【感想・ネタバレ】ほどよく距離を置きなさいのレビュー

あらすじ

人間関係の中で生まれる小さなトゲや心のからまり。
やさしい自分でいたいのに、本当はもっとやさしい自分のはずなのに、
怒りや嫉妬がそれを邪魔することって、ありませんか?

長く連れ添った夫や妻、子ども、嫁や婿。そして、気心知れた友人、ご近所さん。
自分の周囲の誰かと、思っているよりもう半歩だけ、ちょっと距離を置いてみると、やさしさを取り戻し、本来の自分らしく、心地よく生きられる。
そう説くのが、本書の著者、90歳の現役弁護士、湯川久子氏です。

やさしく、しなやかに、あらがわず、でも、流されず――。
多くの相談者が「話すだけで心が軽くなった」と信頼を寄せる現役弁護士の生き様から紡ぎ出される言葉が、あなた本来のやさしさを、きっと思い出させてくれることでしょう。


*目次より

◎争いごとで「命の時間」を無駄にしない
◎正しいことを言うときは、ほんの少しひかえめに
◎お互いの「台所の奥」には入らない
◎「話す」ことで問題とほどよい距離が生まれる
◎誰かのために流した涙が人の心を育てていく
◎人は一番の本音を言わずに、二番目を言いたくなる生き物
◎「あたりまえ」と言いたくなったら立ち止まる
◎一人で生きているつもりでも、一人きりで生き抜くことはできない
◎立つ鳥は余分なお金を残さない
◎時の流れは「一番つらかったこと」を「一番の思い出」に変える

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人間関係を壊して本当に後悔しているときに、
『言い足りなかったことは、言い足せばいいのだと。
言い間違えたことは訂正すればいいし、言いすぎたことは謝ればいいのです。』

と言う、言葉が胸に刺さり実行しました。
そのお陰で和解ができましたし、自己成長へと繋げることができました。

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2021年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

~ささった言葉3選~
1.「長生きは、もつれた糸を幸せな結末に結び直す人生のボーナスタイム」
2.「正しさを追求していると解決から離れていくことがある」
3.「相手を打ち負かした高揚感は、相手を裁いたむなしさに変わる」

90歳にして現役の女性弁護士が人間関係の距離感の極意について書かれている本だけに、大変説得力があります。

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2021年03月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

90歳を超える弁護士先生の著書。
90歳を超えてなおこの内容を書けることが単純にすごいというのが1点。
もう1点は、法律家である著者であるからこそ、「正論」を振りかざすことの悲しみや愚かさを知り、「赦す」ことや「あきらめる」ことで自分を癒し、前を向いて生きていくことの方がその人にとって大切なことなのだということを良く知っているのだと思う。
現代の日本社会は、SNSや掲示板の進化により、各個人の「正論」や「正義」を大義名分に、他者を叩くこと、攻撃することが当たり前になってきている。また、他者と自分とを比べ、他者が自分よりも「得」をしていると感じた場合にその攻撃はエスカレートしていく傾向がある。
そんな現代だからこそこのような本に目を通し、こういう視点からのモノの見方をあらためて思いなおす必要があると感じる一冊である。

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2019年10月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の湯川久子さんは、執筆当時91歳の女性弁護士さん。長年の実務経験に加え、趣味で能楽を50年以上続けてきたそうです。熱心な父親の力ず良い支えもあって、当時女性がほぼいない、法学部、そして弁護士試験に挑まれ、くじけそうになりながらも、2回目で見事合格され、弁護士の道を踏み出されたそうです。

タイトルを見ると、一見、ビジネス書でありそうな、他人と距離を置いて自分を高める、みたいなことかと思ってしまいますが、
そうじゃなかった。誰かを打ち負かして自分が上に立つのではなく、優しくなることを目指す。

自分の心は今どこにあるか、謙虚に見つめる視点を忘れない。



和解を助ける弁護士
そもそも、私が持っていた弁護士や裁判のイメージは、罪を裁いて正義を追求する、相手を打ち負かす、といったようなもっと固いものでした。
でも実際には、法律は完璧な正義ではないから、弁護士さんがいるのだ、ということを知りました。

__法律は、人間関係の問題を解決するためのルールです。もちろん、法律ですくわれる人もいますが、時として、法律が現実に起きていることにそぐわないこともあります。その隙間を埋め合わせるのが私たち弁護士の仕事だと思っています

本書では、和解に重点を置いている著者のアプローチが伝わってきました。
著者のクライエントとに向き合い方は、法律を通して対処することも、日常の人間関係と切り離されずにその延長としてあると感じられるものでした。
和解の糸口を見つけることができること、そのための自分自身の心の持ち方。

