あらすじ
「見送る者は無言の自然のみ。行く先は何処ぞ……」。1941年、行き先も目的も知らされないまま、家族に別れも告げられず、11人の男たちは潜水艦に乗艦した。船酔いに苦しむ大滝、人間関係に悩む二本柳、接吻に憧れる北、軍規に反し日記をつける勝杜……。著者の伯父の日記を元に、明日をも知れぬ男達の真実の姿を描いた感涙の物語。
...続きを読む感情タグBEST3
太平洋戦争中の潜水艦の青春群像
太平洋戦争中の潜水艦を題材にした物語ということで、当初は福井晴敏の「終戦のローレライ」や池上司の「雷撃深度一九・五」のような戦記物かと思っていたが、かなり内容が違っていた。潜水艦に乗り組んだ若者たちの内面が丁寧に描かれている。もともと劇場で上演され、好評を博した作品ということもあって、戦時中の海軍にしては描写がかなり民主的というかユルイ印象で、どちらかといえば登場人物の内面描写にウエイトが置かれている。ガチな戦記物ではなく、戦時を生きた若者たちの青春群像として読むとよいと思う。
Posted by ブクログ
14年前に初演の舞台を見た。
近江谷さんが寺内で、西ノ園さんが古瀬だったかな。
昭和16年の末、行き先も告げられずに
日本を発った《ドン亀》潜水艦の乗組員たち。
戦争の気配を強く感じながら
お国のために戦える誇らしさと
今日とも知れぬ死への恐怖との狭間に揺れる。
壮絶な死への覚悟と生身の人間の滲み出る本音。
理不尽な現実も受け入れなくてはならない時代。
正しい戦争は存在しない。
どんな理由があろうとも。
戦争のない未来のために。
子ども、孫たちの平和な時代のために。
テーマは重いですが笑顔になる本です。
Posted by ブクログ
バレーボール漫画を彷彿させるタイトルだが、真珠湾攻撃の海軍潜水艇、いわゆる人間魚雷の話だ。
敵へ最初に攻撃する栄誉ある仕事のことをあたっくNo. 1と呼んでいる。
元々2001年に舞台の脚本として書かれたものを脚本家直々に小説として書いたものが今作。
私が舞台を観たのは2023年でした。
男だらけの暑苦しくも馬鹿馬鹿しいやり取りもありつつ、いつ開戦するか分からない緊張との背中合わせの日常に胸が痛む。
特殊潜水艇に乗り込む仲間を送り出す場面は、舞台でもしこたま泣いたが、小説でも涙が溢れました。役者たちの声が脳内で再生されます。
戦争なんてやるものではない。人の命より大切なものなんてない。月並みですがその気持ちが強くなりました。