感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2021年03月09日
いわゆる「ヒット」を生み出すヒントが満載の本。投資をする身としては、スタートアップがいかにブレークするかを考える上でも有用。
問い
・どうやったらヒット商品を生み出せるのか
答え
・潜在ニーズをつかみきる
・サービス、装い、価格、そのほかすべてが重要
目次を読むと、「ヒット」を生み出すには、他...続きを読む者が気づいていない問題に気づき、解決策を「商品」の形にすることをうまずたゆまず行うことが重要であるとわかる。
プロローグ ヒット商品はどのように生まれるのか
1 私はこうしてヒット商品を生み出した
2 誰も気づいていないことに「気づく力」
3 問題解決のカタチを「商品」にする
4 「あきらめない力」を鍛える
エピローグ 世の中は変化する。だから新たなヒットが生まれる
プロローグ ヒット商品はどのように生まれるのか
・「発生したニーズに対して商品やサービスをあとから供給するだけでは、ヒットと呼べるものはなかなか生まれません。そこで重要なのが潜在ニーズなのです。ニーズが顕在化していない状態。それも、ある特定個人や一部集団だけでなく、大衆レベルで、それぞれが明確に理解できていないのに、心の奥底で高まりだしているニーズ。「そうそう、これが欲しかったんだ!」
・「それまでに誰もが利用していた技術でも、意外な組み合わせや想定外の使用方法を提案するなど、工夫しだいでヒット商品は生み出せます。」
・「もちろん、潜在ニーズを発見できればそれでヒットが約束されるわけではありません。
ー気づいた潜在ニーズを元に、それを満たす商品のコンセプトや概要を固める。
ー調査によって企画の仮説の方向性があっているか検証する。
ーネーミングやパッケージデザイン、味・機能・使い勝手といった商品としての価値を高めていく。
ー広告や宣伝、販促、広報の戦略を固める。
ー営業や生産、物流など、商品を市場に送り出すまでに欠かせない部署の協力を得る。
ーこれらがすべてうまくいき、投入するにベストのタイミングを見極める。
・「私のマーケティングの定義は次のとおりです。人や社会に対して、刺激と感動を与え、行動を起こさせること。」
1 私はこうしてヒット商品を生み出した
・ぎゅっと搾ったレモン水
・ぐいっと飲める充実野菜
・リアルゴールドの缶化
・缶コーヒー市場に最後発で参戦:ルーツ
2 誰も気づいていないことに「気づく力」
「重大な事実ーお客は自分の「本当に欲しいもの」を知らない」
・「調査でわかるのは過去および現在のことのみで、これから商品をヒットさせるべき未来が見えることは稀なのです。」
・「常識にとらわれない」:「「そんなものは聞いたことがない」の中にある「それが欲しかった」」
「不満」「文句」は宝の山
・「では実際に、潜在ニーズをどのように発見すればいいのか。それはずばり、文句を聞くことです。」
・「大ヒットと呼べる結果を生むには、消費者の予想を上回るレベルでの圧倒的な解決策を提示する必要があります。」
文句Aと文句Bをくっつける作業
・「文句をたくさん出していくうちに、その人だけに留まらない、いまの社会全体が抱いている不満が見えてくるのです。」
「気づく力」を鍛えよう
・「同じ業界のヒット商品やライバル商品、日経のヒット商品番付に登場した流行品などを分解してみるとよい」
商品のコンセプトは「自分が欲しい」から
・「最後には「きっとこれが正しいのだろう」と自分で判断しなくてはならないのです。」
・「こんなものが欲しい」と自分で思える商品こそ、ヒット率が高いものでした。」
・「自分のアイデアに自信を持つには、「その商品が社会にとって必要か?」という観点も非常に有効です。・・・(ただ、熱に浮かされる流行モノは例外かもしれません。」
3 問題解決のカタチを「商品」にする
「問題を解決してあげたい」気分を書き出すお助けシート
・「潜在ニーズは、あくまでも消費者の心に何が欠けているのか?を示したものにすぎません。その欠けたピースにぴったり合う商品はどのようなものか。じっくりと多角的に考えていく必要があります。」
ヒット商品の土台にあるコンセプト
・「いまの世の中で商品をヒットさせるには、どのような商品であれ、ブランドとしての価値を備えることが前提となります。」
・「その他大勢と明確に区分され、独自の存在のあるものが「ブランド」なのです。そのため、ブランドを確立するにはそのもの自身の存在をはっきりと内外へと示し、ほかとの違いを証明しなくてはなりません。それには、次の要素を明確にしておきます。1ターゲット、2戦場、3差別化ポイント、4根拠の提示」(ブランド憲法)
・「商品には「機能」「デザイン」のほかにもさまざまな要素が内包され、制作には多くの人間が携わりますが、憲法がなければみなが同じ方向を向くことができない」
山本流マーケティングサークルで物事を考える
・「あらゆる商品は、この8つの要素がバランスよく整っていることで売り上げを伸ばしていくことができます」(ネーミング、パッケージ、中身、価格、消費者広告、対外広報、消費者向け販売促進策、流通向け販売促進策)
