感情タグBEST3
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よくあるパラレルワールド的な話じゃなかった。個人的にはあとがきに共感。自分のすきなことに、していることに、なんの意味があるのか、何かの役に立つのか。無理やり意味を見出そうとすることの無意味さ、この物語からそんなメッセージを感じました。
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虚数。無味乾燥なイメージだけどこんなに美しく優しいものだったなんて。数学者が虚数だけでなく数学の世界を愛でる気持ちが本当にわかった。
人を好きになれない天才小説家、吉野。彼女の才能に黒い嫉妬心をにじませる染井。そして転校生、真白。全員が全員器用に生きられない。そんな中で吉野が出した答えは涙がにじんでしまうほど見事だったし、それを受け継いだ染井の成長に心があたたまった。
「この世界を小説で壊したい」
複素数は、美しい。美しいなんて上っ面な言葉はこの本に一切書かれてなかった気がする。使われてたとしても、上っ面な時だけ。宇宙が始まった時、虚数時間が流れていた。というさり気ない文章。この淡々とした文章にiを感じた。
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よくあるパラレルワールドものかと最初は思ったが、読み進めると違っていて安心した。死との向き合い方としても考えさせられた。けど真白と染井が出会わず、悲しみを分かち合う人がいなければ二人はどうなったのかなとも思った。死を選んだのか、人生に絶望しつつ小説が読めなくなってもただ生きることを選んだのか
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愛がないけれど愛を感じる物語。無駄が排除され効率が重視される忙しない世の中で、無意味に思えることがみえる世界を広げてくれることがある。ひとつの小説がいつか救ってくれることもある。iを大切にしたい。
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現実って言葉は重い。それに対して私たちは何かを探している訳だけれど、結局は最初に味わった挫折と同じ挫折を味わうことになるかもしれない。現実を縦軸として交差する横軸の虚構は何の役にも立たないかもしれない。だからこそ、できれば虚構に縋って生きて生きたい人間も保険として現実的な生き方を探している。それが自分だと、この本を読んで思った。
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この後、どうなるんだろう。
そんな終わり方だった。そう思う作品は他にもあるし、読んだことがある。だいたいそういう作品は読んだあとモヤモヤが残って納得しない。
しかし、これは納得できた。
モヤモヤが残ったままでいい気がした。
何かに行き詰まった時、壁に当たった時に読んでほしい。
自分はそんな時、またこれを読むのだと思うから。
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小説が好きな人たちの物語。
とても共感できる部分が多くあった。
自分自身、小説を書こうと思ったことがあったから(全く書けませんでしたが)小説で世界を変えてみたいの台詞が印象に残りました。
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最後の最後にえ、まじかと驚かされるシーンが印象に残ったが、それ以上に不器用な彼、彼女らの生き様が興味深かった。Iをこめて、そのタイトルがどんな意味を持つか、どうやって回収するか気にしながら読んでいたが、iの世界という概念は案外誰でも持ってるんじゃゃないかと思う。自分自身のiを問答しながら生きていけたら深みが出るかもなと思った。素敵でちょっともどかしいお話でした。
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以前に買って積読してた本でした。
パラレルワールドを意識したタイトルかなって思い、読んでいて、初め読んでいたら予想通りでした。。。って感じな展開かと思いきや。。。って感じです。
読みやすい作品で理解しやすいと思います。
あと、「i」ってのが虚数ってことがわかってると更に深く理解しやすいかなって思います。
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これやって何か意味あんのかなって、よく思うこと多かったけど。そういうものが現実を変えてくれるキッカケだったりすんだなあって、何か新しい価値観をもらった気がする。
この小説読み終わってから、もっと沢山の本読みたいって思えた。
1作目より好き
世界観が素晴らしく良かったです。僕はしばらく虚数の世界にいましたね笑
死んだ人にメールをする人の心情を汲み取る斬新さは何か自分をどこかへ連れ出してくれました。
