【感想・ネタバレ】ビジネスの世界で戦うのなら ファイナンスから始めなさい。のレビュー

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Posted by ブクログ

ファイナンスとは「値段を決めること」 マネーゲームや、金策ではない。 それぞれが自分の尺度、手法で値段を決めて割安なら買うし、高くなれば売る。

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2023年03月03日

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ネタバレ

事業家=海賊=Pirates

海軍に入るよりは海賊であれ(Pirates)
この言葉は今は亡きスティーブ・ジョブズ氏の言葉です。企業が成長して大きくなっても大組織に飲み込まれずに優れたビジネスパーソンたちが自ら舵を取り思い切って行動できるようにとの思いから口にした言葉だと思います。既成概念の枠にとらわれず個人が持っている斬新なアイデアや秀逸な企画を数多く打ち出せるような組織を作っていきたい、実は表現こそ違えどジョブズ氏だけでなく多くの企業のトップたちがこのように考えています。
今事業家が決定的に不足している。
ビジネスの世界では今、事業家としての能力ののある人材が求められています。企業のトップたちは事業を任せることのできるビジネスパーソンを雇いたいと切望しているのです。事業を自らの手で動かしていくとなると、ビジネス全体を把握して、いかに利益を出していくのかということを考えていく必要があります。そのためには新規事業を立ち上げたり、自分の会社にできるだけ多くの付加価値をつけたりして、顧客を引きつける策を考えなくてはなりません。時代が進むにつれ企業経営の難易度は増しています。新規事業の開発だけではなく、業務提携やM&A、時には持っている事業や子会社を手放すことさえ戦略としなければならなくなっています。そうした戦略を自発的に立案できる人を企業側は雇い入れたいと考えています。つまり企業のトップ達には、自社の中に事業家として能力を持った人材を抱えておきたいという強い意向があるのです。そしてその事業家という存在は、いま決定的に不足しています。

皆さんが企業の中で大きな意思決定に携わったりゆくゆくは企業の幹部にあるいはトップになろうとしたりするのであれば、事業家として大成することが必要かつ近道になるのです。そして事業家になるための一歩としてファイナンスというものが存在します。日本の場合戦後創業された同族経営の企業が多く、今は初代創業者から稼業を引き継いだ2台目から3代目の事業承継の時期を迎えている会社が増えてきています。また世の中の流れとして、コーポレートガバナンスが整ってくるにつれ、優秀な事業家に企業を任せたいと考えている上場企業も増えています。トップに引退の時期が近づいてくるとより優秀な適任者をどのように抜擢するかということを考える必要が生じできます。上場企業も非上場企業も優秀な事業家を囲い込みたいという点において同じ課題を抱えているのです。

ジャック・マーとニケシュ・アローラの違い
ここまで事業家という言葉を使ってきましたが、事業家というと起業家と混同してしまいがちなのでここで私のいう事業かの定義をはっきりさせておきたいと思います。事業家と起業家は異なります。起業家とは新しいビジネスを立ち上げる人のことです。文字通り、業を起こす人です。

これに対して事業家とは、既存の事業に関わり、それを経営し、成長させていく人を指します。さらには将来的に有望な事業を見つけ、それに投資するような人も事業家に含めていいでしょう。多くの企業の経営幹部たちはこうしたセンスを持った人を欲しているのです。起業家と事業家は一見すると同じように見えますが、私は起業家と事業家の間に決定的な差があると思います。誤解のないように先にお伝えしますが、私は起業家と事業家の優劣を論じているわけではありません。起業家と事業家にはもちろん共通する能力もありますが、求められている能力に異なる部分があるということを言いたいわけです。

