あらすじ
この本の中心課題は、やはり、日本の敗戦後の政治のあり方である。吉田茂元首相が、要らぬ高踏戦術をとって、のらりくらりと、マッカーサー進駐軍を騙してかつ自己防衛のために、社会党などの国内の反戦平和勢力を、アメリカからの政治圧力に対して、楯として使って、アメリカにけしかけることをした。このために、かえってアメリカの手玉にとられて、日本は、おかしな憲法典だけでなく、日米安全保障条約と合衆国軍隊の地位に関する協定を、押しつけられて身動きのとれない国家にされてしまった。やっぱり、官僚政治化・吉田茂に最大の責任があったのだ、という結論にならざるを得ない。(本文より)このように戦後政治のほんとうの姿を描く圧巻の論考を始め、安保闘争について、丸山真男の死にあたって、など、著者ならではの重厚な考察が満載された論文集の待望の復刊である。
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Posted by ブクログ
第10章 私の思想遍歴で、著者の考え方がどのように醸成されてきたのかが良くわかる。
そして、その考え方に基づき、また、よくもわるくも現代のヘゲモニー国家アメリカを軸に言説が纏められている。
あまりにも、直線的な言い回しでどきっとするようなところもあるが、10年前の本の新版であるにもかかわらず、まったく違和感を覚えなかった。
Posted by ブクログ
2002年10月16日
“非常におもしろい。副島さんの本でも特にいい”
2010/9/17:
傑作この3冊は重要。
<さらば吉田茂:未読>
<軍隊なき占領:既読>
<田中清玄自伝:既読>