あらすじ
東芝事件、豊洲移転問題、原発再稼動をめぐる混乱まで……その背後に存在したのは、日本人が間違うときに必ず通る「8つの失敗の法則」だった。山本七平からゲーム理論までを引用しながら展開される究極の日本人論。
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Posted by ブクログ
著者が、「はじめに」に書かれたことが、本書の目的や意図が明確にされています。
それは、日本人の失敗を論じた『失敗の本質』があり、個々の分析は的確だが抽象化が不十分で、原因まで分からない。本書は日本人の失敗から法則を抽象化し、具体的な事例に即して検証する、ということです。
これを8つにパターン化し、仮説としてまとめています。事例も歴史的な事実から、最新のものまで多岐にわたり、同じパターンになっていることが良く分かります。
<この本から得られた気づきとアクション>
・これは何度も読み返すべき。失敗のパターンに陥っていないか、自分にも周りにも目を配る必要がある。
<目次>
プロローグ 優秀な兵士と無能な将軍
第1法則 現場が強いリーダーを許さない
第2法則 部分が全体を決める
第3法則 非効率を残業でカバーする
第4法則 「空気」は法律を超える
第5法則 企業戦略は出世競争で決まる
第6法則 サンクコストを無視できない
第7法則 小さくもうけて大きく損する
第8法則 「軽いみこし」は危機に弱い
エピローグ 勤勉革命の終わり
Posted by ブクログ
日本の組織に「あるある」な失敗事例集。
一言でいうと、
優秀な現場が部分最適化してトップが決断できなない「空気」による機能不全
が起きている。意思決定をボトムアップで部分最適にやるために、全体最適をしようとするリーダーを排除しているとも言える。打ち合わせを重ねて責任者をうやむやにして「空気」を醸成していくのが日本的な民主主義であり、そのシンボルが「象徴天皇」とも言える、と。
本書の最後に、こういう日本の空気だからこそ「空気を読まない孫正義さん」が成功した、と紹介しているのが興味深い。
Posted by ブクログ
「失敗の本質」が流行っているので、失敗の本質と過去からの池田氏の持論を組み合わせて売れる本にしようという編集者の意図がミエミエの著書。従って内容的には過去の池田氏の本や主張同様、非常に含蓄があって本質をついており、興味深い内容ではあるものの、上記のような観点からみると、あまりいただけない本ではあります。
Posted by ブクログ
日本人の失敗のパターンは同じ。。
その特徴は現場主義による部分最適化と誰も決めない「空気」の支配。
意思決定がボトムアップで部分最適になり、全体を統括する強いリーダーを拒否する。最終決定者がいないので、みんなで打ち合わせをして時間をかけて「空気」をつくっていく。