あらすじ
人間関係の中で生まれる小さなトゲや心のからまり。
やさしい自分でいたいのに、本当はもっとやさしい自分のはずなのに、
怒りや嫉妬がそれを邪魔することって、ありませんか?
長く連れ添った夫や妻、子ども、嫁や婿。そして、気心知れた友人、ご近所さん。
自分の周囲の誰かと、思っているよりもう半歩だけ、ちょっと距離を置いてみると、やさしさを取り戻し、本来の自分らしく、心地よく生きられる。
そう説くのが、本書の著者、90歳の現役弁護士、湯川久子氏です。
やさしく、しなやかに、あらがわず、でも、流されず――。
多くの相談者が「話すだけで心が軽くなった」と信頼を寄せる現役弁護士の生き様から紡ぎ出される言葉が、あなた本来のやさしさを、きっと思い出させてくれることでしょう。
*目次より
◎争いごとで「命の時間」を無駄にしない
◎正しいことを言うときは、ほんの少しひかえめに
◎お互いの「台所の奥」には入らない
◎「話す」ことで問題とほどよい距離が生まれる
◎誰かのために流した涙が人の心を育てていく
◎人は一番の本音を言わずに、二番目を言いたくなる生き物
◎「あたりまえ」と言いたくなったら立ち止まる
◎一人で生きているつもりでも、一人きりで生き抜くことはできない
◎立つ鳥は余分なお金を残さない
◎時の流れは「一番つらかったこと」を「一番の思い出」に変える
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
年をとるプラス面が印象的だった。今まで持っていたプライドや悩みがなくなるわけではないけれど、気にならなくなって、ほどけていくような感じ。物事に少し寛大になっている自分がいる。
そして、できなくなったことにこだわるのではなく、できることに集中して楽しもうとするようになる。
こういう生き方はいいなと思った。
Posted by ブクログ
読み始めから、心に響く、常に読み返したくなる言葉が次々と。
「話す」ことは「離す」ことであり「放す」ことにつながる。
だから、人に話すと心が少し軽くなることがあるんですね。
司法試験に向けて勉強する筆者に
「勉強さえすれば通る。あとはテクニックだ」と言った弁護士のお父様に対し、
「文学好きの頭で通るはずがない」と内心反発していたというところは、去年行政書士の勉強をした私も思ったこと。
前向きな性格でたいがい過去に後悔はしない私でも、「ああしていれば」とか「こうだったら」と思うことはあります。
でも、
「過去にこだわっている限り、新たな道を選ぶことすらできない」
「最後に目的地へたどりつけるなら、どの道も間違っていない」
そう信じていきたいです。
「相手のよさは『ある』かどうかではなく『見る』かどうか」
これにはハッとしました。
もともと私の信条としていたことも。
「子は言うことは聞かないが、親の姿を見て学ぶ」
そして、
「本音を伝えることが、問題解決の第一歩」
でも、
「自分が言われたくないことは、相手にも言わない」
などなど。
人生後半に入った今(明日終わるかもしれませんが)、より幸せに生きるヒントをたくさん与えてもらえたと思います。
Posted by ブクログ
弁護士を目指す彼女のお母さんが薦めてくれた本。
人間関係を糸に例え、たくさんの絡まった心をほどいてきた湯川先生。
身の回りの人を素直に大切にしようと思えた。やさしい言葉には説得力がありました。ありがとうございしました。
Posted by ブクログ
人間関係を壊して本当に後悔しているときに、
『言い足りなかったことは、言い足せばいいのだと。
言い間違えたことは訂正すればいいし、言いすぎたことは謝ればいいのです。』
と言う、言葉が胸に刺さり実行しました。
そのお陰で和解ができましたし、自己成長へと繋げることができました。
Posted by ブクログ
~ささった言葉3選~
1.「長生きは、もつれた糸を幸せな結末に結び直す人生のボーナスタイム」
2.「正しさを追求していると解決から離れていくことがある」
3.「相手を打ち負かした高揚感は、相手を裁いたむなしさに変わる」
