【感想・ネタバレ】図解 食の歴史のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

人間には、欲が渦巻いている。その中でも食欲は、現役でいる限りいつまでも持ち続けている欲の1つだ。そんな食の歴史をわかりやすく図解を交えながら開設しているのが今回の本だ。




 古代文明、古代ギリシア、古代ローマ、中世・近世ヨーロッパと日本・世界の食と興味深い事実が並べられている。




 例えば、エトルリア人の食文化。現在の北イタリアに存在したエトルリアは、古代ローマに滅ぼされたが、食文化の面ではローマの先を行っていた。驚いたのが、音楽を料理をしている時から、食べ終わるまで、楽士の一団が楽器を演奏していたという記述だ。何でも、音楽には魔力があり、料理をおいしくしてくれる効果があると考えていたそうだ。音楽が料理の「スパイス」になるとは。




 そういえば、神戸牛だったと思うが、牛にビールを飲ませて、クラッしく音楽を聞かせて、マッサージをしているとアメリカのメディアが、ものめずらしさから取り上げているのを思い出した。




 あの古代ローマ人は、「粥を食べる未開人」と呼ばれていたというのも驚きだ。ちょうど、今でこそセレブが泣いて喜ぶフランス料理だが、中世の頃なんてベネチア、などのイタリアに住む人にとっては、洗練されていない料理だったのと似ている。




 食材もそれぞれだ。古代ローマでは、美食のために食べていたものに、あのヤマネがある。何がうまいか価値観の違いがあって面白い。冬眠を防ぐためにわざわざ飼育したという手の込みよう。美食にかける情熱には恐れ入る。




 ゲルマン人から現代の草食系男子を見たらどうなるのか。きっと肉も食べないなんてなんて軟弱だと「渇だ」なんて言うのだろうか。そんな冗談はさておき、ゲルマン人は、肉食系男子で、肉を食べることでパワーがみなぎると信じていたとある。そんなゲルマン人からすると古代ローマ人の食事など軽蔑すべきものだったそうだ。




 中部ヨーロッパで卵を使った占いがあったという記述を見てホーと思った。例えば、クリスマスイブに食べる卵の黄身が双子の場合どうなるかと言うと、日本で言うところの大吉に当たる。ヨーロッパにとって卵が身近な存在だという証拠だ。




 他にもこの本ではじめて知ったことがあり興味深く読み進めた。

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2012年08月25日

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