【感想・ネタバレ】猫とアリスのレビュー

あらすじ

直木賞作家が描く、躊躇しない最強の女探偵!ジムでのスパーリングでひと汗かいたわたしが事務所に帰ると、新たな依頼人が待っていた。元教え子が亡くなった事件を調べてほしいという――。調べていくと、鮮やかな青い蛇のタトゥーを彫った男の影がちらつきはじめる。なぜか心惹かれる男、「青蛇」と関わった最初の事件だった。亡き夫の遺した探偵事務所を舞台に、一筋縄ではいかない依頼の数々をクールに片付けていく、芦原すなお渾身の女性私立探偵譚。『月夜の晩に火事がいて』の山浦歩との最初の出会い「猫とアリス」ほか、青蛇を巡る哀しい事件の顛末を全5編で贈る、シリーズ第2弾。/解説=中辻理夫

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Posted by ブクログ

夫の遺した探偵事務所を継いだ『わたし』の元へ、元教え子の亡くなった事件を調べてほしいという依頼が舞い込んでくる。それが『わたし』と『青蛇』との出会いとなる事件だった。
私立女探偵『笹野里子』の語る連作短編集。


前作と呼べる同じ主人公の作品があるらしい。未読でも支障はなかったが、読んでいれば尚楽しめたかもしれない。
一冊の中で幾つかの事件が語られているが、通して関わってくるのが『青蛇』と呼ばれる不思議な魅力を持った男だ。いわばこの短編集は、青蛇の生き様を追った話なのである。
主人公ももちろんだが、その他の登場人物(主に男性)も中々個性的で、事件を追うよりも面白味を感じる。
前作や他の作品も読んでみたいと思えた

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2017年07月15日

Posted by ブクログ

【青蛇】青蛇のタトゥーをつけた男。里子が負けかけた強敵。悪と悲しみの気配を身に纏っているようでもある。この巻はほぼ青蛇の話とも言える。
【ジェイソン】里子が通う格闘技ジムのオウナー。青蛇の師でもあった。
【バレンタインデー】ある男が殺され、男に惹かれていた女は理由を知りたかった。
【ふーちゃん】山浦歩。里子と親しい探偵。頼りない。他の話の主人公でもあるようだ。この巻では二人の出会いが描かれる。里子は人探し、ふーちゃんは猫探し中だった。
【ト・アペイロン】インチキ宗教。
【木曾暮久一郎】インチキ宗教絡みで出てきた名前。大物政治家でクリーンで女性に人気があり将来の首相と目されている。遠藤いわくズルガシコ大魔王。
【感想】可笑しくしようとせずとも可笑しみが出てるように見える淡々とした軽い文章。調子が出てきた感じ。

■笹野里子についての簡単な単語集

【アウト・オブ・ノーウェア】第一巻『ハート・オブ・スティール』三番目の章。邪悪な何かが近づいてくるのを里子は感じていた。
【青蛇】第二巻『猫とアリス』最初の章。常盤木というすごく特徴がなくて目立たなく江戸なまりっぽいなまりがある私立女子高校の教師が今は大学生になっている元教え子、中岡ユメミのことで依頼した。ブリスという最近広まっているらしい合成麻薬によって死んだらしい。扱っているのはエリート官僚という噂。里子が負けかけた強敵青蛇との初遭遇。彼はその後里子を助けてくれたりもする。ファンになってくれたらしい。
【遠藤警部】警視庁捜査一課。里子に惚れているようで、押収品のメリケンサックとナイフをプレゼントしてくれた。
【唐木建:からき・たつる】ある人物の本名。
【クリスクロス・六本木】第二巻『猫とアリス』二番目の章。バレンタインデー、六本木の交差点で恋人(候補)の金城泰人が射殺された事件の真相を知りたいと少女にも見える須藤エリサが依頼してきた。
【氷の炎】第一巻『ハート・オブ・スティール』二番目の章。人気俳優、村田青二の依頼は愛人の凍野もえ(いての・もえ)がどういう女か調査することだったが、その調査を笹野里子に依頼するよう指示したのはもえ自身だった。
【後家さん】山浦歩の事務所が入っているビルのオーナー。未亡人。里子を警戒している。
【笹野里子】主人公。探偵。他者に媚びない傲岸不遜なタイプ。ハードボイルド系探偵のようだがヒューマニストではない。物語スタート時たぶん四十一歳。探偵だった夫の死後抜け殻のようになり保母をやめ一年後に探偵になった。向いていたのか、一年で腕利きと目されるようになった。夫はメーカー不明の三十八口径リボルバーを遺した。格闘技の訓練もした。ショパンのマズルカヘ短調が好き。
【笹野里子の夫】探偵だった。常に女の影があり、ひとつのけじめをつけてから次にというタイプではなかった。酒に酔って女とともに交通事故死した。自己の安全に対しては気を使うタイプだったので里子は疑念を抱き調査したが何も出てこなかった。メーカー不明の三十八口径リボルバーを遺した。ショパンのマズルカが好きで里子も聴いているうちに好きになった。
【ジェイソン】里子が通う格闘技系のジムのオウナー。スキンヘッドでぽっちゃり体型だが、かなり強い。若い頃はアジア各国でさまざまな武術の修行をした。当時はブルース・リーのような髪型だった(らしい)。
【自由】里子《自由というより、失うものがない、と言った方がいいかもしれないけど。》第一巻p.190
【ショウダウン】第一巻『ハート・オブ・スティール』四番目の章。著名政治家のスキャンダル絡みの調査を依頼され、それには里子の死んだ夫も絡んでいたようだ。
【隙】《こういうふうに一分の隙もない格好をするところが隙なのだ。》p.10
【探偵】《面倒はいとわない。面倒なことを処理する商売なのだから。だが、いやな思いをするのはいやである。》p.11
【ディオニソスの館】第二巻『猫とアリス』の第四話。里子が助けた溜成元男(ためなり・もとお)は女(斉橋結衣、源氏名ディーテ)で身を持ち崩した。それはとある宗教団体につながり…
【猫とアリス】第二巻『猫とアリス』三番目の章。公認会計士できっちりしている樟島久彌子が行方不明になった部下の仁平悟を探している。一方、まだ里子と知り合う前の山浦歩はマキという五歳の少女から是次郎という茶虎の猫を探す依頼を受けていた。
【ふーちゃん】→山浦歩
【無間奈落】第二巻『猫とアリス』の第五話。この巻で最も長く中編と言える分量。
【雪のマズルカ】第一巻『ハート・オブ・スティール』最初の章。笹野里子初登場と思われる。かつての大立て者で今でも大富豪である増田幾二郎の孫娘、高校二年生の咲が好ましくない人物たちとつきあっているようなので「まっとうな」道に引き戻してほしいという以来。気が進まないが運命を感じ引き受けた。
【山浦歩】里子の同業者でかつ唯一の友人と言える。愛称「ふーちゃん」。物語スタート時四十九歳のさえない探偵。ときどきアルバイトしたりしてる。事務所の入っているビルの一階の大家さん(未亡人)は好意的で山浦の電話を常に傍聴している。

