あらすじ
「自我の確立」と「無我の境地」。めざすべき人格のあり方はどちらか? 現代人は自我を強調するあまりエゴイズムに陥ってしまった。一方、無我とは滅私奉公であるとの、歴史的誤解への反省も、いまだ曖昧である。本書では、大乗仏教の唯識学と現代アメリカの哲人・ウィルバー思想、さらにスイスの発達心理学者・ジャン・ピアジェの理論などを手がかりに、自我と無我の本来的意味を整理する。「無我の空の関係」「自我とエゴイズムの違い」「未我→自我→無我の成長プロセス」などをわかりやすく解説。その上で、自我と無我の対立概念を超えた大いなる宇宙観(コスモロジー)を提唱。人間の心は誰でも覚りに到達する可能性を秘めていることを理論的に証明する。東洋宗教と西洋心理学を統合し、理想の人間性を追求した思想的メッセージの書である。まさに、日本精神史百年の葛藤を解消する好著である。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「自我の確立」と「無我の境地」。
めざすべき人格のあり方はどちらか?
自我を主張しすぎるとエゴイズムの蔓延をもたらす。
一方、無我とは滅私奉公であるとの歴史的誤解も根深い。
本書では、大乗仏教の唯識学と現代アメリカの哲人・ウィルバー思想を手がかりに、自我と無我の本来的意味を整理する。
「無我と空」「自我とエゴの違い」「未我→自我→無我のプロセス」などをわかりやすく解説。
その上で、自我と無我の対立概念を超えた全宇宙論を提唱。
到達すべき人間成長のビジョンを明確にした、思想的挑戦の書。
[ 目次 ]
序章 自我か、無我か―日本の精神史百年の葛藤
第1章 手がかりとしての唯識とウィルバー思想
第2章 大乗仏教における「無我」の意味
第3章 「無我」ではなく「四知」の主体―凡夫から仏陀への道
第4章 自我中心性の克服としての発達
第5章 全宇宙の構造
第6章 「個と集団」の成熟した関係―バランスのとれた進化へ
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