その異なる部分はどこかというと、まず起業家と事業家では誕生の仕方が異なります。事業家は企業の中で生まれますが、起業家は企業の外でないと生まれません。起業家とは自分で会社を立ち上げる人のことであり、企業の外で活動していないと起業家ではないのです。社内起業などという言葉を聞くこともありますが、私は社内起業は起業とは全く異なるものだと考えています。実際に起業する場合と、会社の中で子会社という形で起業する場合とでは、元々の前提条件が大きく異なってくるからです。絵画の例でいうと、起業家はまっさらなキャンバスに何も見ないで絵を描く仕事になります。これに対して事業家が行うのは写生です。事業家は既存の事業や所属している会社の延長線上で、事業の絵を描くのです。絵というジャンルにおいては同じですし、必要とされる能力や技術は重複する部分もあるのですが、描いているものは決定的に違ってきます。
最近の例でいうと、ソフトバンクから出資を受けていたアリババのジャック・マー氏は起業家、退任してしまったニケシュ・アローラ氏は事業家という位置付けになるでしょうか。冒頭の言葉に戻りますが、スティーブジョブズ氏が述べている海賊というのは事業家のことです。

事業家としての能力とは具体的にはどのようなものなのでしょうか?様々な意見が出て来ると思いますが私はズバリファイナンスを熟知しその知識を駆使して事業を成功させていける力量が事業家としての力だと考えています。いやいや起業家だってファイナンスをわかっていないと資金調達はどうするんだという声もあるかもしれませんが起業家にはファイナンスを駆使する力よりもファイナンスをわかっている人を仲間に引き入れる力の方が大切です。理念を打ち出しそれに対して必要な能力を持った仲間たちを集めていく。それが企起業家に求められる力です。
事業家のミッションは事業を成長させていくことです。実際に事業を行う時のリスクは何か、それに見合うリターンは何かを考えてどの事業をどのタイミングで立ち上げるのが最適化を緻密に計画し、ときには大胆に実行していく。それが事業家に必要とされる能力になってきます。
それを使ってどうやって儲けられるんだ?ファイナンスの知識があれば会社の利益に貢献できるのか?具体的な活用策がなかなか見えてこないうちにその必要性がわからなくなり継続的に勉強するのをやめてしまうのです。
ファイナンスとは物の値段を考えること
ファイナンスとは一言で言うと物の値段を考えることです。先ほど、ファイナンスは教養だと言うお話をしました。教養といえば美術なんかも教養に入ります。美術品を見てこの美術品はこう言う点が素晴らしいとか、ここに工夫が凝らされていると言うことを論ずるのが教養としての美術だと思いますが、ファイナンスも実はこれと一緒なのです。商品でもサービスでもなんでもいいのですが、これにはいくらくらいの値段がつくはずだ。なぜならと物の値段を論じていくのがファイナンスの面白さなのです。
物の値段をつけるのは何も目に見えるものだけではありません。時間や自由など目に見えないものにも値段をつけて、それを議論するのが教養としてのファイナンスです・ニュースで見るM&Aなどの話も同じです。M&Aの本質は会社という目に見えないものに値段をつけ、買うべきか否かを判断することなのです。
私がここで言いたいのは投資銀行かがどうこうという話ではなく、ファイナンスだけわかっていても、事業家としては大成しないということです。事業家として成功するにはファイナンスを用いて事業の本質を見極め、新たな利益を想像していく能力が必要なのです。そしてそのような能力は数式だけエクセルで追いかけていても身につくものではありません。ビジネスの当事者となり、ファイナンス×事業の本気のぶつかり稽古を行なって初めて身につくことができるものなのです。
むしろ世の中に錬金術などというものは存在せず、お金というものにロジカルにきちんと向き合っていけることになることがファイナンスを学ぶ意義なのです。そして、その考え方を生かして初めてファイナンスを学んだ異議が出てくるのです。もちろんお金を稼ぐ、あるいは事業を行なって利益を出すにはファイナンスの知識は必ず必要になってきます・。先述のソフトバンクアカデミアの話に戻りますが、社長室在籍で、実際にアカデミアのランキングで首位にいた方はファンドマネージャーの資質がない人は、ソフトバンクの後継者には100%慣れないと断言しています。