90歳にして現役の女性弁護士が人間関係の距離感の極意について書かれている本だけに、大変説得力があります。
Posted by ブクログ
90歳を超える弁護士先生の著書。
90歳を超えてなおこの内容を書けることが単純にすごいというのが1点。
もう1点は、法律家である著者であるからこそ、「正論」を振りかざすことの悲しみや愚かさを知り、「赦す」ことや「あきらめる」ことで自分を癒し、前を向いて生きていくことの方がその人にとって大切なことなのだということを良く知っているのだと思う。
現代の日本社会は、SNSや掲示板の進化により、各個人の「正論」や「正義」を大義名分に、他者を叩くこと、攻撃することが当たり前になってきている。また、他者と自分とを比べ、他者が自分よりも「得」をしていると感じた場合にその攻撃はエスカレートしていく傾向がある。
そんな現代だからこそこのような本に目を通し、こういう視点からのモノの見方をあらためて思いなおす必要があると感じる一冊である。
Posted by ブクログ
まさしく今、争うか、しないかの選択を迫られてて、私の弁護士さんとは真逆の筆者に、先に出会いたかった!
やっぱ、本訴はやめて、負けたが勝ちにしとこかな( ・∇・)穏やかな人生を選ぼうー
私の人生なのだから
でも、"自己愛"相手に理不尽とむきあったな過去は、
彼のような弁護士さんと一緒だったから、私らしかったと、感謝するのみ!
早く穏やかになりたいのだけど、距離を空けても、つきまとう方からは、どうすればいいのでしょう?一生、距離を空け続けるしかないのでしょうか・・・
Posted by ブクログ
心がほどかれる本。
その先に幸せがあるか、と考えることで、
合理的になるための合理的、勝敗を明らかにするための戦い、といった息苦しい世界から、完全に離別できそう。
私は、問題が起こった時、相手を打ち負かしたいという気持ちになったことはないが、悩み始めたら、眠れなくなったり、四六時中、感情が支配されることが多かった。
これではいけないと思い、無理に感情をコントロールしようとして、こじらせてしまうこともしばしば。
問題の中に自分がいるのではなく、問題は、人生の中にある一部分。
そう受け止めたら、問題の中に全身が埋まってしまうことはない。
そんな勇気が湧いてくる。
Posted by ブクログ
人生を前向きに生きるために必要な考えが散りばめられている。少し距離を置いて視点を広げることで、同じ物事も違って見えてくる。90年間生きられた弁護士の方の言葉が本当に身にしみてくる。
Posted by ブクログ
著者の湯川久子さんは、執筆当時91歳の女性弁護士さん。長年の実務経験に加え、趣味で能楽を50年以上続けてきたそうです。熱心な父親の力ず良い支えもあって、当時女性がほぼいない、法学部、そして弁護士試験に挑まれ、くじけそうになりながらも、2回目で見事合格され、弁護士の道を踏み出されたそうです。
タイトルを見ると、一見、ビジネス書でありそうな、他人と距離を置いて自分を高める、みたいなことかと思ってしまいますが、
そうじゃなかった。誰かを打ち負かして自分が上に立つのではなく、優しくなることを目指す。
自分の心は今どこにあるか、謙虚に見つめる視点を忘れない。
…
和解を助ける弁護士
そもそも、私が持っていた弁護士や裁判のイメージは、罪を裁いて正義を追求する、相手を打ち負かす、といったようなもっと固いものでした。
でも実際には、法律は完璧な正義ではないから、弁護士さんがいるのだ、ということを知りました。
__法律は、人間関係の問題を解決するためのルールです。もちろん、法律ですくわれる人もいますが、時として、法律が現実に起きていることにそぐわないこともあります。その隙間を埋め合わせるのが私たち弁護士の仕事だと思っています
本書では、和解に重点を置いている著者のアプローチが伝わってきました。
著者のクライエントとに向き合い方は、法律を通して対処することも、日常の人間関係と切り離されずにその延長としてあると感じられるものでした。
和解の糸口を見つけることができること、そのための自分自身の心の持ち方。
