【感想・ネタバレ】紫式部日記解読 天才作家の心を覗くのレビュー

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Posted by ブクログ

紫式部が残した日記についての詳細な解説。
目からウロコの発見もあり、大変楽しく読めた。
著者(ご夫婦?)はかなりな研究熱心。深い造詣と膨大な知識の蓄積に驚かされる。
何より好ましいのは、紫式部に対する「情熱」が感じられるところ。紫式部を愛し、その実像に近づこうとする熱っぽさがひしひしと伝わってきた。

ひとつだけ難点をあげるとすれば、自説を主張するあまり、他の説を受け入れようとしない頑なさだ。
ご自分の信じる説以外は完全否定。「こうあらねばならない」感がものすごい。
どうしてなんだろうと思ったが、最終章にある、出版までの経緯を読んで納得がいった。他の説をいれないこの頑固さは、まさに自費出版の典型だ。
もう少し穏やかに、さまざまな説を受けとめられたらいいのにと思う。源氏物語が歪曲した捉え方をされていることも、エロティックな漫画化も、それらが広く人々に受け入れられていることを考えれば、それも源氏物語の一側面といえように。

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2017年04月16日

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