【感想・ネタバレ】カミングアウトのレビュー

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Posted by ブクログ 2021年10月04日

カミングアウトを切り口に同性愛について語る。
カミングアウトとは相手との関係を再構築すること。カミングアウトしやすい社会とは何か。社会が同性愛をどう扱うかがカミングアウトの困難さに結び付く。
それらを実例とともに、とてもわかりやすく伝えてくれる。

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Posted by ブクログ 2019年08月10日

タイトルの通り、セクシュアルマイノリティの「カミングアウト」に関して扱っている。カミングアウトとはどのようなものか、カミングアウトする理由、する側/される側の葛藤や受容までの事例からの考察など丁寧に説明される。

このテーマは、当事者にとって様々な葛藤の種になると思う。でも、なぜ困難なのか、自分はど...続きを読むうしたいのかを明確に表現するのは案外難しい。自分の言葉で表現するための良い材料になってくれるように思う。

各章で「カミングアウトストーリー」と題して、カミングアウトした人/された人の話があり、それを元にして話が進む。このストーリーは当事者なら心に来るものがあると思う。この形式が素晴らしく、内容が頭に入りやすい。また、本書の著者である砂川秀樹氏は文化人類学者だ。さすが研究者だけあって、理路整然とまとまっている(ただし、図は少なく文字主体なので、そこは少し苦労するかもしれない)。

・著者はカミングアウトに関して、以下のように述べている。
『カミングアウトは、伝える側と伝えられた側との関係が作り直される行為だ。いや、作り直される行為の始まり、という方が正しいだろう。なぜなら、カミングアウトは伝えればそれで終わり、というものでもないからだ。』
これは本文中で繰り返し説明される。このことは自分自身も痛感している。うまく言葉にしてくれたとありがたく思う。

・なぜ、性自認や性的指向が「特別」なのか?
→これはネット上なんかで時々目にする、『LGBTに配慮するなら、熟女好きみたいな「他の性に関係する好み」も同様に配慮すべきだ』という声への反論だ。気になるテーマだけども、この部分は難しかった。
なぜ「特別」なのかの理由は、それが「性別に関する問題」だから。現代社会で、「性別」は人を区分する最も重要な軸になっており、それ以外の軸とは分けて議論する必要があるとしている。
もし著者と会話できるなら、直接詳しく聞いてみたいなと思った。

・カミングアウトする理由
→カミングアウトしたいけれども、なぜしたいのかをうまく言葉にできなくてモヤモヤすることがある。挙げられている中の一部を書くと・・・
 - プライベートなことだから、わざわざ職場や友達にいう必要はない。
 - 家族に言うことで悲しませてしまうかもしれない。
 - 自分が我慢していれば、それで丸くおさまる。
それぞれについて丁寧に述べられている。異性愛が当たり前の社会では、当事者もそれが当たり前だと思ってしまう。我慢するのが普通になっていて、負荷を認識できない。
当たり前から抜け出して、自分がどうしたいのかを考える良い材料になる。

・カミングアウトされた側のこと
→実際にカミングアウトされた側の話が載っていて、リアルに感じられる。カミングアウトされた側が、それを受け止めるには時間がかかることが多い。当事者が自身の属性を受容するのに時間がかかったのと同じ。それを意識した上で臨めば、心の準備ができる。

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Posted by ブクログ 2019年06月02日

とってもいい本。理論的な問題を目にすることが多いけど、具体的にどういうことが起こるのか、どういうことが困るのか、といったことを学べる。前著も読みたい。

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Posted by ブクログ 2018年08月09日

カミングアウト。砂川秀樹先生の著書。同性愛者、LGBT、性の多様性への理解が少しずつ高まってきたとはいえ、性的少数派がカミングアウトしたり、カミングアウトされたりといった機会は日本社会ではまだ多くないのかもしれません。カミングアウトする側とカミングアウトされる側が互いに寄り添って共感し合うことが何よ...続きを読むり大切であると気付かされました。

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Posted by ブクログ 2018年07月16日

「カミングアウト」とは一般的に、LGBTの当事者が自らのセクシュアリティを周囲に告白する行為だと理解されており、そこでは告白する主体にフォーカスがあたる。しかし、8人のカミングアウトストーリーを元にまとめられた本書では、カミングアウトをこう定義する。

「カミングアウトは、伝える側と伝えられた側との...続きを読む関係が作り直される行為だ。いや、作り直される行為の始まり、という方が正しいだろう。なぜなら、カミングアウトは伝えればそれで終わり、というものでもないからだ。」
(本書p3より引用)

