【感想・ネタバレ】カーディとお姫さまの物語のレビュー

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Posted by ブクログ

全体的に暗いトーンが漂う、おとぎ話・ファンタジーというよりは、人間の心の中に潜むできれば目をそむけていたいような醜さ(怠慢・傲慢・利己主義・裏切り・謀略)をこれでもかっていうほどデフォルメした物語になっています。  前作のゴブリンもなかなかイヤな奴らだったけれど、今作の人間ほどは酷くなかった・・・・そんな気がしちゃうぐらい・・・・(苦笑)  そんな中で「お姫さま」であり「女中」であり、「大きな大きなおばあさま」でもある「善意」がとりあえずの勝利をおさめ、ハッピーエンド・・・・となるのかと思いきや、最後の最後でまたまた影をさして終わるというこの物語。  これはマクドナルドの抱えていた不安の表れなんでしょうか??  でもね、この最終章、何だかそのまま現代につながっているようなそんな気がしちゃうんですよね~。

(全文はブログにて)

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2011年02月22日

Posted by ブクログ

なんだこれは。
ヘイトや無知無理解無関心と闘う話じゃないか。
これは絶対大人になってから読んだほうが面白い。
でも子供の頃に読んでいて良かった。細かい内容は忘れていたけれど。

残虐なことになりそうな予感をみせつつも、ひどい出来事はおこさせない。
子供向けのモラルを守ったままでも、こわいことは描けるのか。
子供にひどいことを伝えようとすると、見た目の怖さに気を取られて肝心の中身が伝わらなかったりするから、こういう配慮は大事だ。
拷問ではなく、拷問を発生させる状況の恐ろしさを描くような、配慮と信念のバランスが良い。
そういう部分が「銀の森の少年」と逆で好きだ。

訳がとてもいいけれど後書きの幸せ観には賛成できない。
どうしようイギリスの歴史に手を出したくなってしまった。
関係ないけどイラストこれだっけ?
子供の頃に読んだのはこれじゃないような気がするんだけど。

2010/09/29 再読

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2014年02月16日

Posted by ブクログ

「お姫さまとゴブリンの物語」の続編です。王国は再び危機に見舞われます。今度は外からの侵略ではなく内部の腐敗。子供向けとは思えないテーマ、そして子供が生まれなかったために王国は滅びてしまいます。普通にのんびり読み進めてると衝撃を受けます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ジョージ・マクドナルドの『お姫さまとゴブリンの物語』の続編。
一冊目もそれで一応完結しているけれど、やはり続きがあるなら読んでみたいと思わせる…で、こちらも。
やはり、描写も展開も面白かったが、古きファンタジックな物語というには、懲りない愚かな人間たちのありさまがあまりに象徴的に描き出されていて、むしろ現代の一面を語っているようで恐れ入ります。
ヒーローとヒロインは結ばれてその時代は栄えたというものの、その後の結末が暗いといえば、そうではあるが、こういうことも歴史がたびたび物語ってきたようにありかもしれません。
いずれにせよ、現代に生きる私たちは、もうそれぞれが愚行をやめる時期ですけどね。

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2011年12月25日

Posted by ブクログ

お姫さまとゴブリンの物語」の続編。表紙がかわいくて読んだのですが、面白かったです。今思うと竹宮恵子さんなんですよね…(笑)かしこいお姫様と、不思議な「おばあさま」と鉱夫のカーディ。大好きでした。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

めでたしめでたしの続き。

ゴブリンを倒したカーディは、塔の大きな大きなおばあさまから王国とお姫様を救いに旅立つよう言われる。城に向かったカーディが見たのは、王国の腐敗と病に倒れた王の姿だった。

うまくいくのはいいのだが、エンディングがまさかの展開。解説によれば著者は当時あまりよい状況になく、悲観的な気分が作品に出たのではないかとのこと。しかし、決してうまくいっているとは言えない現代でこの物語を読むと、正しいことが続かないこと、信じることの難しさ、誠実や忠誠の清々しさをひしひしと感じる。

醜いが忠実な獣リーナとその仲間たちは、前の巻ではゴブリンの家畜として忌み嫌われていた。しかしこの巻では最も心強い味方である。見た目ではなく、中身というおばあさまにも通じるテーマを感じる。

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2021年10月09日

Posted by ブクログ

『お姫さまとゴブリンの物語』の1年後の物語。成長したカーディの活躍は面白かったが、やはり『北風のうしろの国』に通じる不気味さを感じた。ゴブリンの方も少しお説教めいた部分があったが、こちらは明らかに教訓本。最後はハッピーエンドになってめでたしと思ったら、結局人間の欲によって国が言葉通り崩壊するという結末。子供のファンタジーにこんな身も蓋もない結末を書いてしまうなんて、マクドナルドは心底人間に失望していたのかも…。

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2013年02月06日

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