あらすじ
“明日は今日の続きじゃない。傷は癒える人は変わる、今日何が起こるかわからない。だからこそ人間関係は常に危うい。”――そんなことを感じながら日々を送る瞳子(とうこ)は、大学を卒業しても働かない実家暮らしのプー太郎。父と姉は毎朝仕事に出るので、必然的に母と過ごす時間が長くなり…!? 他誌で活躍していた吉野朔実が『週刊ビッグコミックスピリッツ』で掲載を始めた、1980年代後半の流行を織り交ぜて描いた話題の連作短編集!
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Posted by ブクログ
吉野さんに対して油断を持ってしまった頃にこれを読んで、ガツンとやられてしまった。瞳子のような性格は、昔はもっと若い時代に体験したように思うけど、今はこの年なのか。
Posted by ブクログ
「年齢を重ねると少しずつ人生の謎は解けてきますが、だからといって不安が無くなるわけではないし、情緒が安定するわけでもありません。」
「今日は昨日の続きじゃない、だから、明日も今日の続きじゃない」
Posted by ブクログ
ずいぶん前にツレが買って、貸してくれた本。あまりに私が気に入っていたので「それあげるよ」と借りたまま私のものになった本。日常の何気ない風景なんだけど、なぜかじんわり心に沁み入る。今でも大切に本棚に閉まってある。たぶんこれからもずっと私の傍に置いておくであろう一冊。
Posted by ブクログ
学生時代、ですからもう10数年以上も前に
買った本だったと思います。
先日本棚の整理をしたら出てきて、
大切にとっておいたものらしくとても状態がいいのです。
表紙もとても凝っています。
吉野朔実さんのイラストが淡い色彩で入っていて、
型押し加工までしてある。綺麗な本。
買った当初のことを思い出しながら再読しました。
大学を卒業したものの就職もせず、
たまにバイトをしながら自宅で暮らす、
今で言うとニートになるのかしら、女の子のお話です。
親に甘えて一見のらりくらりと気ままな生活を送りながら、
その内面は子どもと大人の狭間くらいでゆらゆらと揺れている。
吉野さんは淡々とした描写のなかに、
その微妙な心情をじつに細やかに拾っていらっしゃいます。
自分のなかにもかつて確かにあった感情を
ほろ苦く思い出しながらまた、大人への階段があるとすれば
その踊り場あたりで足踏みをしながら
じっと大人を観察しているその眼差しにどきりともさせられて。
歳を経て読みかえしてもまた、違った味わいがある。佳作です。
そんな本だからこそ、大切にとっておいたのでしょうね。
当時の自分と握手するような気持ちで、
そっと本棚に戻しました。
また時間をおいて読み返すのも、おもしろいかもしれません。