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2026年03月10日

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ネタバレ

超久々に芦原すなおを読んだ。旅のお供として文庫本を見てて偶然。しかも期せずして、「ハート・オブ・スティール」の続編だった。やっぱ面白かった。青蛇の最後はちょっと泣きそうだった。自分まで死ぬ必要ないのに。こんな政治家、死ねばいいのだ。ふーちゃんこと山浦歩のシリーズも読み返したいし、ハート・オブ・スティールも読み返したい。ウィキにシリーズものとしてまとめられてなかったのにびっくり。ファンは何をしてるんだ。今のススキノ探偵シリーズを読み終わったら、芦原すなお読もうかな。ほんと読みたい本、見たい映画・DVDが多くて忙しい。仕事なんてしてる場合じゃないわ。

2022.10.7
再読。またしても旅のお共として。でも「ハート・オブ・スティール」とこないだ読んだので借りたのだ。やっぱり青蛇は切ない。ほんと死なないでほしかった。こんな高い能力を持つ人が実在するか分からないけど、こんな辛い人生があるだろうか。こういう嫌な政治家は苦しみつくして死ねばいい。ジェイソンみたいなフラットな人と私も出会いたいものだ。ふーちゃんの話も絶対読むぞ。

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2018年01月17日

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2015.8.15-47
探偵笹野里子が関わる青蛇に纏わる短編5編。青蛇、クリスクロス六本木、猫とアリス、デォニュソスの館、無間奈落。
探偵の会話がテンポよく軽く読み進めるものの、青蛇の出生と幕引きが切ない。

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2015年08月15日

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ネタバレ

先月読んだ『雪のマズルカ』続編
女私立探偵のハードボイルド小説
今回は、「青蛇」と言われる、若く強く悲しい男が絡むお話で
あっという間に読んでしまいました
くせになるシリーズになってしまいました

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2015年04月23日

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2冊目は少しハードボイルド感が薄れましたね。1冊を通して青蛇と呼ばれる男に関連する話が続くので、連作短編集とはなっているものの長編ぽい雰囲気もあります。
猫もアリスもあまり関係はなかったです。

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2015年03月14日

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国産ミステリの女性私立探偵といえば、柴田よしきの下澤唯、若竹七海の葉村晶、そしてこの芦原すなおの笹野里子だろうな里子と遠藤警部のやり取りが、悲しみに満ちたこの連作の中で、数少ない癒し。

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2019年03月26日

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『雪のマズルカ』から引き続き、里子のカッコ良さは際立つ。ジェイソンの存在は大きい。てか、ジェイソンと青蛇には似た部分があるよなぁ。”向こう側”に行きたくなるような経験をジェイソンがしてたら、とちょっと怖くもある。

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2016年02月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クールで孤独で偏屈な女探偵といえば、若竹七海の葉村晶シリーズを思い出す人も結構いると思うが、このヒロインもそれに当てはまっています。
ただ、晶は若さも美貌も武器も腕力も持っておらず、ただ機転と経験で事件を調査するが、このヒロインはそこそこの美貌(刑事に惚れられてるし)と旦那の形見のリボルバーと格闘技のスキルをもっている。
その分、40女探偵のリアルさがまったくない。
まー、かっこいいですよ。うん。
晶みたいに泥の中這いずるようにして事件を追い、傷つけられまくりながら表面上必死で冷静を保ち、足元を見られないように肩肘張っているようなそういう要素が無いというか、まったくもって感じられない。
芦原すなおの『ミミズクとオリーブ』のような浮世離れした夫婦ほどのキャラがたっておらず、中途半端にリアルにした結果無個性になってしまっている。
事件そのものも、推理全く関係なしなので、そっちを期待してもだめ。
じゃあ、どこを面白く読めばいいのかというと、登場人物の軽妙なやりとりかなぁ。
いかにも芦原節。
が、それのせいでハードボイルドさが低くなるのもまた事実。
今回は『青蛇』という登場人物の物語をヒロインが見ているというスタンスに近いです。
昔のコバルト文庫のミステリものっぽい。
すごく面白くないわけではないが、物足りなさが残る。

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2015年03月17日

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