M&Aが増加傾向にあるのはもちろん日本だけではありません・。欧米では実に8割もの上場企業がM&Aによって新たな事業領域へ進出することを考えています。グローバル企業のトッププレーヤーはかなり戦略的にM&Aを活用しており、正直なところ、日本の企業は全体的に見て、M&Aを経営戦略にしっかりと活用している企業はまだまだ少ないのです。日本企業は海外企業と異なり、案件が自社に持ち込まれるまで待ってしまう待ち型の企業が多いように思います。
会社経営の仕事はM&Aであるとまで思っています。みなさんが事業家として企業のトップに求められている技術の最終形はM&Aを行うためのファイナンスの技術です
事業家の役目はビジネスをプロデュースすることです。事業転換を行う必要があるのか、事業再生案件が出てきそうだから備えておく必要があるなどと考える能力はファイナンス力無しに身につけることは不可能です
レバレッジバイアウト、逆張り(事業再生)、ロールアップ(流動化)、種類株式の発行
事業投資計画、自分なりの投資判断、価値判断の精度を高めていくのがファイナンス
複雑化、高度化の流れを辿るということはより優秀なビジネスマンが社会に必要とされ、より正当な評価を得られるということだからです。環境は追い風です。

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2019年11月24日

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M&Aがなぜ今流行っているのか?
ファイナンスの知識はこれから英語よりもプログラミングよりも大切。

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2018年01月23日

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M&Aという言葉は聞いたことあったが、実際どういうことをしているのか、やなぜ株式上場するのかなど、素人にでもわかるように説明してくれており、初心者用にはとてもわかりやすかった。

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2018年01月23日

Posted by ブクログ

ファイナンスの考えかたや技術を、学んだことのない人にもわかりやすく伝える一冊。ソフトバンクのボーダフォン買収や、コメダ珈琲がIPOにいたるまでのいきさつなど、さまざまな事例が紹介されている。

事業家として大成するには「ぶつかり稽古」が必須であるとし、経験をとおして再現可能なしくみをつくっていくことの大切さを説いているところが印象にのこった。

ファイナンスの世界について何も知らない自分にとっては真新しい概念がちりばめられており、もっと深掘りして学びたいと思った。

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2017年10月16日

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ファイナンスの入門書だが、計算や理論ではなく、ファイナンス的な発想を意思決定のフレームワークに使うことが肝要との指摘には納得。M&Aの実例を取り上げ、どのようにファイナンスの手法が用いられたかを簡潔に解説してあるのもわかりやすい。入門書として良書だと思います。

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2017年05月11日

Posted by ブクログ

ファイナンスの本質は何かを捉えるための一冊
数式やテクニカルな部分はできるだけ省きつつ、実践のためには
何が必要かに焦点を当てた内容です。
著者本人が事業家、投資家として日々過ごしているからこそ
リアルな感じが醸し出されている

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

ファイナンスとは何かをビジネス面の具体例を通じてわかりやすく解説した本。理論などの解説は置いておいて、感覚をつかむ事を主眼に置いた本。分かりやすい。

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2017年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

買いたいと思っていた分野の本ではなく、本屋に行った際に気になって購入した。ファイナンスって言葉は聞くけどPL/BS数値系を駆使して財務部分を理解する方法?くらいにしか理解でなんとなく重要だとは感じていたのでどんな本なんだろうと思い購入。

今、企業は事業家を求めている。事業家とは既存の事業に関わり、それを経営し、成長させていく人のことを言うと。ほんで、事業家に必須なのはファイナンスということらしいです。で、ファイナンスっていうのは難しい数式を操るとか特殊スキルではなく教養であり、お金という枠組みで思考するためのフレームワークということ。
一言で言うと「モノの値段」を考えることですって。

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2017年01月15日

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