ただ、一つ不満があるとすれば後半がダルくなったなぁと思いました。それは、吉野の死の真実が染井に伝わってないと思ったからです。吉野がなぜ死んだのかというのが明確に染井の心情にでて描かれていない。吉野は染井が自分の小説の真似ができる人、いわば自分のコピーみたいだと吉野は考えた。吉野からすれば小説とは自分を表す一つの言葉であり自分をこの世界で表す価値であることだからそれを真似できてしまう染井の存在がいるということは自分がこの世で無価値なんだと言われたのも同然という心理だったと思います。吉野のその気持ちに染井が気づいてる描写はなく、真白といちゃいちゃしていて最後は良かったけど、後半のすこしだるくなった感じは私としては否めない。それで星4つです。でも、読み応えがあって良かったです。
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ラスト、染井が吉野の残した小説を書き上げようとする辺りで涙があふれて止まらなかった。
佐野徹夜、ひりひりする文章書くの上手いなあ。次作もまた読むと思う。
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装丁が美しく、ちょっとめくって手にとってみた本。
率直に言えば面食らった。ライトノベルで「小説」とは、「小説家」とは何たるかをこんなに見つめた本があったとは。
文章に癖がないし、個人的にはぱらぱらと見られる独特の比喩が好き。ドライヤーで乾かす髪の毛みたいに揺れる草、とか、DVDのチャプターをでたらめに押すみたいに、とか。あーなるほど、と理解できるのに使い古されてない、絶妙な例えが作品にきれいに溶け込んでいて、これが魅力かー!と唸ってしまった。
惜しむらくは、帯や裏表紙の押し売りが強いこと。圧倒的感動、とか衝撃の結末、とか、この本の強みはそこじゃないだろう。むしろそういうのとは違う、生きることに苦しむ登場人物たちを描く、冷静なのにどこか人間らしい迷いを孕んだ文章こそ売るべきなんじゃなかろうか、と。
ひねくれた人が、外見で読むのを避けてしまいそう、と思ってしまう。杞憂だといいけど。
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面白かった。 別に衝撃の結末は待ってなかったけど。
優しい結末だった。
経験しなきゃ分からないこと。
体験しなきゃ分からないこと。
見聞だけじゃ分からないこと。
分からないことは悪いことじゃないけど、分からないままにしておくと私みたいな大人になっちゃうぞ。
青少年よ、案ずるより産むが易し、ゾ。
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何か始めることは、いいことなのか?
戦争とかさ、始めない方がいいことだってあるわけだろ。
始まらないまま終わらせた方がいいことだってあるんじゃないか?
考えてもしょうがないことは考えない。
自分の力でどうにかなることばかりじゃないんだからさ。
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ー現実に期待なんかしてるから駄目なんだよー
前作の時も思ったけど、何故この作者はあの中高生の時に強く感じた生きづらさや世界に絶望したような感情の描写が上手いんだろう。多分私が中高生だったら共感して一緒に川にとびこんでいたかも。今でもしたい気持ち
この子達の「生きづらさ」はいつか無くなるんだろうな、その感情すら一切を忘れるんだろう。そんな事を感じさせられながら読みました。
愛とはなんだろう
実感のない、実態のないそれをどうこめるのか
重いテーマのはずなのにとても読みやすいです
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結局は将来、役に立たない意味がないことでも
一生懸命にしようってことなのかな?
小説家って変わっていると言うけれど、
やはり変わってるなぁとよくわかる
小説だった。
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映画『君月』を観て佐野徹也さんを知り、映画が面白かったので、期待をこめてこの本を読んだ。感動というものはなかったが、人を愛することができない、社会に馴染めない主人公のむしゃくしゃする気持ちを共に味わいながら読めた。個人的に数学が好きなので、i(虚数)の話をリアルな世界でうまく例え、表現している所が印象的だ。この本は一読しただけでは到底理解し難いものがある気がするので、また空き時間にでも読んでいきたいと思う。
Posted by ブクログ
吉野への執着がすごい。死を受け入れているはずなのに。あれはもはや悲しみとかではないと思う。だけどはっきりわからなかったのは吉野の最後の言葉。結局彼女は誰も愛せず死んでいったってこと?みんなが言うほど青春って感じがわからなかった。教えてください
Posted by ブクログ
迷ったとき、つらいとき、やることがないとき、僕は吉野にメールを送る。半年前に死んだ吉野から返信があるわけもない。でもある日、吉野から返事が届いた…。