正しいことは控えめに言う、噂話ではなく、自分が何を感じているか、自分の心の居場所に意識を向ける、というようなお話もありました。

「もつれた糸をほぐす」と表現されていますが、弁護士として現実問題に向き合い続けてこられた年月を想像すると、さらにその言葉の重みが増しますね。



「話す」ことは「離す」こと
著者は、「話す」ことで、問題とほどよい距離が生まれる、といいます。
「離見の見」という『花鏡』で述べられた言葉が紹介されていました。
演じ手が自らの身体を離れて客観的な視点を持ち、あらゆる方向から自信の演技を見る意識。
心のなかにため込んだ苦悩や怒りを言葉にして誰かに話すことは、心の治療のような効果がある、と。
弁護士もセラピストみたいですね。でもきっとこれは私たちの多くも日常にしていることなのだろうと思ったり。
近視眼になっていないか、自分中心になっていないか…距離を意識する対象は、実は他人ではなく自分なのですね。

心を温かくする
人には心があること、まずは自分の心を温かく持つことの大切さ、が綴られています。
紹介されていたストーリーのひとつが、『くつやのマルチン』。
__結局、神は現れませんでしたが、自分が世界で一番哀れだと思っていたマルチンは、もっとかわいそうな人がいることに気づきます。そして、自分のような者でも、人にやさしくしてあげられることがわかり、なんだか心のなかがとても温かくなっていくのでした。
すべての人、すべてのものには神が宿る、それらを大切に扱うことは、自分を大切に扱うことに等しい、
愛のあるところに神もある、と。
きっとここで述べられている「神」は、自分を超えられる存在、のようなものなのではと思いました。



自分の残す姿
人は老いるし、死ぬけれど、それでも、生きてきた重みがあるかと考えると、それは、大切な人に思い出されることと関係があることが述べられています。
覚えられている人というのは多くの人から覚えられている、
覚えられているのは、晩年の姿ではなく、はつらつとした魅力ある人物として。

また、相続に関する数々の問題にもかかわってきた著者は、残すもの、についてもこう伝えています。
__まずは、自分が楽しく、笑顔で過ごせる老後を送ること。そのために、お金を使うこと。余力があるなら、自分が生きてきた世界、そして自分の子どもたち、孫たちが生きていくこの世界のためにお金を使うこと。その姿を見せることが、子孫への大きな財産の継承となるのではないでしょうか。

突然降ってきたお金は人を不幸にもすると。
現実社会、お金を貯えることに価値を置きがちではありますが、本当に幸せを願うなら大事にすべきものはお金の量ではなくて、姿…?!

まことの姿
たしかに、覚えられる姿って、その人の生きてきた重みがあって強く浮かび上がるもの、まことの姿、まことの花のことなのだろうと思います。
「時分の花」ではなくて、「真実の花」。かりそめの自分の姿におごらずに、初心、つまり未熟な自分への自覚を忘れずにいることの大事さは、本書の初めのほうでも強調されています。

そして、誰かの姿をもって、私たちはこれからの希望を感じられることもあるし、まさに、希望や活力みたいなものを、周りにも後世にも生み出すことが生きる中でできることなのかもと思ったりしました。
自分の姿が、大切な誰かのなかに残るか。どんな姿を人生を通して生み出したいのか。実際生み出している姿との差がないか。少し自分から一歩離れた視点で考えてみたいと思いました。

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2024年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最初は離婚裁判の話が中心で自分に重なる部分が少なかったのでつまらなかったが
読み進めていくうちに人との距離の置き方、コミュニケーション方法など興味深い言葉がたくさんあり大変勉強になったと思う
「正しいことを言うときはほんの少しひかえめに」
この言葉が1番自分に刺さった
もっと早くこれを知っていたらと思うが、今からでも意識して人と関わっていきたいと思う
何度も読み直したい作品

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2022年04月05日

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ネタバレ

人間関係をやわらかく! 正しいことを言う時は少し控えめにするほうがいい、正しいことを言う時は相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい、という詩人の吉野弘さんの祝婚歌 の中の一節が湯川久子さんは好きなのだそうです。
なるほどな!と思うことありました。

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2018年08月25日

ネタバレ 購入済み

この本を読み終えて

人生には色んな局面がある中で、一つの物事にぶつかり切り抜けられなかったり人間関係のややこしさにぶつかり深みに入りこんでしまうときがある。本書は長年色んな裁判を解決してきた女弁護士の視点から、距離をおいてみることの大切さが書かれている。

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2018年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生きた人の言葉
人生の終着点にきっと
この方の言葉が響くのかもしれない
人生を重ねる度に捉える言葉が変わりそうな
まだ自分は辿り着けない

言いたいことはいって
目の前でぶつかりあって分かり合いたいのに
逃げて隠れて石を投げてくる人ばかり

このうえなく許せなく
勝ち負けでしかないと思って
がむしゃらに努力して
結果を残して価値観をおしつける

ただそれも本音が言えなかっただけの意地
それをしたいわけではないのにね

未熟さを自覚して足るを知る
そんな「普通」ができていないことを自覚して
周りには正しい距離感で接する

様々な人生に寄り添ってきたからこそ
伝えられる言葉
自分では到底たどり着けない境域

生きるって難しい








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2025年07月26日

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