【感想・ネタバレ】勇者には勝てないのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

これも魔王と勇者の話。最近流行りなのでしょうか。
異世界で魔王一派は勇者に滅ぼされるのですが、命を奪われる間際に魔力でもって別世界へと転生し
其方で世界征服を企てようとしますが、それにも勇者が飛びかかる格好で干渉し、
更には魔王配下の3人の魔将までも絡み現代日本に人間として転生します。
転生は果たしたものの、魔王の魔力を持ってしてもそれが精一杯だった様で
人間となった3人の魔将は僅かに能力の名残があるだけの男子高校生に過ぎない存在に。
普通の家庭で育てられ、此方の世界を目の当たりにし、
彼らの魔王の先兵としての世界征服への情熱は萎えざるを得ません。
主人公の位置に立つ元巨人族の魔将は腕力の能力を僅かに残すが勉強意欲の高い高校生。
元魔族の魔将は動物を操る力があるものの、以前の端正な姿と異なる小柄で関西弁を操る高校生。
元合成獣は人ではなかったものが人として転生した為極度のマザコンで、
弱いブレス能力を残す高校生として。


そんな彼らがひっそりと過していた高校に勇者の証である“光の波動”を放つ転校生が現れます。
勇者が追って来た事実に怯える3人の前に現れた勇者の姿は見目麗しい少女でした。
既に魔王の先兵として世界征服を実行に移すだけの力もないと痛感していた彼らは
土下座で命乞いをしますが勇者には通じません。

勇者である筈の少女には事情が飲み込めていない様でした。
会話を交わすうちにどうやら勇者は嘗ての記憶をなくしていた事に思い至ります。
しかしどんな弾みで記憶が戻るかもしれず、元魔王の配下達は
勇者から発せられる光の波動によりダメージを受けつつも、
保身の為に勇者が悲しみを感じることにより記憶が戻らぬよう少女のフォローに努めるのでした。
そこに転生した魔王が意外な形で転生した姿を彼等の前に現すことに。。。


異世界から舞台を移すと言う意味では『はたらく魔王さま!』が既に評価を得ています。
作者も先行作品は意識したそうですが、此方は転生している事を活かそうとの意図が感じられます。
曾て異世界で暴虐の限りを尽くした魔王一派は人間を散々に苦しめ、
未だ覚醒していなかった勇者は、彼等に肉親や恋人を殺されることにより目覚め
魔王を倒すまでの力を得、それにより力を殆ど失った魔将達をして勇者を労る展開に導いてます。
それら設定はとても丁寧に考えられており、綻びは見られませんし、それなりに楽しめました。
何故勇者が記憶を失ったかは魔王の存在にも関わるのですが、
その魔王の転生での位置もなかなか面白いと感じました。
盛り上がりは後半の別の異世界からの転生者の存在でしたが、
その辺りの文章が幾分頭に入りにくい部分がありました。
面白いかなと感じる一方で、どことなく物足りなさも覚えました。
何処がどうと言うのではないのですが。

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2012年03月18日

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