正しいことは控えめに言う、噂話ではなく、自分が何を感じているか、自分の心の居場所に意識を向ける、というようなお話もありました。
「もつれた糸をほぐす」と表現されていますが、弁護士として現実問題に向き合い続けてこられた年月を想像すると、さらにその言葉の重みが増しますね。
…
「話す」ことは「離す」こと
著者は、「話す」ことで、問題とほどよい距離が生まれる、といいます。
「離見の見」という『花鏡』で述べられた言葉が紹介されていました。
演じ手が自らの身体を離れて客観的な視点を持ち、あらゆる方向から自信の演技を見る意識。
心のなかにため込んだ苦悩や怒りを言葉にして誰かに話すことは、心の治療のような効果がある、と。
弁護士もセラピストみたいですね。でもきっとこれは私たちの多くも日常にしていることなのだろうと思ったり。
近視眼になっていないか、自分中心になっていないか…距離を意識する対象は、実は他人ではなく自分なのですね。
心を温かくする
人には心があること、まずは自分の心を温かく持つことの大切さ、が綴られています。
紹介されていたストーリーのひとつが、『くつやのマルチン』。
__結局、神は現れませんでしたが、自分が世界で一番哀れだと思っていたマルチンは、もっとかわいそうな人がいることに気づきます。そして、自分のような者でも、人にやさしくしてあげられることがわかり、なんだか心のなかがとても温かくなっていくのでした。
すべての人、すべてのものには神が宿る、それらを大切に扱うことは、自分を大切に扱うことに等しい、
愛のあるところに神もある、と。
きっとここで述べられている「神」は、自分を超えられる存在、のようなものなのではと思いました。
…
自分の残す姿
人は老いるし、死ぬけれど、それでも、生きてきた重みがあるかと考えると、それは、大切な人に思い出されることと関係があることが述べられています。
覚えられている人というのは多くの人から覚えられている、
覚えられているのは、晩年の姿ではなく、はつらつとした魅力ある人物として。
また、相続に関する数々の問題にもかかわってきた著者は、残すもの、についてもこう伝えています。
__まずは、自分が楽しく、笑顔で過ごせる老後を送ること。そのために、お金を使うこと。余力があるなら、自分が生きてきた世界、そして自分の子どもたち、孫たちが生きていくこの世界のためにお金を使うこと。その姿を見せることが、子孫への大きな財産の継承となるのではないでしょうか。
突然降ってきたお金は人を不幸にもすると。
現実社会、お金を貯えることに価値を置きがちではありますが、本当に幸せを願うなら大事にすべきものはお金の量ではなくて、姿…?!
まことの姿
たしかに、覚えられる姿って、その人の生きてきた重みがあって強く浮かび上がるもの、まことの姿、まことの花のことなのだろうと思います。
「時分の花」ではなくて、「真実の花」。かりそめの自分の姿におごらずに、初心、つまり未熟な自分への自覚を忘れずにいることの大事さは、本書の初めのほうでも強調されています。
そして、誰かの姿をもって、私たちはこれからの希望を感じられることもあるし、まさに、希望や活力みたいなものを、周りにも後世にも生み出すことが生きる中でできることなのかもと思ったりしました。
自分の姿が、大切な誰かのなかに残るか。どんな姿を人生を通して生み出したいのか。実際生み出している姿との差がないか。少し自分から一歩離れた視点で考えてみたいと思いました。
Posted by ブクログ
個人的には
「逆境を越える力になるのは 大切に扱い、支えるという、能動的な『信じる力』」と『くつやのマルチン』の話(愛あるところに神もある)が印象に残りました。
Posted by ブクログ
一つ一つの言葉が、じんわり響きました。
あたたかい気持ちになれ、
あぁ、頑張りすぎなくていいんだな
と感じられました。
著者の言葉をすんなり受け止められるのは
著者の経験や人柄からくるものなのかもしれません。
だれも答えが見えない距離感をテーマにし
向き合わせてくれるすてきな本でした。
思わず友人にオススメしてしまいました!
