【感想・ネタバレ】三重露出~都筑道夫コレクション〈パロディ篇〉~のレビュー

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Posted by ブクログ

面白いわ。特に二段組の部分のいい意味での荒唐無稽というかナンセンスというか、そういうとてつもない面白さを再確認した。一段組の部分の空気がなんとなく重いのでこの部分の明るいサスペンススパイスリラーって感じがかなり浮き出ているように感じた。また同時収録の短編「もどき」と「銀座の児雷也」はやっぱいい。面白い。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

パロディものの短編集。

ミステリの探偵を気取って事件に首を突っ込むという「もどき」をテーマにしたものは、「ポアロ」と「半七」を収録。また、ジェームズ・ボンドを日本に初めて紹介した著者らしく、007ならぬ000というスパイを面白おかしく書いている。

表題にもなっている「三重露出」は、二つの構造を持っている。
一つは海外もののミステリ、日本にやってきて忍術を学んでいるアメリカ人青年サム・ライアンは、道でたまたま助けたアメリカ人に「サムライに渡してくれ」と不可解なものを手渡される。そこから事件に巻き込まれ、忍術を使う日本の女たちとの戦い、そしてジェームズ・ボンドばりにさまざまな女たちとのベッドシーンを繰り広げる。「いかにも」といった風の、日本を舞台にした血沸き肉踊る、しかし非常に怪しげな海外ミステリであるが、もちろんこれも著者の創作である。
そしてもう一つの側面として、この海外ミステリを翻訳する滝口という男の物語が挿入されている。彼はこのミステリを翻訳していた際、この小説の中に自分の知っている名前、「ヨリコ・サワノウチ」という名を発見する。この女性は、すでに2年前に何者かに殺され、そして犯人が見つからないままになっていた。

一方では「海外ミステリらしさ」を上手に出したドタバタ活劇、そして一方で訳者の世界で進む二年前の事件の犯人探し。とにかく面白く、都筑先生の偉大さを感じさせる一冊だ。

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2010年03月10日

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