・「マーケティングサークルを完成させるには、さまざまなフレームワークを活用するのがよいと思います。」
・「経験の裏付けがない理論はどこか空虚で、そうした問題は実際の工程のどこかで表出し、ヒットへと進む道のりを阻害してしまうでしょう。」
膨大なインプットから生まれるネーミング・売れるデザインの法則
・「ネーミングにおいて絶対はないというのが実際のところです。しかし、私なりに消費者の心に浸透しやすい法則があるのではないかと考えています。シンメトリー、母音から始まり、どこかに濁音が入っている、商品を投入する市場や関連する業界、ターゲット層から言葉を拾い出す」
・「パッケージも、絶対というものがない領域。・・・かっこいい、かっこ悪いという概念では決めず、コンセプトを表現することに注力、パッと目に入れた瞬間に好印象をあ与えるようなもの、第一印象を忘れない、実際にその商品が陳列されているときの様子に近い状態にして見る、案同士を見比べて優劣を決めることは実施にはありえません、案は一つひとつ精査するか、もしくは競合商品と並べてみるのがいい」
短編小説を書く
・「商品そのものをターゲット像に合わせて「擬人化」すること」
・「小説は、文章という表面世界で表現されるものであっても、描き出されるのは三次元の世界です。」
・「短編小説は商品の外の世界にある物事について、どれだけ理解できているか自問するツールにもなる」
みんなが「うなる」企画がヒットにつながる
・「(企画書は)「これはヒットする!」と確信した商品を生み出すための説明書、または言い訳だと私は思っています。」
ヒットをブーストさせる仕組み
・「どうにか、70%の人に受け入れられると、そこから一気にブレイクできると考えています。」
・「ある商品やブランドが成功しているか、簡単に確認できる方法があります。商品やブランドのロゴが入ったTシャツを着て街を歩けるかどうか、想像してみる。」
・「ヒットする商品にはどのような特徴があるのか。「メリットの多さ」、「はじめて」」
・「タイミングも商品の運命を分ける」
・「メインターゲットとは違う層が買っている」
・「リピーターになってもらい、さらにはファンになってもらうこともヒットの要素です」
・「機能の面でも情緒の面でも気に入られれば、積極的にリピーターとなってくれるはずです。また、消費者が思わず「こんなところまで!」「そこまでやらなくても!」と思ってしまうほどの魅力をもたせることはヒットにつながります。」
商品のリニューアルで注意すべきこと
・「人間というものは、たいてい30%以上の変化があって大きな刺激を受けるものです。ですから、30%未満の変更は、やるだけ損をすると思ってください。」
Posted by ブクログ 2015年12月22日
ヒント満載。
いままで読んだ、マーケティングとも
違う。
なんか、腑に落ちる。
確かに!と思うとこ多い。
文句をたくさん出す
それをつなげる
という、発想。
今までは、こんなものあったらいいな
便利になるだろう、
という視点。
やなことをたくさんだす。
しかも、その度合いがうーんと
高い方がい...続きを読むいって。
確かにーー
Posted by ブクログ 2014年08月10日
机上の理論ではなく現場で実際に結果を出した人の本。
実体験に基づいているので説得力がある。
・市場調査、顕在ニーズではヒットは生まれない。
・潜在ニーズこそヒットのカギ
・潜在ニーズを発見するには文句を聞き、文句を文句をくっつけること。
Posted by ブクログ 2015年03月31日
マーケティングの「プロ」、山本康博さん作。ヒット商品の招待である、「潜在ニーズ」(=インサイトに近いのかな)を見つけるポイントと、自身の体験談が凝縮。
彼は、マーケのプロに学歴は関係無いと言う。たたきあげで縁あって伊藤園に入社し、コカ・コーラ、そしてJTと、ステージを変えながらそこで多くの経験を積み...続きを読む、メンターと出会い、知識、ノウハウを蓄積してきた。
「ぎゅっと搾ったレモン水」「充実野菜」「桃の天然水」など次々とヒットを生み出し、さらに、JTの新たな顔とも言える缶コーヒー「ルーツ」も手がけた仕掛け人。
(缶のシルエットなど、こだわって作り出したのに、今年の2月にJTは飲料製品の販売事業から撤退するとの発表が。。ブランドの存続に関してはまだ未定とのこと。)
・ヒット商品を生み出すためには、特別な才能や莫大な予算、画期的な技術や発想が必ずしも必要なわけではない。
もっとも重要なのは、私たち消費者が抱えている明確な声にならない「潜在的なニーズ」をうまく見つけることにある。
・リアルゴールドを缶火・・・従来の茶色い瓶から脱し、缶にすることで割れにくいというメリットも生かし自動販売機へ拡充。
・潜在ニーズは「文句を聞くこと」でわかることも。
・メモはその都度とる!しかも紙で。「アイデアの見える化」
・デレゲート・・・権限委譲。仕事を人に振ることではなく相手を信頼してプロジェクトを滞りなく進めること。