あらすじ
日本画家・堀文子、99歳のメッセージ。
2017年に白寿を迎えた日本画家の堀文子さん。画壇に属さず、自然を師と仰ぎ、自由に、自己流で描き続ける堀さんには全国に多くのファンがいます。今年で99歳になるも、「歳を取ったから偉いなんて、冗談じゃない。去年より今年のほうが偉いなんて、そんな馬鹿なことがありますか」と語る堀さんは、つねに現在(いま)を生き続けてきた日本画家です。
「人の一生は毎日が初体験」「安全な道には驚きはない」「安住は堕落」「息の絶えるまで感動していたい」。本書では、これまでに堀さんが発表したエッセイやインタビュー、そして初載録となる最近の発言などから、いのちを描き続けてきた画家が「最期に伝えたい」珠玉の言葉の数々を伝えます。
書名の由来は、堀さんが74歳で描き、本書のカバーにもなっている「黄色くないひまわり」。頭に種をぎっしり実らせ、大地を見つめて直立するその姿から、死は決してみじめな終末ではなく、「生涯の華々しい収穫のときだ」ということを、堀さんは学びます。「いのち」を正面から見つめ続けてきた堀さんの言葉は、現代に生きる私たちに智恵と勇気を与えてくれます。
【ご注意】※この作品はカラー写真を含みます。
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Posted by ブクログ
白寿記念・堀文子展で購入した書籍。
堀文子さん語録。
読んでいくと、折に触れ、繰り返し語られる言葉がある。
「今」「初めて」「新鮮」「感動」「美」
慣れることを堕落の始まりと言って
なによりも恐れた堀さんは、
今日は誰にとっても”初めて”の日であると、
その”新鮮”な気持ちを大切にし、
自然が織りなすいのちの”美”を見つめて、
”感動”に心を震わせながら”今”を生きる。
そのためには一所不在を貫き、
常に不安の中に身を置き、
岐路に立ったときには
わざと困難な道を選ぶ。
自分を決して甘やかさない厳しさは、
好きなことだけを追い求め、
嫌いなことを寄せ付けない毎日を送るため。
「息の絶えるまで感動していたい。」
その生き方から感じられるのは自由。
頭に浮かんでくるのは、
目を細めてその瞬間、瞬間に
ワクワクを胸に生き生きとしている
堀文子さんの凛とした姿である。
そして
「死が生涯の華々しい収穫の時」
いざその時が来たら、心の底から
こう思えるようになるだろうかと、
わが身を振り返る。