Posted by ブクログ
九州で初めての女性弁護士になった湯川さん。
もつれた人生の糸をほどいてきた経験から書かれていた。
心に残ったことは、話して→話して→放す
許さないってずっと思うことよりも穏やかに生きることを選べる人でいたい。許さないって気持ちを持つこともあるけど、それに固執せずにいられるように心がけたい。許さないではなく、許したくないだと思うから。
誰かに投げかけたものは同じ顔をして返ってくる。愛あるところ、神もある。愛を自分から投げかけられる人は、どんな状況でも再出発できる。
深いお話
この本を読み終えた後の感想は「親しいなかにも礼儀あり」の言葉が浮かび上がりました。
60年以上弁護士人生を歩まれた方には、その経験から来る説得力があります。
一番深い話と思ったのは「話すことは問題を話す..」人との距離を置きながら客観的に自分を見つめ直すところでした。
温もりを感じた…
タイトルが興味をひき、購入してみた。読みはじめると筆者が弁護士であることがわかった。温もりを感じるような文章に引き込まれ、すぐに読み終わってしまった。筆者の生きてきた人生、考え方に共感しこれからの自身を生き方の道しるべとしてゆきたい。
Posted by ブクログ
【マイベストワード】
★「話す」ことは「離す」こと
★ 問題の中に自分がいるのではなく、
夢や希望、自由があるという
自分の世界の中の一点に、
ひとつ問題が起きているだけ。
【気になるワードメモ】
●「初心」というのは
×始めたころの気持ちや志
○はじめて事にあたる未経験な状態
「未熟さ」そのもの
●初心に帰る
=未熟な自分に戻ること
自分の未熟さを忘れることなく精進しなさい
●「今どう動くのか」にしか答えはない
●問題の中に自分がいるのではなく、夢や希望、自由があるという自分の世界の中の一点に、ひとつ問題が起きているだけ。
●自分が誠意と信頼をもって相手に接する時、相手の心にも誠意と信頼が生まれます。
●相手を打ち負かそうとするのでなく、心をほどいて、自分(と相手)が幸せになるような選択をしてほしい。
☆「話す」ことは「離す」こと。
●「離見の見」 世阿弥の能楽論書「花鏡」で述べられた言葉
演じ手が自ら身体を離れて客観的な視点をもち、あらゆる方向から自身の演技を見る意識。
●詩人 吉野弘氏 「祝婚歌」
「正しいことをいうときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことをいうときは
相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい」
●人間関係のもつれにおいて「正しさの追求」は、解決を生みません。
正しさを追求していると、解決から離れていくことがある。
「正しさ」こそ、人を傷つけやすいから。
●売り言葉に買い言葉。「言刃」は、からまった二本の糸をぶったぎってしまう「刃」です。
きられた糸は、むずび直さない限り、もとには戻りません。
●「剣をとるものはみな、剣で滅びる」
マタイによる福音書 イエスキリスト
●「くつやのマルチン」の原題は「愛のあるところに、神もある」
私たちが愛のある行動をとるとき、そこに神がおられるのだ。
●私は母に「感謝」とい糸で結びなおすことができた。
Posted by ブクログ
人とほどよく距離をおく
距離感は やはりとてもだいじ
親しき仲にも礼儀あり
家族でも 親友でも 一緒
ほどよい距離感で たのしい人生にしたいな
Posted by ブクログ
弁護士である著者
『裁くのではなくもつれた糸をほどく』
という言葉がいい?
多くの人間関係の絡まりは
距離が近すぎるためにおこる。
本来の心地よい距離を保つことが
できれば絡まりもない。
夫婦、親子、友人、仕事仲間、
自分と相手とは、どんな距離感なのか?
