【感想・ネタバレ】日本の外交 ──「戦後」を読みとくのレビュー

あらすじ

戦後日本の驚異的な復興と経済成長を支えたのは、軽武装・日米基軸主義の基礎を築いた吉田茂の外交路線であった。だが、憲法九条を堅持したまま日米安保条約を結ぶことでねじれを抱えた吉田路線は、左右の政治勢力からの攻撃にさらされる。その様は、日本の国家像が左右に分裂したことを意味していた。そこに潜む「戦後」の呪縛を解き、外交戦略を再設計するには、吉田による「中庸」の選択の意味を深く問いなおすことが不可欠だ。こうした視座から戦後日本の歩みに新たな光をあて話題を呼んだ『日本の「ミドルパワー」外交』を、刊行後十余年の展開をふまえ全面改訂した決定版。

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Posted by ブクログ

日本の外交の特徴は異なるバックグラウンドを持って成立した憲法9条と日米安保のねじれの元で成り立っているということであり、そのねじれを所与として右派左派問わず実際の外交は吉田ドクトリンの延長に帰着する。
本書を読んで日本外交の実態と認識の間の差異に関する著者の意見が明瞭に分かりました。著者の提案する、ミドルパワー外交という概念についても納得のいく結論に思われます。
戦後外交史を概観できる本ですが、著者のミドルパワー外交論のサポートを念頭に入れた外交史解釈とも見えるので、あくまで一論として受け取るべきでしょう。

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2018年01月18日

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