【感想・ネタバレ】今なら間に合う 脱・貧困老後のレビュー

あらすじ

「1日1食。たまには風呂の湯船につかりたい」(60代女性)
「月約9万円の年金から4万5000円のアパートの家賃と水光熱費を払うと、1回の食事にかけられる費用は200~300円。3カ月前に前立腺がんとわかったのですが、治療するお金がない。そもそも入院するには保証人が必要で、身寄りがないためムリ」(74歳男性)
「サンデー毎日」の連載「貧困老後」をスタートした時点から、このような感想が多く寄せられた。「希望がない」「早く死ねればいいんだけど」と何度も聞いた言葉は、胸に深く突き刺さった。“一億総中流”といわれた時代を生き、右肩上がりの収入を得て子どもを育てあげ、年金でのんびり暮らす老後を信じていた人たちがほとんどだ。「何ごと」もなければ少ない年金の範囲内で日々の生活をなんとか維持していけるが、急な医療費の支払いや事故など突発的な事案が起きると一気に生活が破綻してしまう。そして「まさか私が......」という言葉を一様に口にする。「高齢期に入って経済的に困窮するのは『自己責任』である」という厳しい意見も少なからず寄せられた。現役時代にそれなりの蓄えをするべきだと。だが、人生にリスクはつきものだ。失業、離婚、病気、そして最近では子の失業。これらは誰の身にも起こり得ることであり、そこから転落する人が増えているのだ。それは決して自己責任ではなく、景気低迷や時代に合わなくなってきた年金制度や社会保障費削減などが生み出している構造的問題だ。今や、4人に1人が65歳以上の高齢者という、超高齢社会に突き進む日本。他人事ではない長寿社会の現実を鋭く抉り、自衛のための具体的対策が盛り込まれた良書。●第1章 高齢者の貧困は他人事ではない●第2章 持ち家が老後破綻のきっかけに●第3章 おひとりさまの老後●第4章 孤立が生み出す高齢者の犯罪●第5章 今なら間に合う! 脱貧困・脱孤立対策

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

●老後を生き抜くために必要な情報は少ない。寿町など、若いときから貧困であった高齢者が取り上げられ、参考になることは少ない気がした。

0
2021年11月21日

Posted by ブクログ

年老いた両親を抱える団塊の世代ちょっと後の世代である身、教訓にと手に取った。自己責任論は理解できるが思わぬ不運が重なり貧困に陥ることもある。気の毒とは思うが、余裕があってこその共助・公助、限界がある…。従来のシステムが合わなくなってきている現在、こうなるの必然だ。解決策は見えない…。

0
2018年03月13日

Posted by ブクログ

高齢者の約7割が年金を主たる収入として生計を立てているにもかかわらず、年金を受給している人の半数近くが月額10万円未満。基礎年金のみの人は1069万人で、その月額は平均5万円。加えて最多のレンジは3~4万円。食べるのがギリギリの額だ。命を守るはずの国保にさえ負担感を感じて人は多い。東京都内自治体で、40歳・給与収入400万円(所得266万円)の世帯主に妻、子供2人がいた場合、固定資産税5万円と想定すると、葛飾区での国保料は年額約45万円。なんと所得に占める割合は約20%。滞納は起こるべくして起こっているといわざるを得ない。国保証がないため病院にかかることを諦める人も少なくない。国保料の滞納者は全国で360万世帯。全加入世帯の17%を占めている。とりわけ近年大きな問題となっているのが、老後を襲う親子共倒れ破産。失業やひきこもりなどで中高年になっても独り立ちできない子が増え、年金が親子の生活費になっているため、介護費用も捻出できない。親のスネをかじり続ける子供たちが引き金となり、ついには老後破綻となる。かつてなかった事態が日本の家族に広がっている。35~44歳の未婚の子が親と同居する割合は1980年には39万人だったのが、2012年には305万人に膨らんでいる。背景にあるのは失業と非正規の増加。親の死を隠して子が年金を貰い続ける事件が各地で散発的に起きている。本書では、脱・貧困老後のために個人でできることを静かに教えてくれる。貧困老後は誰にでも起き得る。今からでも遅くない。準備をするに如くはなし。

0
2016年08月13日

「社会・政治」ランキング