あらすじ
「美しく誇りある」父のような国家が国民一人ひとりを子のように指導し、守っていく――。異次元緩和や賃上げ税制など経済政策から教育、憲法改正、安保法制まで、安倍流国家介入型政治に通底するのは「国家の善意」である。その思考と意志を、国会審議や諮問会議議事録など「首相自身の言葉」から探る。
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Posted by ブクログ
秀作。
腑に落ちる内容が多い。
安倍は、国家の肯定的な面を高く評価する一方、否定的な面には余り触れない。
国家の性善説。私は、危険を感じる。歴史を振り返れば、歴然だ。
政府が関与する事で実現した大企業の賃上げの経緯を、公表されている情報のみで解説しており、分かりやすく、見事。
Posted by ブクログ
安倍晋三には、ホッブスの『リヴァイアサン』を読めと言いたい。国家とは人間がしょうがなく作り出したペシミズムを基底に置くフィクションだ。国家が積極的になったことでろくなためしはない。白井聡が描く安倍晋三像とはある部分重なりつつも異なった像が描かれている。この本の著者が十分に言及していないのは、戦後の日米の政治的関係だと思う。日本が米国の従属国家であるということ。これを著者はどう考えるのだろうか?