本書で語られるカミングアウトストーリーはいずれも、カミングアウトを受けた家族や友人という周囲の人間が、それをどう理解し、当事者との関係を再構築していくか、というプロセスを丹念に追っている。最初は驚き、否定的な反応が出る場合があれど、徐々に受容し、そこには新たな相互理解が生まれるストーリーの様子は、強く心に迫るものがある。
一般論として、我々は他者を理解できないかもしれない。それでも、その断絶を感じつつも他者を理解しようとしてそこに寄り添っていく行為を丹念に続けていくしかない。LGBTやカミングアウトといった個別の問題から、本作はそこに人間のコミュニケーションを考える上での深い示唆があることを教えてくれる。

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Posted by ブクログ 2018年06月13日

生徒からカミングアウトを受けた先生は、他の先生とも情報共有した方が良いけれども。
生徒からしたら、その先生一個人として信頼した上でカミングアウトしたのであって、まさか先生達がチームでしか動けず、他の先生にまで情報が行き渡ってしまうということを想像できない。
先生て難しいな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年11月01日

思ったより短くてすぐ読み終わった!
性的マイノリティのことジェンダーのこと
勉強してるけど、実際自分が誰かに
カミングアウトされたらって
考えたことはなかった

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Posted by ブクログ 2021年07月31日

オープンリーゲイの著者による「カミングアウト」考。述べられていることはほぼうなずけるし、カミングアウトすることで一歩進んだり、結果的にはいい方向に動くことが多いだろうからカミングアウトがしやすい、当たり前の社会になることは大切だと思う一方で、カミングアウトしないといけないのだろうかとも思う。そのこと...続きを読むは書中でも触れられているけど、基本的なカミングアウトを肯定する内容なので、言及に割かれる紙幅が自分としてはもの足りない。
カミングアウトする・しないは個人の自由だし、自由とは言えず悩み苦しみながらできない状況の人もいるだろうから、カミングアウトすることが当たり前になってしまうと、しないことの不利益が著しくなりはしないだろうかというのが気がかり。
 加えて、カミングアウトするってことは、いわば「自分はこういう指向の人間」って明らかにすることだけど、そんなに立場ってはっきりさせないといけないだろうかとも思う。もっとふわっと「ちょっとそっちぽくもあるし……」程度にし、答え出さないってのダメだろうか。
書中ではいくつかカミングアウト事例が載っている。どれもカミングアウトしたことで最終的にはいい方向に進んだものだけど、読んでいて涙が出そうになる。感動の涙っていうよりは、心がかき混ぜられるような……。
立場が違えば(たとえば、異性愛者であれば)しなくていいことに、カミングアウトする人は悩み苦しみ、カミングアウトされた人にも同じようなことが起きたりする。でもね、苦しいし人生ひっくり返るようなことかもしれないけど、カミングアウトした・されたからには、現実に目をそむけたりせず、しっかり向き合ってよい方向に進んでいけるようにしたいよね。

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Posted by ブクログ 2020年12月27日

同性愛の人の心情がよくわかる本。教育現場にもLGBTの児童生徒がいることを認識して指導に当たるために。

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Posted by ブクログ 2020年11月13日

初めて本を読んでいて泣きそうになってしまった。カミングアウトストーリーで愛する人の最後に立ち会えないというエピソードに対して社会への憤りを感じ、また切なく悲しくて泣きそうになった。

セクシャルマイノリティについて興味があり、また自分自身が知らないうちに彼らを差別しないためにも知識を得ることが大事だ...続きを読むと考え、この本を読んだが、非常に読みやすくわかりやすく書かれていた。
入門書としてはオススメで前に読んだ同じ分野の本よりも易しかった。

社会が変わるためには個人個人が変わらなければいけないというのはごもっともな事で、その中でカミングアウトが重要な役割を果たすのだなと感じた。

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Posted by ブクログ 2019年12月18日

基本的な知識に加え、具体的なエピソードが載っているため、すんなりと学ぶことができた。
LGBTについて理解のある人々が増えてきている分、同性を好きなことが普通である社会をつくるためには、自分たちも頭や心のどこかに、当事者意識をもっていることが大切。

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Posted by ブクログ 2023年11月29日

LGBTの話は、イメージがセックスと結びつきやすく、それがまた歪な感じになってしまうんだなと、本書を読んで腑に落ちた。
恋愛に付随するものとして、普通に受け止められたらいいのに。映画とかの影響だと思うけど、性に奔放なイメージがつよいから、普通の生活のイメージが上塗りできたらいいなと思う。

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