また糸はもつれてないかな?
と考えさせられる一冊。
相手のよさは、「ある」かどうかではなく
「見る」かどうか。
離婚相談を何件も担当した
これが妻側から聞く離婚原因の中で
多いものだそうだ。
この中で当てはまるのは?と質問すると
以外と一つしかなかったり。
1 働かない
2 生活費を入れない
3 暴力を振るう
4 暴言を吐く
5 大酒飲み
6 浮気をしている
7 借金がある
8 子育てに協力しない
9 家事を手伝わない
嫌なところにフォーカスすればするほど
そこがさらに、拡大されて見えてしまう。
たまに客観的にみるのもいいかもね。
良さを、みようと思えば見える、のかも。
『人は一番の本音を言わずに、
二番目を言いたくなる生き物』
『ほとよく忘れた人は幸福度が倍になる』
『誰かを救うのは法律ではなく
理解しようとする思いやり』
こころに響く言葉がたくさんあった。
時々読み返したい一冊。
Posted by ブクログ
最初は離婚裁判の話が中心で自分に重なる部分が少なかったのでつまらなかったが
読み進めていくうちに人との距離の置き方、コミュニケーション方法など興味深い言葉がたくさんあり大変勉強になったと思う
「正しいことを言うときはほんの少しひかえめに」
この言葉が1番自分に刺さった
もっと早くこれを知っていたらと思うが、今からでも意識して人と関わっていきたいと思う
何度も読み直したい作品
Posted by ブクログ
良書。
90歳、弁護士現役、能が趣味。人格者でない訳が無い。
少し待ってから、柔らかく話す。相手に勝つことは幸せになるとは限らない。
鍋の底洗う、洗わない論議は無意味は、その通りだと思った。
Posted by ブクログ
読んでいて、時々、ぐっとこみあげるものが、ありました。
生きていると色々、理不尽なことを言われることもあります。
その後は、もっと言い返したかったなどと思うこともあるのですが、著者も書いているとおり、相手をやり込めたとしても、必ずしも心がすっとするわけではなく、相手を気分悪くさせるのと同じくらい、自分の心もざわざわするのも事実です。
何事もほどよくというのは、生きる知恵だと思います。
心に残ったフレーズは、「話す」は「離す」。
悩んでいることを人に話すと心が少しでも軽くなるのは、「離」したからなのだと、得心がいきました。
また、無視されている人を放置しないとの著者の姿勢に感銘を受けました。
自分も、周囲に心配りができる人間を目指していこうと思います。
Posted by ブクログ
いわゆる「おばあちゃん」が書いた本なのですが、下重暁子や佐藤愛子が書いた本とは違い、読んでいて納得できる部分の多い本でした。
おそらく、下重暁子や佐藤愛子は、「昔は世の中がまともなだった、今の世の中はまともじゃない」というスタンス、あるいは「自分は正しい、周りは間違っている」というスタンスなのが、僕には受け入れがたいのだと思います。
その点、本書からは、「携わってきた人々や時代に寄り添う著者の姿勢」が伝わってきたので、納得できる部分が多かったのだと思います。
湯川さんのように、歳を重ねたいものです。
Posted by ブクログ
「はじめに」の言葉から、あー、そうなんだ、と気持ちに響いてきました。
〈 誰かと関わるとき、その対象との距離感をはかりながら、もっと近づきたいと押しすぎたり、自分なんてと引きすぎたり、時に間違い、修正しながら人間関係を織りなしていく。人生とはその時々で誰かとのちょうどいい距離を見つける作業の連続です〉
誰とでもうまくやれるわけでもない私は、人間関係を築くのが下手なのか、と落ち込むこともあるのですが、著者のような方でさえ、人との距離をはかることが始めから上手くいくわけではないのだと思うと気が楽になりました。
若い頃は勢いで生きていたけれど、50才を過ぎてから、もっと違う視点でものを見たり、自分の生きてきた道を振り返って、関わってきた人たちとのことを振り返って考える時間が必要だと思うようになりました。
