あらすじ
祝・ノーベル賞受賞!
重力波は、1916年にアインシュタインが存在を予言。
彼の数々の予言のうち、最後まで残った宿題「重力波」を、
2016年に世界で初めて観測したアメリカの観測施設LIGOのメンバーが
2017年のノーベル物理学賞を受賞した。
そのLIGOプロジェクトで、かつて「ノイズハンター」として名を馳せたのが、
現在は日本の観測施設KAGRAの中心メンバーとして活躍する川村静児氏。
受賞者のひとりレイナー・ワイス博士は、受賞後のインタビューで
「川村氏の存在なしに受賞はあり得なかった。
彼は最高の科学者であり、実験者」と、川村氏の功績を称えている。
本書では川村氏が「重力波天文学」の世界をやさしくエキサイティングに解説。
重力波をとおして宇宙誕生の謎に迫る、決定版の入門書である。
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Posted by ブクログ
重力波について読んだ何冊かの中で一番読みやすかった。重力波とは何かについて、なんとなくイメージできたように思う。重力波についてと、重力波観測の意味、歴史的経緯がバランスよくわかりやすく説明されていた。
Posted by ブクログ
やや実験系に傾きがちな内容
約138億年前に宇宙が誕生した
宇宙最初の38万年間は非常に高エネルギーの状態で、粒子が激しく動き回る時代であった。このころは原子核が電子を捕まえられないため飛び回る電子と光の相互作用のため光がまっすぐ飛べない時代であった。重力波にはこのような相互作用がないため、初期の宇宙を観測するためには重力波が適している。
ビッグバンの証拠としては、ビッグバンの火の玉から放射された光が宇宙の膨張によって引き伸ばされ、マイクロ波として宇宙を満たしている。これは宇宙マイクロ波背景放射(CMB)として観測される。十分に宇宙が膨張して宇宙のエネルギー状態が下がってからは電子を原子核が捕まえられるようになった(宇宙の晴れ上がり)ため光がまっすぐ勧めるようになった。この光がCMB。
物体が加速度運動をすると重力波が出る。現在、考えられている重力波源としては
超新星爆発
中性子星連星の合体
ブラックホール連星の合体
の3つ。
超新星爆発などは星の中心部がごく短い時間で収縮するため加速度運動する質量が大きく、強い重力波が生じる
将来的な目標はインフレーションの観測、余剰次元の観測