ細菌とウィルスについてなんとなく興味があったので読んでみた
・ある病気や症状に特定の細菌が見られるとか、糞便移植の話とか、これからの最近研究の可能性に期待できる感じがした
・研究が進んで、続編が出たら読んでみたいと思う

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2023年10月23日

Posted by ブクログ

人は沢山に細菌を持っている。
病気の原因にもなっている細菌だが 食べるものを変えると その細菌も増減するので 病気が改善されたり 悪化したりする
持ってる細菌を変えることで 健康を高めることができるかもしれない。

抗生物質については 投与されることによって 良い細菌が減らされる事もあるのに 出産時などに 使われることがあるそうだ。
それによって アレルギーとかになってしまったりするそうだ。

自分の細菌を調べてみたくなりました

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2023年03月02日

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