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Posted by ブクログ
叙述トリックにこだわり続ける職人作家、おそらく日本で最も叙述トリックの作品発表されてると思われます。
過去に『倒錯三部作』短編集の『101号室の女』『水の殺人者』と呼んでます。今作は日本推理作家協会賞を受賞した作品です。
いわずもがなの叙述モノであり読み始めから気合入ってました!騙されるものか!という作者と読者のバトルが叙述モノの醍醐味ですが…
語り手の視点がコロコロ変わる多重構造で、現在、過去、時系列が錯綜し、合間に手記や、『恐怖新聞』が挿入されてます。ん?と思われる箇所は読み返したりしてページ数のボリュームもありやや読破に時間かかってしましました。
最終的にミステリーのラストとしての納得度として評価するなら、残念ながら、『倒錯のロンド』『倒錯の死角』を読み終えた時の衝撃には及びませんでした。
ただ恐怖新聞のかもし出すホラー感や、謎が深間っていく感などのスリル&サスペンスはなかなか読み応えありました!
どうしても叙述トリックは読み手が最初から気合入れて読んでいきますし、過去のモノは使えないしなかなか難しいと思います。氏の叙述にかける意気込みは素晴らしいと思いますが…
それにしても、いつもはかわいそうな男(だいたいが犯人?と思われてるが実はそうでなかったキャラ)が、かわいそうなまま終わるのですが、今回はちょっと救われたカンジだったのでよかったです!なぜかそいつを常に自分と重ねてしまうのです。
まぁ大好きな作家ではありますので、今後も読んでいくとは思います
Posted by ブクログ
お勧め度:☆6個(満点10個)。随分、長編だったけど、ようやく読み終えました。文庫本で700ページの厚さがありましたが、とても20年前の作品だとは思えない斬新さがあったような気がします。長い年月を経て復讐を果たした犯人のどれほどの執念が描かれているかがうかがえる。内容は大きく分けて、青葉ヶ丘中学校の時代と、20年後の同窓会の時代の二部構成。ただ、最初から最後まで「粛清!」の恐怖が貫き、次々と殺人が起こる。恥ずかしながら、私は最後まで犯人がわからなかったが、ちょっと、終わりが少しあっけないような気がした。
Posted by ブクログ
どこかのほほんとした雰囲気。粛清の言葉が腹立たしい。秋葉への制裁は卓郎の存在だけ?先生にはむしろ幸せになってほしい。幸せかな?女性の描写が中学生男子の妄想レベルでこっちが恥ずかしくなる。
Posted by ブクログ
日本推理作家協会賞長編賞に輝くサスペンス。折原一らしく,多数の登場人物の視点からいろいろと謎が提示され,中盤のサスペンスは部分はなかなかのもの
交通事故に遭い,記憶喪失になった謎の男「神崎一郎」の正体は誰かという謎。20年前の青葉ケ丘中学で,恐怖新聞を発行し,粛清をしていのは誰かという謎。同窓会を妨害するために,野呂和男と喜多村冬彦を殺害した復讐者は誰かという謎。そして,青葉ケ丘中学の教師だった仁科良作の妻は誰かという謎。これらの謎が、畳み掛けるように構成される。しかし,真相が平凡。神崎一郎の正体は,都会から転校してきて,すぐに転校していった足立一郎。恐怖新聞を発行していたのは級長の秋葉拓磨。復讐者は,自殺した稲垣公夫の父であり,仁科良作の妻は,長谷川美鈴だった。
いずれも,ある程度ミステリを読んだことがある人であれば容易に予想する結末であり,ミスディレクションといえるものがない。叙述トリックを駆使し,作品がどんどん複雑になっていた折原一が,叙述のテクニックを利用し,サスペンスとして楽しめる出来とし,作品全体の作りをシンプルにした結果だと思われるが,どこか一つくらい,裏を書いても良かったのでは,と思ってしまう。折原一を初めて読む人が,叙述トリックの折原一の作品と期待して読むと拍子抜けするかも。ミステリ慣れしていない人が,余談を持たずに読めば,楽しめるかも。
いじめ部分は全く感情移入できなかった。折原一はいじめられたことがないのかもしれない。米澤穂信のボトルネックや,相沢沙呼の午前零時のサンドリヨンなんかに比べれば薄っぺらく感じてしまった。
折原一らしく,サスペンスとして中盤部分までは十分に楽しめ,結末の意外性こそはないが,全体してこじんまりとまとまった作品といえ,駄作とは思えないので,評価としては★3かな。
Posted by ブクログ
「粛清」
その言葉にクラスの生徒はみな恐怖を感じる。
ホラーっぽいかんじだったかな。
文章としては、ページ数は多いですが読みやすいです。
読後感はちょっと暗いけど。
途中までは、色んな人物や状況が絡み合って面白かったのだけど
最後の最後で脱力しちゃった感じ。
「えー、そんなので良いの?」みたいな。
ちょっとぞくっとしたい方にはオススメです。
Posted by ブクログ
過去の青葉が丘中学校を舞台に繰り広げられる話が1部で
間、間に記憶を失った男が自分の持っていたモノに青葉が丘中学
3Aクラスの殺人計画書があった為に、それから自分が誰なのかを
探っていく。
2部は3Aクラスの20年後が舞台となり、同窓会を開く事から
事件が発生して展開していく。
3部が謎解きとなる。
1部は「粛清」をキーワードに異常なクラスの様子がホラータッチで
描かれている。
もう1つの記憶を失った男の話がこの中学校とどうつながっているのかが
見えてこない。
2部では現在の卒業生達が同窓会を開く為に再開したり
記憶を失った男と接触したりして事件が起こる。
当時の学級委員長と副委員長、秋葉拓磨と辻村ひとみを中心に
当時の担任であった仁科良作が深く係わっていき
犯人が誰かは明かされずに犯人の視点からも物語が進む。
3部で全ての謎や犯人が明かされるが、ネットで聞いていたような
飛び切りのドンデン返しな訳でもなく叙述トリックがある訳でもない!
少し拍子抜けしてしまったが、これは読む前の評判があまりにも
良すぎたせいで、期待値が大きすぎた為だと思うw
ホラータッチで描かれている点や謎に対する期待は最後まで
尽きることなく楽しく読めた♪