本書を手元に置いて、悩んだ時は、人生の先輩である著者の言葉を参考にして、ほどよい距離感で、親子、親戚、友人たちと楽しく気持ちよく過ごしていきたいと思います。
Posted by ブクログ
人間関係をやわらかく! 正しいことを言う時は少し控えめにするほうがいい、正しいことを言う時は相手を傷つけやすいものだと気づいているほうがいい、という詩人の吉野弘さんの祝婚歌 の中の一節が湯川久子さんは好きなのだそうです。
なるほどな!と思うことありました。
この本を読み終えて
人生には色んな局面がある中で、一つの物事にぶつかり切り抜けられなかったり人間関係のややこしさにぶつかり深みに入りこんでしまうときがある。本書は長年色んな裁判を解決してきた女弁護士の視点から、距離をおいてみることの大切さが書かれている。
Posted by ブクログ
生きた人の言葉
人生の終着点にきっと
この方の言葉が響くのかもしれない
人生を重ねる度に捉える言葉が変わりそうな
まだ自分は辿り着けない
言いたいことはいって
目の前でぶつかりあって分かり合いたいのに
逃げて隠れて石を投げてくる人ばかり
このうえなく許せなく
勝ち負けでしかないと思って
がむしゃらに努力して
結果を残して価値観をおしつける
ただそれも本音が言えなかっただけの意地
それをしたいわけではないのにね
未熟さを自覚して足るを知る
そんな「普通」ができていないことを自覚して
周りには正しい距離感で接する
様々な人生に寄り添ってきたからこそ
伝えられる言葉
自分では到底たどり着けない境域
生きるって難しい
Posted by ブクログ
激しい内容ではなく、人の別離を見てきた弁護士さんが優しくアドバイスしてくれるような書でした。
p.69
「子どもは成長する過程で、百粒を超える喜びと幸せを親に与えてくれるが、子どものことで傷ついた親は、百粒の涙を流す」と言います。子どものことで苦労した親は、人として成長し、人にやさしくなります。
Posted by ブクログ
「争いごとで命の時間を無駄にしない。和を尊び選ぼうとする人は、必ず幸せへと導かれる。」その言葉に全てが詰まっているように思います。弁護士として60年余りを過ごした筆者の言葉はわかりやすくてするすると心に響いてきました。
Posted by ブクログ
時代柄、女性が弁護士として活躍するには苦労も絶えなかっただろうに、自身の辛かった経験はさらっと語るに留めているところに、酸いも甘いもかみ噛み分けた筆者の成熟した心を感じる。
どちらかというと、調停の場で出会った人々のエピソードを中心に、読者へ人生のアドバイスを送っている内容で、読んでいると背筋がぴんと伸びる。
Posted by ブクログ
帯に書かれている事が1番大切で分かりやすいかも。話の内容は弁護士という仕事を通しての人との関係性なので少し思っていた内容とら違ったかもしれないけれども客観的に見たらこういう事なのかなと思ったり。帯に書かれている事だけでも忘れずに覚えておきたいです。
Posted by ブクログ
法曹というのは揉めごとを「解決」するのがお仕事、ということだと思った。
その揉めごとのただ中に長く身をおいた筆者の揉めごと取り扱い方法書。
熱心に揉めごとに取り組んで「勝っ」ても、そのために費やしたかけがえない時間は帰ってこない、ということが言いたかったのではないだろうか。
よく気をつけたいと思った。
書名が命令形の本は今後避けたい
書名が命令形になっている本は、避けた方がよいという教訓になった。
自分の人生が、いかに充実していたかという話を延々とされているようで、まったく心に響いて来ない。
同じ題材を扱っても、哲学者や心理学者、精神科医が書けば、こうはならないと思う。
アプローチの仕方に問題があるのだろう。